詩|いのちの波紋
いのちの雫が雨粒みたいに降ってきて
夜の水面に小さな波紋をつくっていく
心臓はずっと真ん中にあったのだろうか
右手を胸の真ん中にあてて目を閉じる
この世界から消えたいと願う人がいて
かなしくなって何もかも無意味に思えた
できることなんか何もないことに絶望して
どうしようもなく怖くなって逃げ出した
無力さに絶望するなんてひとりよがりだね
最初から弱いものの塊でできた星なのに
弱いままでいのちを燃やし続けることは
時々孤独でさみしいけれど、とても美しいこと
永遠も絶対もないこの世界で
わたし達ができることといったら
いのちの波紋 / 月乃