父子二人でフェリーに車を載せて北海道を旅した私が、子どもとの船旅Tipsをシェアしたい
2024年の夏、小2の息子と二人で、フェリーにマイカーを載せて北海道を旅してきました。この旅の魅力を伝えたいのと、こんな旅を計画している人に向けて、成功談、失敗談をシェアします。
※2024年8月時点の個人の経験に基づくものですので、ご参考にとどめていただき、各自でご旅行時点の最新の情報をご確認ください。(調べるプロセスも旅の楽しみ!)
今回の旅について
まず前提として、こんな旅での経験談ということをお伝えします。似たスタイルの旅を考えていらっしゃる方に伝わったら嬉しいです。(2024年8月時点)
そもそも、なぜ船旅を選んだのか?
東京に住んでいる私にとって、ともすれば片道半日で北海道に行けてしまう。にもかかわらず、なぜあえてフネで行ったのか。
小学生の息子の夏休みは時間に余裕があるので、あえて時間をかけて旅をしました。飛行機で最速の移動も良いが、どうしても点と点の移動になってしまう。北海道までの距離を体感し、移動そのものを楽しむ線の旅も、そろそろ良いんじゃないかと思ったことが理由の一つです。
そしてもう一つは、夏休み時期の航空券の金額と、混雑する空港に目がくらんでしまったからです。フネは時間こそかかるが、ゆっくり、暮らすようにして目的地に行けることが魅力だと思うのです。
振り返ると、すごく良かったです。フネという非日常空間で移動を楽しむことができ、様々な旅人や、トラックドライバーの皆さん方がいることを知ることができました。息子も、復路のフネでは、なんだか逞しくなったような気もします。
こんな旅をしたい人に伝えたい経験談
この記事では、こんな旅をしてみたいと思っている方のヒントになればと思い、いくつか経験談、うまくいったことや泣いたことをシェアします。
必ず「子どもも乗用車で乗船させたい」と申し出て、許可を受ける
フェリーに車両を積載する際、多くのフェリーでは、「乗用車で乗船できるのはドライバーのみ」となっているはずです。つまり、同乗者は、徒歩で乗船しなければならない。
しかし、さすがに小学生の息子 (しかも低学年) と二人となると、息子ひとりだけで徒歩乗船させるのは心許ない。
そう思っていたところ、乗船手続きの際、窓口で「同乗者がこども1名のみなので、子どももドライバーと同時乗船させてほしい」と申し出て、同乗許可をいただきました。
この申し出は、乗船手続きの際に窓口で行いましょう。車両を載せる地上係員の方では許可できないことがあるようです。 (予約時点で問い合わせて許可を頂けるかは未確認です)
また、この手続きは、あくまでも例外的な許可だと私は認識しています。フェリーの車両甲板は、床がデコボコして歩きづらかったり、音も大きく、車両が行き交っています。車両甲板を歩く時は子どもの動きに十分に注意を払うべきですし、大人が複数いる場合は、大人と一緒に徒歩乗船するに越したことは無いと思います。
父子ふたりの、ごはん事情
乗船前に買ったお弁当やサラダ、カップスープなどを楽しみました。客室フロアではカップラーメン用途でお湯をいただけますので、マグカップとカップスープを持っていけば、即席スープや味噌汁もいただけます。
もちろん、フネのレストランで、窓の外を眺めながらいただく食事も楽しいです。オープン直後は混み合ったりしますので、タイミングを見計らう必要があるかもしれず、私たちは事前に陸から持ち込みました。
旅では野菜不足になりがちなので、「野菜食うぞ!」と二人で躍起になっていました。北海道のセイコーマートのごぼうサラダと食パンで、ごぼうサンドをつくったりしていました。キャンプメシのようで楽しい体験でした。
フェリーの風呂に、いつ入るか?それは「入りたい時」
大型フェリーの楽しみ、それはお風呂。フネの揺れを感じながら、大きな湯船に入るのは、何とも楽しい体験。
一方で悩ましいのは、いつ入るか?乗船直後は、トラックドライバーの方やライダーの方で混み合うと聞きますし、夕食後も、それなりにピークになる。
私の結論は、「入りたい時に入ったらいい」です。息子と話し合って決めました。時期によって客層も変わるので一概に正解はないでしょうし、個人的な感覚ですがフェリーのお風呂は熱い(気がする)ので、回転が早いと思います。
ただし、お風呂がクローズされる時刻は、きちんと確認しておきましょう。
持ち込むべきマストアイテム
客室に持ち込める荷物は、少ないに越したことはないです。なぜならば、フェリーの車両甲板から客室フロアに上がる階段やエレベーターは狭いことが多く、今回のように子ども連れであればなおのこと。
限られた荷物のうち、何を持ち込むか。私は下記をマストアイテムとしてお伝えしたいです。
◆小型クーラーボックス
350ml缶 6本が入る程度のクーラーボックス。これに、凍ったペットボトル飲料を保冷剤として入れ、子どもの牛乳やヨーグルト、大人のビールを入れました。
「大きさ、これで足りる?」と思われるかもしれませんが、船内はとにかく狭い。これで十分です。ビールが足りなければ、自動販売機で買ったらいい。
◆本
本は必須です。まれに携帯電話の電波が届くことがありますが、陸の上と同じ通信速度など期待してはいけません。電波が届かない前提で乗り、もしも電波が通じたら「あら珍しい」くらいに思うようにしましょう。その逆に考えていると、ものすごいストレスです。
あらかじめ、息子にもその話をしておき、理解してもらいました。彼は分厚いコロコロコミックを持ち込み、船内で大いに楽しんでいました。私は文庫本を一冊。
◆サンダル
今回二段ベッドだったこともあり、船内で靴を着脱するシーンがとても多かったです。そして夏だと、裸足にサンダルで十分。車両甲板からサンダルで上がりました。靴下を脱ぐことによる開放感も最高です。
◆マグカップ、マイ箸
マグカップを持っていくのを忘れたー、これは痛かった!!
船内ではお湯をいただけるので、マグカップがあれば、カップスープや即席お味噌汁を用意しておけば、温かいものをいただけます。マグカップを忘れていったのは痛かった。持ち込んだマイ箸は、何かと便利でした。
◆体温計、常備薬、ウェットティッシュ、手指消毒アルコール
船内は慣れない環境であり、陸とのアクセスも難しい場所です。この旅に「自分のことは自分でやる」という意図を掲げていたので、自分の身は自分で守るよう、お守りの意図も込めて持ち込みました。
手指消毒アルコールは、小さなスプレーに詰め替えて、最小限を持ち込みました。
子連れで、相部屋・二段ベッドは、ありなのか?
ありだと思う。ただし、親と子のスタンス次第。
事前に二段ベッド客室を調べていて気付いたのは、昨今の二段ベッドはとても快適になっているということです。しかも、2名グループにとても優しい。
往路の新日本海フェリー、復路の太平洋フェリーともに、こちらの写真のように、上段は上段どうしで、下段は下段どうしで向かい合う構造になっています。なので、向かい合わせの2床を確保してもらえたら、父子二人旅にも相当優しい。
新日本海フェリーでは、インターネット予約の際にベッド位置を指定できました。また、太平洋フェリー乗船時には、乗船手続きの際に「父子なので、向かい合いでアサインできますか?」とお願いし、往復ともに向かい合わせのベッドで過ごすことができました。これは息子にとっても安心になったよう。
一方で、予約状況などによっては、必ずしも叶うとは限らないと思います。そうなった時を想定して、離れて過ごすか、きつくても1床を2人で過ごすか、事前に気持ちを固めておく必要があります。(私たちは後者で、もしもダメなら狭くても添い寝しようーと言ってました)
問題発生。同室のグループが騒がしく、とても寝られない・・・
相部屋の避けられない問題、同室乗客との相性。この問題にまさか遭遇してしまいました。
今回私たちに割り当てられたベッドは、1室に約10床の二段ベッドがある部屋。大きめの個室のようなスペースでした。乗船すると、この部屋の私たち2人を除く乗客は、どうやら同じファミリーグループ6人という状況でした。
最初は「子どもたち元気だなあ」くらいでしたが、深夜になっても一向にやむ気配はなく、私の心配は募るばかり。まるで知らないご家族のもとに息子と居候しているような複雑な気分になり、「これは休めない、無理だ・・・」と思い、船内インフォメーションに事情を相談させてもらいました。
幸いにも空いていた別のベッドに振り替えてくださり、快適に眠ることができました。インフォメーションの方には感謝です。こういったことが起こるのは、ある意味仕方ないと思いつつ、乗船には最低限のモラルが必要で、大人が子どもの行動に責任を持つことの大切さを感じました。
補足:新日本海フェリーの「ゆっくり下船」サービスに注目!
もうひとつお伝えしたいのが、新日本海フェリーの「ゆっくり下船」というサービス。
新潟→小樽便は、小樽下船が定刻4:30になります。夏の北海道は日の出も早く、ライダーの方にとっては1日をフルに使える時間帯かもしれません。しかし子連れにとっては・・・もう少し寝かせておきたい。
このサービスを使うと、6:00まで下船を1時間半遅らせることができます。おそらく日の出が遅く寒い冬期に徒歩下船される方に向けたサービスなのかもしれません。しかし父子二人旅にもありがたく、その間少し寝ていたり、ゆっくり降りる支度ができました。
ただし注意したいのは、下船が6:00で固定されていることで、5:30に陸に上がりたい等はできません。4:30の定刻下船か、6:00のゆっくり下船かの二択です。また、乗船時の車両積載も最後の方だったので、乗船も最後の方でした。
終わりに 今、あえて船旅を
ここまで読んでくださってありがとうございました!
移動はどんどん高速になり、どこにいてもネットワークが繋がりますし、世界はフラットに小さくなったのかもしれません。飛行機でひとっ飛びしてしまえば、いつか画面越しに見た記憶のある、リアル初対面なのに懐かしさを錯覚させる景色が見えてしまう。
だからこそ、あえて時間をかけてみる。オフラインな環境で移動してみる。時間をかけて線を描くようにして、道のりを楽しむ。旅する。「え!?まだここなの?」そういう経験も大事なんじゃないかと思います。
この世界が、色んな人でつくられていることにも気づけます。わずか数秒で掌の上でオーダーして届くものは、こんな大きなトラックが運んでいて、その巨体を操るドライバーさんが働いているということ。二輪にまたがって風のように旅するライダーがいるということ。フネは、人生の縮図かもしれません。
そして、あえて寝台という、人が一人寝るためだけの個空間を味わう。彼は大いにその空間を気に入っていました。いつか彼が自立する時、記憶の片隅にこの時の経験が残っていたらいいな、って思います。
どんなにテクノロジーが発達しても、時速40kmでゆっくり進む船旅、本と酒と海風を愉しむ船旅がありますように、と願っています。
読んでくださってありがとうございました。
今日も佳い日で。
※カバー画像は、復路の苫小牧港出港前に、樽前山にかかる夕陽です。
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