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【基礎の三大柱】2:リップスラー

先日、ここのブログに「【基礎の三大柱】1:ロングトーン」と題して、トランペットを演奏する上での重要な3つの柱(基礎力)のひとつを解説しました。

ロングトーンは音を安定した状態で維持する技術を手にいれる練習です。これができるようにならないと様々な演奏表現ができないので、とても重要な技術です。詳しくは上記のリンク先をご覧ください。

そして今回は2つ目の柱「リップスラー」です。


リップスラーとは

リップスラーとは、簡単に言えば「体のコントロールで倍音を移動する技術」です。トランペットという楽器は、何かの音を伸ばしている際、バルブ(ピストンやロータリー)を押して管の長さを変化させることで音の高さを変えることができるわけですが、それはひとつの倍音の中での出来事です。

木管楽器のオクターブキィのように同じ運指で出せるいくつかの音(倍音列)を移動する機能はトランペットにはありません。自分の体を使わなければ倍音の移動はできないのです。

では具体的にどのようにして倍音を移動するのか、その技術を身につけるために行うのがリップスラーです。

教則本を取り組む際に意識してほしいこと

こうした基礎的な技術を習得する際に注意してほしいことがあります。多くの人が結果を求めて楽譜に書いてあることを演奏できるようになろうと練習してしまうのですが、それは楽曲を練習する際の目標です。基礎的な技術を手に入れる際には、どのような原理・方法で実現するのかを理解して実践することが大切です。

今回のテーマであるリップスラーについてももちろん同じです。リップスラーの練習用楽譜は教則本を探せばあらゆるところに掲載しているので、とりあえず何かひとつ選んでみましょう。
そうしたら、その楽譜に書いてあるリップスラーの楽譜をいきなり吹くのではなく、まずはリップスラーで移動するには具体的に体をどのように使う必要があるのかを考えてください。そのためには、もっと原点の音の高さが変わる原理についても考え、理解する必要があります。

そうした理論的な側面の正しい理解を、実際に体を使って実現します。理論と体の使い方と結果が合致して楽譜通りの演奏ができたなら、自身のテクニックとして定着したわけですから、これから様々な楽曲のリップスラーが必要な場面はその技術で演奏ができる!という結果になるわけです。

とても理屈っぽくて面倒くさいように思えるかもしれませんが、文章にしているから、というのもあります。実際に基礎的な練習をする際は、何も考えないで教則本を片っ端から吹きまっても得るものはほとんどないので、ぜひじっくり頭を使って取り組むようにしてください。

ツキイチレッスンでのリップスラー練習

僕のレッスンでは、リップスラーについてもしっかりと解説、実践をしています。オリジナルの練習パターン(ポルタメントでのリップスラーと呼んでいます)で音の高さが変化する原理、体の使い方、実践方法を一緒に音を出しながら進めていき、より良い体の使い方を求めてじっくり観察しながら方法を手に入れていきます。

また、音域を拡張するためにもリップスラーは最適な練習です。ただ高い音を目指すだけの練習ではなく、低音域から中音域、そして高音域へと広い音域を移動するためにはどのように体を使えば良いかを解説、確認しながらリップスラーを使って実践しています。

ということで今回は2つ目の柱である「リップスラー」について解説しました。

単発参加型「ツキイチレッスン」では、先ほどお話ししましたリップスラーの実践や、音域を広くするためのリップスラー練習について積極的に実勢んしております。ご興味ありましたらぜひレッスンにご参加ください!
ツキイチレッスンの開催日、詳細、お申し込みはこちらから。

お待ちしております!


荻原明(おぎわらあきら)


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荻原明(おぎわらあきら):トランペット
荻原明(おぎわらあきら)です。記事をご覧いただきありがとうございます。 いただいたサポートは、音楽活動の資金に充てさせていただきます。 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。