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「ひとりで登山」している雪山登山初心者はどこに登ればいいのか

基本「ひとり登山」の私が、雪山登山初心者のときに考えていたこと

標高の高い山の多くが雪に包まれる冬。
この季節になると「冬も山に登るのですか?」と聞かれることが多いが「もちろん登りますよ」と答えると、登山をしない人には大抵驚かれてしまう。

冬の宝剣岳は、眺めただけで登っていない

登山はもともと危険と隣り合わせのアクティビティだが、雪山なら尚更だ。
実際登ってみると「雪が積もっていたほうが登りやすい山」というのもあったりするのだが、多くの山においては無雪期よりもレベルが上がり、危険度も増すと考えて間違いないだろう。

実際のところは、関東以西の太平洋側にある標高2000メートル以下の山であれば、真冬でも雪がないことは珍しくない。標高や立地によっては「冬でも雪が積もることは珍しい」山はたくさんあるので、そういう山に雪が積もっていないときに登れば「雪山登山はしないけど、冬の間も継続的に登山をする」ことは、関東以西在住の方にとっては難しいことではないだろう。

だがそれでも「雪山に登ってみたい」と考える人はいる。
それも「普段1人で山に登っているのに」だ。私もそうだった。
ただでさえ危険度が増してしまう雪山に、1人で行っていいのか?

私自身、雪山登山初心者の頃は大いに悩み、それでも登ってみたくて試行錯誤を重ねていた。
当時も自分なりに「こういう山に、こういう登り方をすればいいのではないか」という考えを持って山とルートを選び、それに従いそれなりの数の雪山には登ることができたと思う。

本稿では雪山登山初心者だった頃の私が何を考えて、どんな山に登っていたかについてを記している。
ただし、雪山登山を始めて10年以上経つけれど、未だに雪山に関しては「初級者」の域を出ていないと感じているし、それ以上にステップアップするつもりも今のところない。やはり雪山登山は危険が多いし、レベルが上がるにつれしんどいことも増える。
「初級レベルの雪山にコンディションがいいときを狙って登れれば幸せだな」
というのが、いろいろやってみた末に出した結論だ。レベルの面でも天候や体調などコンディションの面でも、通常の登山以上に「無理は禁物」なのが雪山登山なのだ。それは間違いない。

そんな「初級レベルの雪山に登れれば十分」がゴールの私の話でもよければ、参考にしていただければと思う。
記事の後半ではこれまで積雪期と残雪期に登った山・ハイキングコースを20数通り紹介している。交通機関の詳細までは触れていない山もあるが、誰かに車を出してもらうとかではなく公共交通機関を利用して登った山ばかりなので、その点も参考にしてもらえるかもしれない。

ちなみにだが「雪山登山初心者」「ひとり登山」は、インターネット上で何の気なしに書いてしまうと大変危険なワードであり、いわゆる「山を舐めるなおじさん」がさらに過激化したような方に、いきなりお叱りを受けてしまうことがある。

ある意味仕方のないことではあるのだ。
「雪山に1人で登って大丈夫か」に対する答えに正解はなく、限りなく正解に近い回答は「登らないほうがいい」だからだ。
しかし……さすがにそれではつまらないではないか。
「どうでもいい正解を愛するよりも面白そうなフェイクを愛せよ」
と誰かが言っていたが、いい言葉だなと思った。正解ではないとわかっていても、自分の人生をおもしろくするために悪あがきすることに意味がないとは思いたくない。正解に近づくことがすべてではないのだ。

ただ私も「山を舐めるな」と叱られることはできる限り避けたいので、この記事は興味本位で読まれることのないよう、通常よりもかなり高額な価格を設定している。
メンバーシップの会員になっていただければスタンダードプランの600円で読めるので、興味を持たれた方にはメンバーシップに加入いただければと思う。

2011年の4月に登山を始めた私が、初めて「雪がガッツリ積もっている山」を歩いたのは、2012年の2月のことだった。

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