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ある小学校教員の判断時の脳内をnote整理~子どもが話しかけてきた場面から対応まで編~
「せんせぇ~、プリント余りました」
と言って1枚のプリントを持ってきた1人の女の子、Aさん。
もし、あなたが小学校3年生の担任の先生なら、Aさんにどう対応しますか?
すぐ受け取ってあげればいいじゃない、というご意見。
もちろん、それが自然です。
ただ、学校や学級という場で、子ども1人1人を育てようと思うと、そればかりがベストとも言い切れません。
今回は、小学校で勤務している際のある一場面(数秒)を切り取って、判断までに脳内でどのようなことを考えていたのかをnoteに整理します。
1 反応までの脳内
・この子(Aさん)、これ聞いてくるの3回目くらいだな。
・不注意というか、あまり周囲に関心がない子なんだよなぁ。
・配達するプリントを置く台の下に「あまった紙を入れるBOX」があるのは、4月の始めに学級全体で確認したな。書いてもあるし、現に入ってるし。
・基本かまってほしいだろうから、全部スルーはしたくないんだよなぁ。家庭で満たされてない面もあるだろうし。
・かまってほしいからわざと聞いているのかなぁ。でも、基本素直な子だし、タイミングから見ても今回は純粋に忘れているか、元々「余ったプリントを自分でBOXに入れる」という選択肢が入ってなさそうだ。
・発達段階相応かもだけど、「困ったら先生」「とりあえず先生」の子が多い学年だから、少しずつ子ども同士や自分で何とかしようとする雰囲気はつくっていきたいんだよなぁ
・ここで教えたら、「先生に聞けばいい」を強化しちゃいそうだな
・あ、近くにBさんがいる。一緒の班で、配達を一緒にしてくれている。
・Bさんは、さっきからプリントを配っていて、余りをBOXに入れていたから、「余ったプリントを自分でBOXに入れる」ことは身に付いていそうだ。
・Bさんは、若干天然だけど、話し方は優しいし親切だから、Aさんが余ったプリントの扱いに困っていることに気付けば、きっとすぐ教えてくれる。
・幸いにも、今、自分は教室の反対側を見ていて、Aさんとは目が合っていない。聞こえなかったフリをしてもう少し待てば、AさんにはBさんが教えてくれるかな。
その時に全てを言語化したわけでは無いですが、瞬間的にこのようなことを考えました。
およそ1~2秒だったと思います。
ちなみに、時期は4月の下旬です。
いわゆる「学級づくり」の真っ最中です。
2 判断
結果、
反応しない
という判断をしました。
と言っても、全部無視するのではなく、数秒聞こえないフリをすることにしました。
・Bさんが気付いて教えてくれるのがベスト
・Bさんが気付かなければ、「余ったのどうするんだっけ?Bさん?Aさんに教えてあげて」と声をかける。
・万が一Bさんが嫌そうな雰囲気を出したら、「今配ってる最中だね」といって、近くにいる他の子に呼びかける
ことを腹案にしながら、数秒待ちました。
3 結果
その結果、すぐにBさんが気付き
「余っちゃったのはね~、ここに入れるんだよ。こっちこっち。」
と、Aさんを案内してくれました。
4 終わりに
これがベストの対応だったかどうかは分かりません。
今回、noteにしたのは、教員が子どもへの対応1つするのに、わずか1~2秒の間に、これだけのことを考えている(これも不十分かもしれませんが)ことがある、ということが伝わる事例になればと感じたからです。
また、今回の事例を整理することを通して、自分の普段の指導や支援を見つめる機会にもしたかったからです。
すごいとかではなく、むしろ全く大したことない自分でもこのように考えているので、きっともっと力量のある方はもっと考えていらっしゃるでしょうし、逆にここまで考えずともより教育効果のある判断をされているかと思います。
教員の普段の1つ1つの判断や反応に意図がある、ということが少しでも伝わればありがたいです。
最後までお読みいただきありがとうございました☆
※事実を元に、少しフィクションした事例を扱いました。