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noteフェス勝手にレポート②『創作を続けるということ』
#10
《創作は、人生まるっとすべてが創作、なんだねきっと》
**
10/15〜10/17に渡ってオンラインで行われたクリエイターのクリエイターによるクリエイターのための祭典『noteフェス』
僕は今回、そのnoteフェスの中で
①山邊 鈴さんの『夢を叶えるための文章表現』
②岸田 奈美さん/高林淳一さんの『創作を続けるということ』
の2つに参加させて頂きました。
このnoteは「noteフェス勝手にレポート」と題して、僕の視点で2つの講演を振り返ろう〜という企画です。
前回は、山邊鈴さんのご講演の内容を勝手にレポートさせて頂きました。
今回は、僕が大好きなエッセイスト岸田奈美さんと、おしり探偵などの児童書を担当しておられるポプラ社の高林淳一さんらのフェスの模様をお届けしたいと思います。
岸田さんは、今なんと!
ポプラ社さんからのお声かけで、児童書にチャレンジされているそう。(作品はまだ未発表)
その編集担当が高林さんということもあり、この2人がフェスに出てくれたのでした。
形式は「座談会」
モデレーターの志村 優衣さん先導のもと、製作中の児童書のお話や今回のテーマである『創作を続けるということ』について、それぞれの観点からお話して下さいました。
(向かって左から志村優衣さん、岸田奈美さん、高林淳一さん)
まずはの感想ですが、岸田さんがスッキリ(日テレ)に出られている時よりも伸び伸びと、自由奔放にされているような気がして、ほっこりしました笑
あと志村さんの優しい声と、高林さんのダンディな声がめちゃくちゃ耳触りがよくて、岸田さんの高めのテンションと上手く融合して、全体的にほんわかした空気感があって好きでした。
さて、以下には座談会の中で僕個人が、特に心に残った点を3つピックアップしてお送りしたいと思います!(勝手に!)
*注:
内容は僕が講演中にとったメモに基づいており、僕の解釈が多分に反映されています。
また、文中に引用している岸田さん、高林さんの言葉は原文ママではございませんのでご了承ください。
特に心に残ったポイントを3つ挙げよ
1.「まずは最後まで書いてみなさい」
2.岸田さんのすごいところ
3.創作は、書いていない時こそが創作なんだ
多くの学びがありましたが、3つまでと決められたらつじりはこれらを選びます。
以下には、各ポイントについての詳細を記していきます。
1.「まずは最後まで書いてみなさい」
これはズッコケ三人組などの児童書を書かれた作家 那須 正幹さんの言葉です。
「作家になるためにはどうしたら良いの?」という子ども達や親御さんからの質問に対して、那須先生は毎回のように「まずは最後まで書いてみなさい」とおっしゃっていた、と高林さん。
この言葉の真意は那須先生みぞ知るところですが、僕なりに考えてみると、この言葉には2つの意味があるのではないかと思いました。
①自分の中にあるものを知る
僕もnoteを書き始めて分かったことですが、最初は言葉を連ねるだけでも結構しんどいんですよ!
生みの苦しみといいますか、自分の中にあるものを表現するというのは、それは慣れてない人からしたら、かなりの重労働です。
さらに自分の頭の中にある空想やイメージを具現化する、というのはもっと大変です。
「こんな面白い構想がある」
「これを創ったらきっと面白い!」
創作のスタートは全て頭の中から、といっても過言ではありません。
けれども、頭の中のものを思った通りに具現化したり、他者に伝えられるようなものにするのは、また違います。
だから、とりあえず最後まで創ってみる。
創るとは、それ自体が自分自身と自分の頭の中と向き合うことになるからです。
②作家性を信じること
「ずっとやりたかったことを、やりなさい(ジュリア・キャメロン著)」という本では、この世の誰もがアーティスト(表現者・創造者)である、といいます。
先ほども言ったように、創る、というのは慣れていない人にとっては、それ自体が苦痛です。
そうすると、心の内からいろんな声が聞こえてくるんですよね。
「そんなもの創ってどうするの?」
「ぜったい面白くないよ」
「君の中に創造性なんてない。無駄だよ」
そんな自分自身で自分の創造性を否定してくる声をキャメロンは検閲者と命名し、これを無視するように自由に創造しなさい、と言います。
とにかく創る。最後まで創る。
というのも、これはあなたの中の作家性、創造主としての創造性を信じきって最後まで書いてみなさい、ということだと思います。
ちなみに高林さんは編集者として、作家さんを信じて“待つ”と言います。
作家さんが最後まで書き上がるまで、待つ。
ただでさえ、創っている時というのは自分自身の検閲官と戦っています。
それなのに他人から「それはつまらないよ」とか「もっとこうしてみたら?」と途中で言われたら、もっと嫌ですよね。
高林さんが、作家さんが「最後まで書いてみる」のを待てるのは、その作家さんを信じていると共に、作家さんの中にある作家性そのものを信じている、ということなんだと思います。
2.岸田さんのすごいところ
話の途中で、モデレーターの志村さんが高林さんに
「編集者の高林さんから見て、岸田さんのすごいところはどんななところですか?」
と質問されました。
すると、高林さんは以下のように答えました。
「文体、文章のカタチがユニークだし、発想や使われる喩え等が面白い。文章から岸田さんの顔が見える」
ほへー!
と思いました。
「文章から顔が見える」
なんて言われたら、ちょー嬉しくないっすか?
というか、僕は嬉しいです。
使っている文字や言葉は、同じひらがなと漢字なのに、やっぱり使う人によって、その文章から感じられる雰囲気や人格って違うんですよ。
当たり前のことなんですけど、これってすっごく不思議じゃありません?
英語じゃあ
Hello,how are you today?
で済むことも、日本語では
A「こんにちは。今日の調子はどうですか?」
B「やっほー★元気ー?」
C「元気ですかー⁉️」
D「今日も空気が気持ちの良い日ですね」
と、人によっていろんな表現ができる。
岸田さんなんて
「税肉よせたら胸が大きくなった」
と14文字で伝えられるところを
“次の瞬間。
私の胸に、メロンがあった。
石原裕次郎のお見舞いの時みたいな。
でっけえ、でっけえメロンがあった。”
ーnote「一時間かけてブラジャーを試着したら、黄泉の国から戦士たちが帰ってきた」より
って、書くんですよ⁉️面白すぎませんか⁉️笑
これも日本語表現の奥ゆかしさだなーって思います。まどろっこしくて、いまいちストレートに伝わりにくいのが日本語の難点。
けれど、逆を返せば「今日、元気?」という短い言葉にもいろんな表現ができる可能性を秘めているってこと。
こういった表現の一つ一つに、その人らしさが乗っかって、文章から顔が見えるようになるんだな〜って思います。
3.創作は、書いていない時こそが創作なんだ
高林さんは「岸田さんの書くものだけではなく、岸田さんのモノの見方そのものが面白いから、岸田さんに児童書を依頼した」と言います。
それはつまり、結局は人間が大事だ、ということです。
今回のテーマは「創作を続けること」
しかしながら創作を続けるというのは、本当の意味では自分自身のモノの見方をアップデートさせ続けることに他なりません。
それは別に本や動画、音声から学べ!ということではありません。
むしろ、普段の何気ない日常からインプットすることが大切。
コンクリートの隙間から生えるタンポポを見て何を思うのか?
満員電車でネックピローをつけて居眠る女性を見てどう感じるのか?
自分の感情が動いたとき、その理由はなんだったのか?
日常の一つ一つのこと、感情が動いたその瞬間に丁寧になることで、あなたという人間を成長させる。
それは結果的に創作に反映されていきます。
だから
「創作は、書いていない時こそが創作」
なんです。
ちなみにこれ岸田さんの言葉です。
最後に。
今回のポイントをまとめると以下です。
1.「まずは最後まで書いてみなさい」
→自分の作家性を信じる
2.岸田さんのすごいところ
→表現の奥ゆかしさを楽しむ
3.創作は、書いていない時こそが創作なんだ
→日常を丁寧に生きる
おわりに。
第一線で活躍するクリエイターさんのお話っていうのは、本当に参考になることが多い。
自分の振り返り、そして、このお話の良さを伝えるために勝手にレポートを書かせて頂きました。
少しでも、皆さんにエッセンスが届いていると幸いです。
ちなみにnoteフェスはアーカイブとして残るみたいなので(期限あるのかな?)、noteを読んで気になった!という方はぜひアーカイブの方もご覧ください!(というか、アーカイブの方をみてください笑)そして、感想を語らいましょ〜🙌
それでは、また。
↑今回はマックでnoteを書きました〜
↑メロンの話
↑ポプラ社さんのnote
↑アーカイブ
★参考にした書籍等
↑那須先生の代表作『ズッコケ三人組』
(那須先生は、2021年7月22日肺気腫のためご逝去されました。ご冥福をお祈り致します)