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小松菜を湯がいたら、懐かしい記憶がよみがえった

この間、超久しぶりに小松菜を買った。
本当はほうれん草がほしかったけど、高くて断念。そんなところに現れたのが、少し安めの小松菜だった。

小松菜は、カルシウムがほうれん草よりも多いらしい。その他諸々も含まれ、栄養価が高い食べ物だそうだ。
ちなみに、ほうれん草は鉄が豊富。ほかにも幅広い栄養素を含んでいる。
・・・と、私の持っているレシピ本に書いてあった。


ゲットした小松菜をおひたしにするため、湯がくことにした。
ずいぶん久しぶりで忘れてしまっているので、レシピ本に書いてある下処理の方法を見ながらやる。
ああ、そうだったそうだった、と思いながら、でもかなり大ざっぱにやってしまった。でも良いことにした。

小松菜を、沸騰したお湯に入れて、さっと湯がく。色が、さっきよりも鮮やかな緑色になった気がして、とても綺麗だ。
そして、ざるにあける。その時、ブワッと、湯気が目の前に広がった。
小松菜の青い香りを感じる。それと同時に、私の記憶もブワッとよみがえった。


中学生の頃の調理実習。
6人班で、なんだか忘れたけど、作ることになった。ハンバーグだったか?
その中には、当時好きだった男子もいた。なのでなんとなく、良いところを見せたいと思っていた。

だがしかし、一人でやるのとみんなとやるのとは、かなりちがう。一人なら、ゆっくり自分のペースで進められる。
だが、複数人、そして授業という限られた時間。となると、そうもいかない。そうなると、不器用な私はどうなるか!

結果をいうと、あんまりうまく立ち振る舞えなかった。
理想は、余裕のある女子だった。テキパキと丁寧に、自分の担当をこなせるような、それでもって、手が空いたら進んで手伝ったり片付けたりできるような。

でも実際は、余裕のかけらもなかった。次は何をすればいいんだ?切るのか?焼くのか?どうなんだ?と、内心かなり焦っていたのだ。テキパキなんて、動けなかった。

ハンバーグ自体は、みんなのおかげもあり、うまくできた。
だが、同じ班の、正直いけ好かなかった男子に、何か言われた。私ひとりに対して、というよりも、私を含むテキパキ出来なかった班員に対してだったと思う。
おふざけ感を入れつつその言葉を表すと、「へーん!こんなのもうまくできないのか~!まったく、もっとスムーズにやれよ~!」みたいな意味だったと思う。

その言葉が、当時の私に火をつけた。
「くっそ~!こやつ、見返してやらぁ!」
そう思った私は、家に帰ってから母にこの日の出来事を話した。その後、「一日1つ、何かしら作る!」と宣言した。

戸棚から、かなり前にホームセンターで買っていた、あのレシピ本を出す。
様々な野菜やキノコを使ったレシピのほか、基本の切り方、野菜ごとにそれぞれ下処理の方法まで書いてある、初心者にはありがたい本だった。

毎日1つ作るといっても、平日は部活もあって帰りも早いとは限らないため、時間のかかるものは作れない。そのため、比較的簡単に作れる、その日の副菜を担当することになった。
そこでよく作っていたのが、「小松菜のおひたし」だった。


ああ、そんなこともあったなぁ・・・と、懐かしい気持ちになった。ついでに、実家の台所の様子も、ありありと思い出せたような気がした。
一日1品は、どれくらい続いたんだろうか。体調不良や疲れで毎日とはいかなかったと思うが、それでも飽き性の私にしては、比較的長く続いたと思う。
そして、あのレシピ本は、今も手元にある。台所で過去に何度も水を跳ねらかしたのでクシャクシャの状態だが、健在だ。今もこのレシピ本たちには本当に助けられている。

「やれやれ~!見返せ~!」と同じノリで応援してくれた母と、そのきっかけをくれたあのいけ好かない男子には感謝している。

ありがとうよ!おかげさまであの時よりは、段取りよく出来るようになりましたよ。これからも頑張りますよ!

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