ニュースや情報番組で、「特殊清掃」とか「事故物件」という言葉を聞くことがあります。
そして、特殊清掃を請け負う業者への依頼が増えているといいます。
亡くなられた状況や事情はさまざまですが、その多くは発見されるまでに長い時間がかかり、葬送も十分ではないようです。
そうした孤独死された方や住まいをお祓いされてきた実例が載る『はぐれ宮司の 事故物件 お祓い事件簿 1500件超の現場を浄化!』(講談社・刊)です。
陰惨な現場をお祓いし、清める宮司さんの存在は、初めて知りました。
どの人にも“死”の時を迎えるのですが、それは年齢を重ねて”自然”なものでありたいと思います。
しかし、自死・自殺を選択したり、突然の事件・事故に命を落としたりする方もみえます。
さらに、「自宅内で死亡した事実が死後判明に至った1人暮らしの人」(孤独死)がみえます。
事故物件のお祓いを専門とする宮司は、日本ではおそらく“はぐれ宮司”の金子氏ただ一人です。
本書は、さまざまな現場でお祓いをし、清めてきた宮司の事件ファイルです。専門的な用語・事柄も分かりやすく説明があり、読みやすい文章で紹介されています。
誰しも“凄惨な現場”で死を迎えると思わないし、願いません。そうした話を読みたい、読ませたいとも思わないでしょう。
本書は、凄惨な現場でお祓いをし「心の現状復帰」を担う宮司の思い、願い、生き様が述べられています。
そこから、命、生きていること、これからの生き方など、自分の“今と未来(あす)”について考えさせられます。
手に取り、裏表紙を見てください。そして口絵、最初のマンガ、嫌な気持ちにならなければ、そのまま読んでみてはいかがでしょう。
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