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畑っていいよねって話

たまに、文章を書き綴りたくなる衝動に駆られる。
この文章もそう。

気持ちが熱いうちに書き切ってしまいたい。
日々に戻って仕舞えば、きっと今、自分のなかにあるものは忘れ去られて消え去ってしまうだろうから。

🌱

久々に畑に入ると、さまざまなことが目に入る。

まったく雨が降っていないからか、葉先が黒ずんでしまっているトマト。
それでも必死に脇芽をだしている。
実っているトマトを一粒、口にいれると、じんわりとした豊かな甘さが口の中に広がる。

自然まかせ といえば、聞こえはいいけれど、見る人から見れば虐待に近い育て方かもしれない。
かといって、方針を変えるつもりはないのだけれど。
だからこそ、トマトの種を保護して、来年へ繋ぐことが
僕とトマトとの間に結ばれた契約のような、信頼のような、よくわからない関係性なのだ。

胡瓜にしてもそう。
今年は一本も食べれていないのだけど
ふと根本を見れば大きなお化け胡瓜が一本、黄化しはじめながら横たわっている。
農業はじめたてだったら、ああ…って思ったのだろうけど、
うん、これでいい って思える自分がいる。
たとえ作物として収穫できなくても、その子の種を来年へ繋ぐことができさえすれば、それで十分。

小豆と菊芋に関しては、放っておいても時が来たら勝手に生えてくる。
畑の生態系のなかの一部として、しっかり根付き始めてる。

そう手をかけずとも、自分が得たい作物の繁栄を願い
すこしだけ手助けをする。
その対価として、作物をすこしいただく。
種を残して苗をつくり、畑へ戻す。

収穫と題して作物を畑から持ち出せば、その分だけ畑の中の栄養素も持ち出されてしまうゆえ、必要な分だけいただく。

そんな営みの繰り返しが、畑の多様性と調和を生んでいく。
自分もそんな畑が織りなす生命の輪のなかにいる。
生命の尊さを感じられる空間。
生命の営みを見つめられる時間。

自分にとって畑とはそういう存在で、とっても大事な場所。

畑っていいよね。

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