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動画堕落論

人は動画コンテンツに嵌る事で思考が劣化していく。動画を観る事が悪いというよりかは動画を学習の支柱にする事に問題がある。

第1に能動学習とは言い難いという事である。自分で調べてその動画に辿り着き自らの意志で動画を視聴していると思われがちである。

しかし残念ながら先にフィルターバブルがあってそのなかでその動画に関連付けられた動画を視聴している。能動錯覚が生み出されたうえでの永久的な受動学習なのである。

第2に要約学習が生む弊害である。大半の動画は誰が見てもわかりやすいように印象付けしやすいように編集をされ要約されている。

しかし要約されたものやイメージ操作が強いものを思考にそのまま入れたところで考える作業にはならない。
要約や印象化では思考回路の向上には決してならない。

第3に時流学習になりやすいという事だ。大半の動画はネット上で流布された最新の時事や最新のエンタメ情報の解説や逆張り意見である。

しかし時流的なものはきわめて表層的なものである。
自らコアなものを率先して学習しているわけではないため思考が錬磨されていく事は決してないであろう。

教養や素養が動画によって身に就く事はない。自ら読解する能力、矛盾を矛盾として許容できる能力、権威に靡かずに自己咀嚼をして伝えられる能力が身に就かない。まだ学校の方が身体性に立脚した学習が可能であろう。

まとめていえば「動画は決して考える能力を向上させない」である。いわばパッシブな信者型マインドが形成されて要約されたものや回答の入力作業に慣れる事で思考がストップしてしまう。

有名な動画配信者やインフルエンサーの信者となる事で他者への讒謗を広げて逆張りに乗る事で真実を知った選民だと思い込んでしまう。これは世界的な現象でありその人の学歴や社会的地位とはさして関係がない。

動画信者たちは科学や法治とは無関係な「逆張り選民主義」の臣民となるしかない。そして一般的な活字媒体を自ら読み解く事は事実上不可能となる。
有名配信者や界隈インフルエンサーの〇〇さんが云っている自称真実や解説こそ信者たちの教典である。

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