筋肉と脂肪の気になる関係
筋肉と脂肪は対局に位置している関係といっていいでしょう
筋肉をつけたいという人はいても、脂肪をつけたいという人は少ないです
しかしこれらはどちらも大事なものです
単純に多すぎてしまうと良くないというだけの話なのです
今回はそんな筋肉としばしば嫌われ者になってしまう脂肪のお話をしていきたいと思います
そんなに堅苦しい感じの回ではありませんので気楽に箸休め程度に見ていただけたらと思います
今回の記事でわかること
・筋肉と脂肪の関係がわかる
・筋肉が脂肪に変わるのかわかる
・筋肉がつくことによる体の固さについてわかる
以上のことについて解説していきたいと思いますので最後までお付き合いください
筋肉はほっとくと脂肪になるの?
結論「なりません」
筋肉は筋トレをして鍛えると太く強くなります
逆に筋トレをやめたり運動不足になると、筋肉は少しずつ細くなっていきます
想像しやすいのは、足の骨折などをしてギブス固定をすると、6週間で筋肉は25%も減少するといわれています
また無重力状態では筋肉にかかる刺激が限りなく0に近いため、宇宙飛行士は船内で絶えずトレーニングをしていないと、地球に帰ったときには立つことさえもできなくなるほど筋肉は細く、弱くなってしまいます
出典 『宇宙兄弟』 小山宙哉
ここまで極端な感じにはならないにしても、学生から社会人になり運動する機会が激減すると、筋肉は当然少しずつ減少していきます
生活自体に変化はなくても、年齢を重ねるだけで筋肉は1年に「0.5%」
40歳を過ぎると「年率1%」程度減少するといわれています
ここでよく聞くのは「使わなくなった筋肉は脂肪に変わる」という言葉です
私は高校生のころ部活を引退した先輩がしばらくして姿を見せたとき、見る影もないくらい太っていたという経験があります
これは極端な例ですが、フィットネスクラブをやめてしばらく経つと、手足の太さはあまり変わらないのに「張り」がなくなり、プヨプヨしてきて、筋肉が脂肪に変わってしまったかのように感じることがあります
だが、これはそう感じるだけであって、筋肉が脂肪に変わることはあり得ません
筋トレをやめて筋肉の量が減ってくると、基礎代謝が低下します
筋力が落ちるため疲れやすくなっていきます
結果的に日常の運動量が減って消費エネルギーがますます落ち込むという流れになります
一方食生活というのは筋トレをやめてもほとんど変わらず、その結果使う量が減って入ってくる量が変わりませんから、エネルギー収支が黒字状態が生まれ、体脂肪が増加します
筋肉が細くなると同時に、小さくなった上に体脂肪が増えるので、筋トレをやめるとまるで筋肉が脂肪に変わってしまったかのような錯覚に陥ってしまうのです
逆に筋トレをすると、脂肪が筋肉に変わるかのように感じますがこれも幻です
さっきの話とは逆で、筋トレをすると筋肉が増加し、運動量も増えやすくなります
その結果、消費エネルギー量が増えて、体脂肪が減少してまるで体脂肪が筋肉に変わったような錯覚を受けるのです
筋肉はどんなに増やしていても、筋トレをやめてしまえばお金と同じように減っていきます
筋肉は徐々に細くなり、最終的には筋トレを始める前のレベルまで低下します
しかし、意外に思われるかもしれませんが、筋肉の維持のためには10日に1回か週に1回筋トレを行えばいいので、完全にやめてしまわずに定期的に継続していきましょう
筋肉をつけたいなら脂肪も摂ろう
筋肉をつけたい人は、拒否反応を示すであろう脂肪
「筋肉をつけるにはタンパク質をたくさんとって、脂肪は極限まで削る」
こう思っている人も多いでしょう
確かに筋肉はタンパク質からできているので、筋肉を太く強くするためには、材料であるタンパク質を取り入れなければならないでしょう
筋トレをすると筋肉がアップしようとして、周囲のアミノ酸を取り込もうとします
しかしこのタイミングでアミノ酸がなければ筋肉は肥大することができません
このタイミングでアミノ酸が周囲にあれば、筋肉はこれを取り込んで肥大を始めます
筋トレを開始したら、常に体内にアミノ酸が足りている状態を作らなければならないので、通常の2倍くらい摂る必要があります
タンパク質の重要性に意識が奪われすぎて、脂肪は「筋肉の敵」だと思い込む人がいます
しかしそれは間違いです
確かに脂肪はつくとカッコ悪いですが、極端な脂肪抜きをすると健康を害し、筋肉つくりもうまくいかなくなるのです
脂肪は体内で体脂肪として取り込まれやすい栄養素ですが
・貯蔵エネルギー
・内臓や筋肉を守る鎧
・寒さから身を守る防寒具
など、体にはなくてはならないものです
また筋肉を成長させるときに必要な男性ホルモンなどの材料になります
脂肪が不足すると、男性ホルモンの合成が不十分になって、せっかく筋トレをしてタンパク質を摂っても、筋肉が作られにくくなってしまうでしょう
摂った脂肪が単純に体脂肪になるだけじゃなく、全身を構成している細胞膜の材料などになります
そのため極端な脂抜きをすると、うまく新しい細胞を作ることができなくなり、脂肪の占める割合が多い神経細胞がダメージを受けます
さらに、脂肪をとる量が減れば、食べ物の脂に溶けている脂溶性ビタミンであるA ,D ,E,Kなどのビタミンが不足します(脂溶性ビタミンはDAKE ,ダケと覚えます^^)
ビタミンA、夜盲症
ビタミンD、骨密度の低下
ビタミンE ,貧血
などがあります
そもそも、体脂肪の増減は食事で摂る脂肪の割合ではなく、カロリーの収支次第なので、どんなにたくさん脂肪を摂ってもエネルギーが足りなければ脂肪が使われて減少しますからご安心を
逆に全く油物を食べなくても、カロリーオーバーならそれが脂肪として蓄積されてしまいます
現状で体脂肪がたくさんある人、(目安として体脂肪率が25%以上)は、カロリー収支を赤字にすることが優先なので、食事からとる脂肪の量をかなり減らしても、体に蓄えている脂肪が不足することがないので安心して食事量を抑えましょう
逆に、食が細い痩せ型でなかなか筋肉がつきにくい人は、カロリーを多くとることが最優先です
そのためにはタンパク質がもちろん必要なのですが、脂肪も味方になります
細くて食が細い人が脂肪抜きをしてしまうと、エネルギー不足でいくら筋トレをして、タンパク質を摂っても筋肉はつきませんので気をつけましょう
しかし多くの人はこの心配は必要なさそうですね^^;
筋トレをすると体は固くなるの?
結論、「なりません」
筋肉があるとなんだかものすごく固い印象があります
人間の体の固さといっても実は異なる意味があります
①触った時の固さ
筋肉といえば上腕二頭筋というイメージが強いと思います
そして力コブを作ると固くなるのは、筋肉が力をこめながら縮んでいるからです
どんなに筋肉があるマッチョでも、力を入れていない時は触ると筋肉は柔らかいのです
②柔軟性が低い
筋トレをしっかりやっている人の中には、柔軟性が低い人がいます
しかしそのような人は、筋トレはしっかり1時間以上やったりするのに、ストレッチなどの整理運動は5分程度で済ませてしまいがちです
この場合は、筋トレをしたから体が固くなったのではなく、ストレッチ不足が原因であると考えられます
筋トレと並行してストレッチも少しずつ行っていけば柔らかくなっていきます
③動きが固い
スポーツ選手の中には、いまだに動きが硬くなると信じて筋トレをしない人がいます
昭和かっ!!とツッコミたくなるところですがこれほんとの話です
動きの柔らかさは、下半身→体幹→上半身→中心部→末端部へと筋肉がスムーズに連携していく状態です
極端な連携していくイメージはこんな感じです
出典「範馬刃牙」板垣恵介
動きの固さとは、その反対に連携が取れていないことを表します
動きが固くなるのも、技術練習の不足や間違った動作の反復が原因だと思われます
筋トレだけでなく、正しい技術練習をしていれば全く問題ありません
どの意味においても筋肉をつけて固くなることはないので、安心してトレーニングをしていきましょう
まとめ
筋肉は脂肪には変わらず、脂肪も筋肉に変わらない
筋肉が細くなると同時に、小さくなった上に体脂肪が増えるので、筋トレをやめるとまるで筋肉が脂肪に変わってしまったかのような錯覚に陥ってしまっているだけ
筋肉をつけたかったら脂肪も摂ろう
なぜなら脂肪は筋肉を成長させるために必要なホルモンの材料だから
筋トレをして体が固くなるイメージがあるのは
・力を入れたときに触った時の固さのイメージ
・筋トレ後のストレッチ不足による柔軟性の低下
・スポーツ競技のための筋トレにおいて、そのスポーツ競技の技術練習不足から来る筋肉の連携の悪さから来るイメージ
などが原因
筋トレそれ自体は悪くない
今日言いたいことはそれくらい