あなたは、“特攻服”をご存じですか。
そして、どのような印象、思い出をお持ちですか。
青地の表紙に、雑誌『ティーンズロード』を手にする特攻服を着た少女が描かれた『特攻服少女と1825日』(小学館・刊)が書架にありました。
懐かしい(?)雑誌、そして特攻服姿が気になって、手に取りました。
本書は、第29回小学館ノンフィクション大賞受賞作で、選考委員が大絶賛して受賞に至った作品だそうです。
著者は、表紙に描かれていた雑誌『ティーンズロード』の初代編集長です。
雑誌『ティーンズロード』は、1980~90年代に“レディース”という特異な世界を取り上げました。
本書は、その創刊から人気となり休刊までを回顧した内容となっています。
そして、雑誌に登場したレディース、総長のことを綴っています。
レディース、女番(スケ番)、ヤンキー、暴走族……
雑誌『ティーンズロード』が発行されていた1980~90年代、当地の中学生にもいました。
本書に登場する「三河遠州女番連合(スケ連)」の発足は、隣接の市でした。そこに加わる女生徒もいました。
その時の中学生、出来事…、思い出しながら読みました。
“あの時代”を懐かしがったり、美化したりすることはできないが、彼女達がいた“社会”を知り、その“思い”に触れることは、今の子供達にも大切なことだと思います。
読みやすいとは言えなかったが、気になる見出しから、その出来事や人について読むとよいでしょう。
“あの時代”に子供だった保護者が、興味をもって読める一冊だと思います。いかがですか。
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