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【カフェ営業記】「冬は深煎りコーヒーが美味い!」のはナゼ?

僕は今、京都でLaughterというコーヒーショップを運営しています。


・冬は深煎り

ここ数日、一気に寒くなりました。
店頭でもアイスコーヒーの注文は一気に減り、本格的なホットコーヒーの季節到来です。
寒くなると、「ホットの深煎りコーヒーが美味いんだよなぁ」と感じる方も多いのではないでしょうか。確かに、寒くなると深煎りのコーヒーが一段と美味しく感じられるようになります。

冬が長く、寒さが厳しい札幌は「深煎りコーヒーのまち」として知られています。やはり寒さと深煎りコーヒーには何か因果関係があるんでしょうか?少し調べてみました。

さて、調べてみるとコーヒーの味わいだけでなく、全体的な「味覚」の話が関連していそうです。

・季節によって味覚は変わる?

そもそも、味には「甘味」「酸味」「塩味」「苦味」「旨味」という5つの基本味があり、この中のどれか1つ、あるいは複数の味が組み合わさって形成されているそう。舌の表面には味蕾という器官が多く存在し、その細胞が食品の味の成分を感知し、その刺激が神経を介して脳に伝わることで私たちは味を感じていることになります。

そんな「味覚」は年齢によって鈍ったり、空腹時には味を感じやすくなったりと環境によって変化します。

その中には、「寒い時期には味覚が鈍る」とも。
冬は空気が乾燥することや水分不足、マスク生活による口呼吸が増えることで口腔内が乾燥しやすく、口腔内が乾燥すると唾液の分泌がうまくいかず、味覚感度が鈍くなるとされているそうです。

つまり、冬は味覚が鈍るので濃い味、コクがあるものを摂取したくなる。
コーヒーでの濃い味、コクがあると言えば深煎りが飲みたくなる!といったところでしょうか。

冬の味覚に関するアンケート調査や、日本味覚協会のHPでも、冬には味の濃いこってりしたものが好まれるというデータが出ています。

・もう少し深堀りしてみよう

ここまでは日本で生活する中でのお話でした。
「寒く空気が乾燥すると味覚が鈍り、濃い味・コクのある味をもとめるようになる。それがコーヒーでいえば深煎りである」
ということでした。
じゃあ、「浅煎りが好まれる地域は湿度が高いのでは?」とのことで…。

浅煎りが好まれる、浅煎りを提供するお店が多いエリアとして
・フィンランド、デンマーク、ノルウェーなどの北欧エリア
・オーストラリアのメルボルン
・アメリカオレゴン州のポートランド
とそれぞれの気候を調べてみましたが、どこも湿度が高いわけでは無く、どちらかといえば乾燥しているエリアでした…。

何か相関性があれば面白かったのですが(笑)

まぁ、それぞれの街を調べてみると単純な気候だけではなく、様々な歴史を経てコーヒー文化が根付いているようです。

ちなみに、冒頭でご紹介した「深煎りのまち札幌」
これもただ単純に札幌が寒かっただけでなく…。
かつて日本のコーヒー豆は神戸と横浜の港に入ってきたのだが、汽車で遠い北海道まで運ばれてくる間に良い豆は残っておらず、いわゆる“屑豆”しか入ってこなかった。その豆をおいしく飲むために行き着いたのが、深い香りや甘さ、苦さを楽しめる深煎りで、そうして磨かれた高い焙煎技術と、北国の冷たく乾いた空気が相まって数多くの名店が北海道で育った。
こんな歴史的背景があったそうです。

一言で「コーヒー文化」といっても、そこにはそれぞれの地域の歴史や文化、風土が複雑に絡み合っているものです。

いつも何気なく飲んでいるコーヒーもこんなことを考えながら飲むと、より楽しくなること間違いなしです!

「書く仕事をゲットする」を目標に、「日本一書くバリスタ」として、日々コーヒーの事や趣味について綴っています。
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