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メンバーの話を平等に聞くと、自立性と創造性が高まる(2)

こんにちは。企業や組織の個性を見つけ潜在力を引き出す、オートパイロット経営コンサルタントで中小企業診断士・司法書士・メンタルトレーナーの小野司です。

リーダーが現場に行かないと作業が滞るのをなくしたい、経営を自動化したいという、若手リーダー、経営者様にそのヒントをお届けしています。

現場の自立・創造を高めるため、私がメインとしている手法がカイゼン活動(小集団活動、グループワークなど)です。

そのカイゼン活動で、
平等は、メンバーの自立性と創造性を引き出していく上でとても重要になります。

その3本柱は、①発言回数の平等、②発言時間の平等、③考える量の平等です。

前回は、①②について紹介しました。今回は③考える量の平等について紹介します。

3.考える量の平等

ベテランやエースと言われるメンバーは、知識も経験も豊富です。
そして、深い発言、鋭い発言をします。

しかし、頭の中にある”知識や経験の引き出し”から、出してくるだけの発言もあります。もちろん、その内容は他のメンバーにとって有益なものです。

一方、単に”引き出し”から出した持ってきただけであれば、”考えた量”は多いとはいえません。

そのような発言は、”普通の発言”と位置づけます。

若手は、知識も経験も少ないのがあたりまえです。

その若手が、脳みそに汗をかきながら発言したものでも、ベテランからみれば、あたりまえということも多いです。

しかし、少ない知識や経験から、自分に頭で考えて発言したのであれば、”考えた量”は多いといえます。

そのような発言は、カイゼン活動では、”すばらしい発言”と位置づけます。

カイゼンリーダーは、このようなルールを事前に伝えておきます。

そうしますと、
ベテランは、考えて発言しようとしますので、もっといい発言をしてくれます。
若手は、発言の内容自体より、考えることが重要と認識しますので、なんとか発言しようという気持ちになります。

端的にいえば、結果承認ではなく、プロセス承認をルールにしています。プロセス承認は勇気づけにつながります。若手からもいい発言が生まれてきやすくなります。


ある研究教育機関でのカイゼン活動での事例です。

ベテラン教授から若い准教授や技官がメンバーでした。
そして、割とざっくばらんに話できる雰囲気がありました。

ある時、アイディア出しの段階で、手詰まり状態になりました。

若い准教授や技官は、自分の担当領域を超えたところのアイディア、ちっちゃなアイディア、効果があるかわからないようなアイディアなどは出さない雰囲気がありました。

ベテラン教授は、立場や責任もあるので、効果が大きそうなアイディア、実現可能性の高そうなアイディアを出そうとしていました。口が重そうでした。

ここの研究教育機関では、組織全体にまたがる課題などは、主任教授クラスの先生がアイディアを出すことが多かったようです。
そして、主任教授クラスの先生が手詰まりになれば、日を改めることが多かったです。

そこで、(会議の前には3つの平等ルールを伝えていましたが)改めて伝えました。

「ここは研修の場と位置づけさせてください。
そして、この研修の2時間はこの3つの平等ルールで進めさせてください。」と

発言回数の平等に即して、席順にアイディアを聞いてゆきました。

発言時間の平等に即して、各自同じ時間としました。
 長く話す先生にはセーブしてもらい、アイディアが出てこなくて困っている先生には時間を使ってもらいました。

考える量の平等に即して、その場で知恵を絞っていただきました。
 その時は、マネジメント課題の解決アイディア出しでした。
 ほとんどの先生方の研究領域外でしたが、その場で考えてもらいました。

そうしましたら、ちょっとしたことですが、いいアイディアが、若手の先生から出されました。

主任教授クラスの先生からも「もっと、若い先生を頼っていいと感じた」言われていました。発見があったようでした。

それが、カイゼン活動が前に進むきっかけになりました。

工場の作業員や飲食店スタッフなどのカイゼン活動でも、若手からいいアイディアが生まれることがありました。

それらの場合も、平等ルールがうまく機能しました。

アイディアや方針はリーダーが示すもの、
他のメンバーはそれに従うもの、

という枠も外れてきます。

カイゼン活動においては、平等のパワーを感じます。

平等には、安全・安心を感じる、
周りががんばっているから、自分もがんばるという、きっかけになる、
不平等だとモチベーションが下がるが、平等だとモチベーションは下がらない、
などです。

もちろん、平等を押しつけ過ぎると、
個性を押さえつけたり、不自由が生まれたりします。
同調圧力などにならないようリーダーは注意が必要です。

みなさまのヒントになりましたら、とてもうれしいです。


拙著『ちっちゃな「不」の解消から始めるカイゼン活動』日刊工業新聞社刊 p92も、ご参照くださればうれしいです。


オートパイロット経営(自動操縦経営)の支援では、
①現場の自立性・創造性を高めること
②会社や組織の個性を活かした設計図(事業計画など)を作ること
の2本柱で取り組んでいます。

質問などがございましたら「コメント」いただければうれしいです。ブログの中で回答いたします。

また、オートパイロット経営に、ご興味がございましたら「クリエイターへのお問合わせ」などでご連絡いたれければうれしいです。

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