筋肉ってどうやって大きくなるのか?③
筋肉ってどうやって大きくなるのかシリーズも今回でパート3になってしまいました
これまでこんなクソ真面目なうんちくに長く付き合っていただいてありがとうございます
今回で一応ひとくくりのシリーズとして終わりになります
それでは今回も筋肥大ワールドについて最後までお付き合いください
筋肉内の酸素環境を利用するとはどういうこと?
酸素環境を利用するトレーニングといったら、腕や足の基部を圧迫して血流を制限するトレーニングでお馴染みの「加圧トレーニング」ですね
筋肉は常に栄養や酸素を血液から取り込まないといけません
だが、筋肉は力入れると膨張して硬くなり血管を圧迫し、血流をさえぎってしまいます
力の入れ具合が高いほど筋肉がパンパンに張って、筋肉内が低酸素状態になります
この酸素状態が脳に信号を送って筋肥大をするためのホルモンを分泌させているようです
なので、体内の酸素濃度をうまく利用することも、筋肥大のためには非常に重要なのです
それでは、低酸素状態の時、筋肉内ではどんなことが起きているのでしょうか?
前回も言いましたが、筋肉を作動させるにはエネルギー(ATP)が必要です
しかし遅筋繊維は、酸素がないとATPを作る能力が低下するため働きが悪くなります
その反対に、速筋繊維は、低酸素環境下でもATPを作ることができるため、より勢いを増して使われ始めます
この時同時に、乳酸の生成と蓄積も引き起こします
このように筋トレの最中は、できるだけ低酸素状態を維持し、選択的に速筋繊維を使っていくと効率がいいです
速筋繊維を鍛えて筋肥大を起こさせるためのポイントは「反動を使わず丁寧に動くこと」です
特に動きの方向を反転させるときは力が抜けやすいので、注意が必要です
低酸素状態は、力を抜いた時に解消されます
筋肉の力がゆるむと同時に血流が増えて、酸素が一気に筋肉内に流れ込みます
この時に、反応性の高い活性酸素種が作られて、これも筋肥大を促すきっかけになっているといわれています
筋肥大にはホルモン・成長因子を分泌させよう
筋肉を発達させるには、さまざまなホルモンや成長因子の分泌をさせるということが重要であることは、今まで散々言ってきたのでわかってもらえていると思います
その結果が筋肥大へとつながっていくのです
つまり、がむしゃらに筋トレするのではなく、ホルモンや成長因子を上手に操ることも筋肉を発達させるのに大切なポイントであるといえます
筋肥大を促すホルモンで代表的な物質
・成長ホルモン
・テストステロン
・インスリン様成長因子-1
筋肥大させるために最低仕事量は??
筋肉を肥大させるには、ある程度の仕事量が必要です
例えば・・・
100㎏のバーベルを1回だけ持ち上げられる人の場合
100㎏でトレーニングをすると
1セットあたり100×1=100㎏が限界です
しかし、75㎏なら10回挙げられるので
1セットあたり75㎏×10=750㎏と7.5倍の仕事量になります
筋肥大効果はこちらの方が大きいです
一つの部位に対するセット数は、最低でも3セットくらいはしたいところです
上級者は、種目を変えたり、マシンを使って15セット以上行うこともありますが・・・
こればっかりは無理せずに10〜15回できる重量で3〜5セットでやってみましょう
セット間の休憩もホルモン分泌を考えると重要になってきます
同じ重さ、同じセット数のトレーニングをした時、一番ホルモンが分泌される休憩時間の目安は60秒ということがわかっているので、この辺を目安に筋トレをしましょう
まとめ
高重量を扱い低酸素状態にすると、筋肥大のためのホルモンを分泌させるシグナルとなる
遅筋繊維は酸素が必要で、速筋繊維は低酸素の状況下だと活発に動くことが可能となる
筋トレの最中はできるだけ低酸素状態を維持して、速筋繊維を使っていくことが筋肥大につながる
筋肥大目的の筋トレの際は、反動を使わず丁寧に動き、動きの方向を反転させる際は力が抜けない様にする
筋肥大をさせるホルモンは「テストステロン」「成長ホルモン」「インスリン-1」などがある
ついでに活性酸素も筋肥大につながる
初心者は10〜15回できる重量で3〜5セットでやってみよう
慣れてきたら自分のオリジナル重量やセット数でやろう
一番ホルモンが分泌される休憩時間の目安は60秒