新型コロナ禍に、海堂尊氏の『コロナ狂騒録』、『コロナ黙示録』を読み、そこに描かれる社会・政治の姿を“今”と重ねました。
そして3作目となる『コロナ漂流録』(宝島社・刊)です。
新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが“5類感染症”となったことで、このシリーズも完結でしょうか。
本書も、東城大学医学部の田口公平氏を中心に、これまでと同じ顔ぶれで、2022年6月から2023年1月までの出来事に合わせ、桜宮市、東京、浪速で活躍しています。
その中に、第1部のタイトルになっている“暴走ラッコこと洲崎洋平が加わり、職場や働き方、思考を揺さぶっていきます。
田口公平に高梨学長から、部屋の交換を提案され、初めての部下となる洲崎洋平を授けられるところから始まります。
安保元首相の襲撃事件、奉一教会問題、ワクチン開発業者、効果性表示食品、浪速万博…。
どれも、「あの話は…。」と、その頃の出来事が思い浮かびます。
新型コロナウイルス感染症が、この国を“変えた”のか、変わってきていなことが“表に出た”のか…。
著者の立ち位置で読むのか、著者に論争を挑むのか…。
いろいろな読み方のできる、今を並走する物語です。お薦めの3部作です。
読書メモより
【関連】
◇海堂尊公式ホームページ
【海堂尊氏の本】
◇『医学のつばさ』(海堂尊・著)((2022/01/30 集団「Emication」)
◇『医学のひよこ』(海堂尊・著)(2022/01/23 集団「Emication」)
◇『コロナ狂騒録』(海堂尊・著)(2021/12/17 集団「Emication」)
◇『医学のたまご』(海堂尊・著)(2021/12/04 集団「Emication」)
◇『トリセツ・カラダ』(海堂尊・著)(2020/08/08 集団「Emication」)
◇『コロナ黙示録』(海堂尊・著)(2020/08/01 集団「Emication」)