#これからの家族のかたち
結婚したわたし、恋をはじめます
【わたしはゆるいポリアモリーになりたい】
「病める時も、健やかなる時も、愛し、慈しむと誓いますか?」
結婚して一年過ぎたわたしが、これを呪いの言葉だと思うようになったのは、最近のことだ。愛する、ということについて考えるたびに、わたしはこの社会が定義する"愛し方"に違和感を覚えるようになった。その象徴がこの誓いの言葉だ。病める時も、健やかなる時も。そんな愛なんて存在しない。だって、ひとは完璧じゃ
あのひとの香水は、大人の香りがした
サングラスを頭にのせて、髪をかきあげながらそのひとはやってくる。かっこいい車に乗って、都会の風をまとうそのひとは、わたしにいつもトキメキを教えてくれるひとだった。
そのひとは母の友だちで、お日さまの香りの代わりに、いつも花の香りを纏っていた。うちでは嗅ぐことのないその香りがわたしはだいすきで、母に「あの香りにして!」と駄々をこねては怒られていた。今思えばきっと高い香水だったのだろう、わたしも!と