人が透明になる過程
産声をあげ、笑うようになり、立ち上がり、家族だけの世界から飛び出して学校に通い、守られている状態から段々と肌が社会に近くなる。社会に出て、ついに庇護の皮が全て剥けて剥き出しになった私たちは、世の中には実にいろんな人がいることを知る。
近しい経験を共有してきた学校という集団から巣立ち、育った地域も年齢も社会での経験値も様々な社会という集団に身を置き、人の醜い面を知る。思いつきもしない否定、理不尽に閉口しつつ、ときに納得のいかない同調、ときに笑顔、ときに静かに拳を握りながら幾年も