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消化力を上げるために出来ること

前回の記事では「健康のカギは消化力」というテーマでアグニ(消化の火)の性質や関連するアーユルヴェーダの理論についてお話してみました。
今回は消化力を上げる為にじゃあ実際何ができるのかについてお話していきたいと思います。

良ければこちらから前回の記事もご覧ください。

お白湯

お白湯が体に良いということは色々なところで見たり聞いたりされると思います。
お白湯を飲むことで体が温まり代謝力や免疫力の向上、便秘解消などが期待されています。

アーユルヴェーダではお白湯は消化力を上げると言われています。
アグニを上げる為には温かい、乾燥、鋭い、軽い、微細、この5つの性質を取り入れる必要があることを前回の記事でお話しましたがお白湯はまず温かい性質を持っています。
またお白湯には軽い性質もあります。
1度沸かすことで火の軽い要素が加わり沸かす前の水よりも軽い状態になります。
温かく軽いというこの性質によってお白湯は消化力上げる働きをしてくれます。

「水よりもお白湯が軽い?」
と思われた方はぜひ飲み比べてみてください。
沸かしていない水を飲んだ時と沸かしたお白湯を飲んだ時で体の感覚が違うと思います。
お白湯を飲んだ時の方が体がふわっとするような、口に含んだ時も軽やかな感覚で、上手く説明できないのが残念ですが、、、
私はとても面白く感じました^^

もしお白湯が苦手とか暑くてお白湯は飲みたくないなという時には湯冷ましでも大丈夫です。
1度沸かしたことで湯冷ましにも軽い性質があります。
アーユルヴェーダのディナチャリヤ(健康的な1日の過ごし方)には朝にコップ1杯の水を飲むとあります。(古典に書かれている正確な量はかなり多くそれだけの量を飲むのは大変なのでコップ1杯で十分だと私の先生は言っていました。)
朝に飲むこの水も湯冷ましにすることで消火への負担が軽くなるので前の晩に沸かして準備しておくと良いかもしれません。

私は毎朝1リットルのお白湯を作ってそれを保温ポットに入れて飲みたい時に少しずつ飲むようにしています。
何度も沸かす手間が省け、1日にどれだけ水分を取っているかも管理しやすいのでこの方法にしています。
お白湯は好きなタイミングで取って大丈夫ですが1点だけ食前と食後にはあまりたくさん水分を取らない方がいいとされています。
水分を取ることで胃の中の消化液が薄まり消化力が下がってしまうからです。
食前と食後に水分をたくさん取ることは避けて食事中は少量のお白湯をすするように飲むことをおすすめします。

生姜

消化力を上げるためのスパイスとしてよく使われているのが生姜です。
生姜の搾り汁小さじ1杯に岩塩を振りかけ、それを食事の30分前に取ると消化力アップが期待できます。(生姜スライスに岩塩を振りかけたものでも大丈夫です。)
ジンジャーティーを飲むのも効果的ですし、もちろん日々の食事の薬味として生姜を取り入れるのも効果的です。
アーユルヴェーダハーブの中には日本では手に入りにくいものもありますが生姜は日本人にも馴染み深いものなので積極的に取り入れていきたいです。

トリカトゥ

トリはサンスクリット語で「3」、カトゥは「辛味」を意味し、
生姜、黒こしょう、長こしょう1:1:1の割合で混ぜたものをトリカトゥと呼びます。
辛味はアグニを上げる味です。
このトリカトゥは刺激が強いので消化力がかなり下がっている時に使われます。
小さじ1/4から1/2ぐらいの量を水に混ぜて飲む、またはハチミツに混ぜて食べることで消化力を上げることが期待できます。
刺激が強いので食前の空腹時に取ることは避け食後に取るようにしましょう。
またピッタ体質の人は辛味が体に合っていないのでトリカトゥを取る時は体の様子を見ながら少量から始めることをお勧めします。
私はピッタ体質なのですがトリカトゥが体に合わず胃がキリキリと痛むようになってしまって反対に消化力が落ちてしまうという経験をしたことがあります。
同じものを取り入れても反応の仕方は人それぞれです。
ぜひご自身の体を観察してみてください^^

断食

断食も消化力を上げる効果があります。
断食といっても完全に食事を抜くわけではなく、お粥や野菜スープなどの軽い食事と白湯のみで1日過ごすといったような軽い断食で大丈夫です。

この飽食の時代、私たちはどちらかというと食べ過ぎている傾向にあります。
食べ過ぎは消化力を下げます。
定期的に軽い断食を行うことで消化力の改善が期待できるとともに、断食には体にたまったアーマ(毒素)を消化するという働きもあります。
お粥やスープに生姜を加えることでより一層消化力の向上とアーマの排泄が期待できます。

私も今年に入ってから月に2回の軽い断食を習慣にしています。
お粥や野菜スープも目を閉じながら味わうとお米や野菜の甘味などを感じることができ意外にも少ない量で満足することができます。
断食はメンタルアーマ(精神的に溜まった毒素)も軽くすると言われていますが、断食の日は頭がスッキリとしたような感覚になりその効果も実感しています。

また、少し食べ過ぎたと思ったら1食抜いてみることも消化力の回復に効果があります。
夜食べ過ぎたら次の日の朝は抜いてみる、昼食べ過ぎたら夜は抜いてみる、こんな風に調整してみてください。

断食に関してもう少し詳しい説明と断食をしてみて私が感じたことをこちらに書いているので良ければ読んでみてください♪

さいごに

体に毒素を溜めない為に大切なのが消化力。
消化力を上げることで日々の不調、例えば肩こり、便秘、下痢、だるさ、鼻炎、このような症状の緩和が期待できます。
しかしそれだけでなく消化力は精神面にも作用しています。
アグニ(消化力)は私たちの中にある火です。
アグニは食べ物を消化するだけでなく私たちが経験したことや感じたことも消化してくれるとアーユルヴェーダは教えます。
消化力が下がり火が小さくなってる時、経験や感情は上手く処理されずそれらはトラウマやモヤモヤした感情となって私たちの中にとどまります。
反対にアグニが強く燃えている時、私たちは内面から光り輝き、それはまた知性や意志力、強い心へとつながっていきます。
体の健康だけでなく心の健康の為にも消化力をバランス良く保つことが大切です。
お白湯や断食を習慣にし、消化力が下がった時は生姜やトリカトゥを取り入れていただけると嬉しく思います♪


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