【双極症の夫を持つ妻】夫がうつの時に私が工夫した30のこと
こんにちは、森国司の妻です。
今回は、パートナーの躁うつ波が荒れてうつ症状が強く出ているときに、パートナーとして私が実践していた工夫についてまとめようと思います。
こちらの記事は、下記の記事の続編(うつ編)です。
支える側の立場として、躁の時にはあまりにもまとまった情報がなく困り果てた一方、うつの時に関しては比較的多くの情報がありました。
下記の工夫したことの1つ目の項目の「情報収集をする」でも、参考にさせていただいた文献をご紹介しておりますので、ぜひご覧ください。
このような充実したサイトや本・記事があるなかでさらに私が発信する理由としては、以下の3点です。
人が違えばまた対処法も異なると思うから(ですので、具体的な情報はあればあるほど良いだろうという考え)
自分自身が色々と収集した情報の要約やそれを実践してみた結果を共有するため
様々な情報を参考にしつつも私独自の工夫内容もあるのではと思ったから
有料記事になるため、目次のところだけを参考にしていただくだけでもお役立ちできる部分があると思いますが、それぞれの項目で詳しく解説しておりますので、よろしければ全文ご覧いただけるとより具体的にイメージしていただけると思います。(全体で3万文字を超える文量となっております。)
それと、大前提として、私は専門家ではないですし、人によって感じ方が異なることが大いにあると思いますので、ここに書いていることが全て正しいわけではありません。
そんな中でも、私が工夫してやった内容で後から夫に確認して「これはよかった☺️」と言ってもらったことをナレッジとして公開したいと思います。
一番大切なことは「その人」をよく観察して考えることだと思いますので、その点は念頭に置いていただければと思います。
では、スタートです!
前提の話
私の夫は双極症Ⅰ型であり、激しい躁とうつの波を繰り返しやすい特性があります。また、双極症Ⅰ型では躁の後にうつが来ることが多くあります。今回もまさにそのパターンのうつでした。
そもそも双極症とは?どんな症状が出るの?という話に関しては、こちらの記事をご確認いただければと思います。夫の具体的な症状を記載しています。(人によって症状が違うこともありますが、下記の内容は全て夫の症状を基にしています。)
夫の場合、執筆時点では、炭酸リチウム・ラモトリギン・オランザピン・プロチゾラムODを服用しています。
今となって振り返るとこれまでも軽度の躁/うつと思われる状態はありましたが、激しい躁/うつ状態になったのは結婚5年が経過した直近のタイミングだけでした。私にとっては激しい躁うつの波に同乗するのは初めての経験ということもあり、かなり過保護気味に対応しすぎている点もあると思います。ですので、「下記の内容を全部やって初めて支えられていると言えるのだ!!」などと主張したい気持ちは一切なく、支える立場としても無理をしないことが一番だと思います。(そしてほかにアイデアがあれば是非ご共有いただきたいです!!)
うつのときにやった工夫
1. ⚡️重要⚡️【理解を深めるための行動】情報収集をする
実は私も昔うつっぽい状態になったことがありまして。(一応メンタルクリニックでうつの診断は受けたものの、家族や友人のおかげで比較的軽度で済んだと思います。)
ですので、一定、うつの時の気持ちを理解しやすい状態ではあると思います。
とはいえ、自分は自分、人は人。パートナーであっても、自分の感覚とは異なる部分も多々あるだろうということでまずは情報収集をしました。
また、双極症の人のうつのパターンとそうではない人のうつのパターンに多少違いはあると思いますが、多くの部分で共通点があります。そのため、躁の時に勉強した「双極症に関する情報源」とは別に「一般的なうつに関する情報源」まで手を広げて情報収集し直すことにしました。
冒頭にも記載の通り、うつのときの支援策に関しては比較的色々なところに情報がまとまっています。
その中でも、私が特に参考にさせていただいた情報源を以下の通りご紹介いたします。
(なお、以下の情報源は主に一般的なうつの場合について書かれている情報です。私は基本的に双極症関連の情報源の方で鬱に関しても勉強していたので、その際に参考にさせていただいた情報源は躁編の記事にまとめておりますのでそちらをご参照くださいませ。)
まずは押さえておくべき基本情報的な内容がきれいにまとめられています。
我が家の場合とは結構症状や環境などが違い、正直に言うと私たちのパターンとは結構違うなぁと言う感想も持ったところですが、支援側の心の葛藤を包み隠さずに生々しく表現されているところがリアルです。Kindle Unlimitedの対象の本です。
なんと、パートナー目線でのかなり具体的な支援策が66件も紹介されています。(しかも無料で公開されています!)こちらの記事の執筆時点で700件以上のスキが押されているnoteの優良記事なので、私の記事をお読みになる前にまずこちらをご覧になることをお勧めします。(自分で言うのもなんですが。笑)
2. ⚡️重要⚡️【理解を深めるための行動】(回復期になったら)そもそも躁うつの波が荒れた原因を特定しようと試みる
うつ状態から回復するためには(そして今後の再発を防止するためには)、根本的な原因を特定して適切に対処することが必要な場合が多くあると思います。(特に原因のない気分の波の揺らぎ、という場合ではない限りは。)
お薬や休養で一時的に回復したとしても、ストレスの原因が解決もしくは改善されない限りまた辛い思いを繰り返してしまう恐れがあります。
ですので、安定的に考える余裕ができるほど回復してきた頃に、原因分析をしてみましょう。
考えるポイントは以下のような点です。
いつから様子が変わり始めたか?
様子が変わる前のタイミング(本人的にはストレスを感じていたけれど普通の振る舞いだった頃)
様子が変わり始めた最初のタイミング
様子が急変したタイミング
どんな理由があっただろうか?
「いつ、だれと、どこで、なにをしている時にストレスを感じていたかも」などと具体的に考え始めてから徐々に抽象化・グループ分けをしていくのが良いと思います。
複数の理由がある場合が多いと思いますが、できるだけたくさんピックアップして、その中で特に影響が大きかったものを振り返ってみるのが良いと思います。
様子が変わったことで、どんなふうな症状が出たか? etc.
原因分析をするにあたり、気を付けていただきたいのは決して犯人探しをするような状態にはならないでいただきたいということです。
特定の個人(パートナー本人や自分自身を含む)を責めることに意味はなく、「何が原因だったかを特定して、今後それを防ぐためにはこれからどうすれば良いか」を考えることが目的です。
ちなみに、夫の場合の原因分析は以下の記事にまとめています。
個人情報が含まれるため、記事上では一部ふんわりと表現しているところがありますが、夫婦間ではかなり詳しく振り返りました。
(夫の場合、うつの前に激しい躁の症状が出ていたため、躁が再発した原因考察という内容ですがご参考までに。)
上記の記事にも記載していますが、結局「間違いなくこれが原因だ」と断定できるような結論にはならないこともあると思います。(そして断定しすぎることも危険だと思います。)
ですが、様々な視点から振り返ってみて相互理解を深め、ストレスの原因を可能な限り取り除くこと、そして、今後「こういうときは注意しようね」「これはルールを設けようね」など再発防止策を設定することはとても重要だと思います。
なお、振り返りの内容によっては「パートナー(私)に〇〇されたのが嫌だった」というような自分にとっては耳が痛い話や、過去のトラウマや変えられない事実などの「努力介入要素のない事象」もあるとは思います。
前者に関しては、感情的にならずにまずは受け入れ、自分の意見も優しく伝えつつ、これからどうしていくのが二人にとって良いかをじっくり話し合いましょう。(これはうつだからというのは関係なく、パートナー関係として必要なことですね。しかし、うつからの回復期であれば普段よりも一層「受け止める」ことを大事にしましょう。)
本人に対して「〇〇が嫌だった」などと話すのは、とても勇気がいることです。うつになってもなお隠して我慢されるより、正直に話してくれることが嬉しいじゃないですか。あなたのことを信頼し、これからも一緒に居たいと思っているからこそのことだと思います。
また、後者については、正直に言って努力介入要素がないことをどれだけぐるぐると思い悩んでも仕方がありません。
とはいえ、本当に努力介入要素がないのか?と前提を取っ払って一度よく考えてみることも必要だと思います。
それでも、本当に努力介入要素がないこともこの世には存在します。そんなときには、「その事実をどんなふうに受け止め、その上で何ができるか、何については考えることをやめるか」など、思考するポイントをずらしてみましょう。
…当該項目についてだけでも長々と書きすぎましたが、重要なので強調します。振り返りをするのはあくまで安定的な回復期になったらのことです。
うつの症状が重い時には、話すことや考えること自体が負担がかかりますし、そもそも「原因を考える=嫌のことと向き合う」こととも言えます。
「回復期は再発の入り口でもある」とも言われることもあるようですので、絶対に無理強いすることのないように気を配りましょう。
双極症I型の場合、躁のあとにセットのようにうつが来ることが多いようです。(今回の我が家の場合もそうでした。)躁の時には冷静な判断ができない状態であることもあるので、躁の時にも原因分析をすることはあまりお勧めしないです。ですが、躁の落ち着いている時期に振り返りをしてみて、うつ期はおやすみして、また回復してきた頃にもう一度振り返るというふうに、分析を推敲してみるのは良いのではないでしょうか。躁の後の落ち着いた時と、うつの後の落ち着いた時とでは、結構考え方が変わることもあります。
3. ⚡️重要⚡️【休息に専念してもらうための行動】干渉しすぎない
夫曰く、「いい意味で放置してくれていることが一番ありがたかった」とのことでした。
「夫がうつの時に私が工夫したこと30」なんていう大それた記事を書いている割に、結局これが一番なんかーーーい!と肩透かしを喰らった気持ちにもなりますが。笑
とはいえ、辛そうな夫を見ると心配になって「あれいる?これいる?〇〇してみない?〇〇とかはどう?」などとついついおせっかいを焼きたくなるので、これを我慢するのも一苦労ですよね。うんうん、これは支援する側からするととっても頑張っていることなのです!
「干渉しすぎない」というのはうつ病の支援策について書かれている情報源のほぼ全てに書かれている鉄則ですが、大事な人が元気がないとやっぱり何か力になりたいと思ってしまうものだと思います。(そしてそんな方が本記事をご覧になっているものだと思います。)
過度な干渉や励ましは本人に疲労感を与えてしまったり、プレッシャーに感じさせてしまったり、思うようにできない状態の自分を責めてしまったりと、余計に事態を悪化させる原因となります。
故に、「パートナーを元気づけるために何か特別なことをしなくちゃ」と考えると、逆に空回りしてお互いにしんどくなることが多いです。やめましょう。
それよりも、「最低限やってはいけないことはなにかを理解すること」と「あなた自身が普通に生活すること」が重要です。
それと、あえて記載しますが、「干渉しすぎない」のが喜ばれたことであり、「完全に干渉しない」というのはまた全く意味が異なります。
存在を無視する・あえて避けるなど完全に干渉しないことは逆に事態を悪化させる原因にもなり得ると思うので、あくまで「普通に」過ごすようにしましょう。
4. ⚡️重要⚡️【刺激しないための行動】否定的な表現を避ける
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