運動会と障がい受容【後編】
運動会直前で雲行きが怪しくなり、
私は2年生の時から利用している
保育所等訪問支援の担当STを頼った(以下ST)
STはaoの特性をとてもよく理解してくれている。学校と家庭の中立の立場で、私もSTをとても信頼している。
私が一連の流れを説明し相談の電話をした翌日が丁度、訪問支援に学校へ行く日だった。
いつもはメールで支援内容の報告を受けるが、
その日はSTから電話があった。
訪問に行くとaoくんが自らダンスを披露してくれたんです!ブリッジとか難しい所は、手伝って!とアピールしてきて、上手くなりたい!という向上心も感じ取れました!
更に、机の上に『ラ』と書いてラジオ体操の曲を流して欲しいと訴えてきて…
曲を流すと、『先生見て?ボクここまで出来るようになったよ!』と訴えているようでした!
自分自身で、頑張りや成長を感じられているんだと思います。
aoくんのこんな姿を見るのは初めてです!!泣
確かに、aoの中で今までにない感情が出てきている!
主人の実家に行った時も、じぃじとおばあちゃんにラジオ体操を満面の笑みで披露していた。
お母さん、もぅこの時点で100点満点ですよ!
これだけ本人が「やりたい」って気持ちがあるのに練習を拒否するのは精神的、身体的に限界を感じているんだと思います。
他害が出るのもそれだけ追い込まれている…
結果より過程を大事にしてあげましょう?!
運動会の本番がゴールじゃないですよ!
STの言葉に色んな想いが込み上げてきた…
それと同時に肩の力もフッと抜けた気がした。
ほんとにもう充分だ。
私はこれ以上何を望んでいたんだろう…
本番でみんなと一緒に頑張れること?
みんなに頑張ったね!と認めてもらうこと?
それよりも、「運動会」という1つの目標に向けて本人がどのように取り組み成長していったのか…という過程の方が大事だった。
今までのaoからしたら、もう本当に100点のレベルを超えている!と心から思えた。
運動会の前日、担任にプレッシャーを掛け過ぎてしまっていた事を謝った。
本番は本人の意思を尊重してもらい、担任の判断にお任せします!と伝えた。
これは私の中で、
『あきらめ』ではなく『うけいれ』だった。
今まで色んなことを受け入れてきたつもりでも、本人の成長や次のステップと共に、受容し直すタイミングがその時々でやってくる。
ドキドキしながらも、晴々とした気持ちで迎えた運動会本番…
誰よりも練習したラジオ体操は、一度も後ろの担任を頼ることなく最後まで一人でやりきった!
担任と毎日練習した100m徒競走は、コースから外れることなくお散歩を交えながらゴールまで!
ゴールテープ手前で周りの拍手を見て、自分でもパチパチしながらゆっくり完走(歩)!
教室でDVDを見ながら何度も練習したダンスは、やっぱり砂の上に寝転ぶことは出来ず練習したことの半分も表現できなかった。
立っていることしか出来なくても、その場で本人が出せる精一杯の力だと思えた。
後で、担任が、本当はここまで出来るんですよ〜と教室でダンスに取り組む姿を動画におさめてくれた。
一つの行事を通して、aoは自分自身の成長を感じそれを自信に変え、私はまた一つ受容し直して、少しずつ少しずつ前に進んでいる。
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運動会後のaoは、学校で勉強した後のご褒美タイム(パソコンとかトランポリン)に、自ら「ダンスとラジオ体操をしたい!」と言い出す程で、本人の中で満足できる思い出になったことが何よりも嬉しかった。
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