アンサンブル部門Aのレポート(第2回荻原明門下生トランペット発表会)
1月26日(日)に開催いたしました「第2回荻原明門下生トランペット発表会」。書きたいことが多いので少しずつレポートしております。今回は「アンサンブル部門A」のこと。
アンサンブル部門Aとは、トランペットアンサンブルやってみたい!という方にお集まりいただいて、そのメンバーでひとつのステージを作り上げる部門です。
第1回発表会開催時は8名の参加者でしたが、今回はそれを上回る12名の方にご参加いただきました。第1回の反省点として、選曲が簡単すぎたという点があり、今回は少しハードルを上げてみようと技術的にも表現的にもレベルの高い作品もプログラムに入れました。演奏したのは、
こちらの3曲です。
バッハによる5つのコラール
バッハのコラールは4重奏なので1パート3名で演奏し、部分部分でソロ(ひとり1パートの純粋な4重奏)の箇所を設けました。
コラールは吹奏楽のいわゆるバンド教則本にも掲載していたりと、どうしても「基礎合奏」的な扱いやイメージを持ってしまうことも多いのですが、現在の音楽の基礎のひとつとしてとても大切な音楽の要素が含まれていますし、純粋に音の響きを作り出す楽しさを感じて欲しいと思い、練習を進めてみました。
ですので、こうした作品によくあるやれ高いだ低いだ純正律だ平均律だと「ピッチとハーモニー」に関して口うるさく言うようなレッスンはしませんでした(和声の簡単な解説や、調に関してのお話はしました)。
胃腸薬の主題による4つの変奏曲/M.ケンツビッチ
ケンツビッチというのは僕のトランペットの師匠である津堅直弘先生の作曲時のペンネームで、いわゆる「正露丸」のシグナルを主題とした作品です。聴いていても演奏しても楽しいのですが、結構なアンサンブル能力を必要とするため、この作品が最も苦戦しました。
こちらの作品、途中でメロディを各パート1音ずつにわけて順番に音を出すという、いわゆるハンドベル合奏のような箇所がありますが、練習時からその部分が大苦戦していまして、かなり時間をかけて練習をしましたが「本番のお楽しみ」状態で当日を迎えました。結果、練習の時の成果は発揮されていたように感じます(事故がなかったとは言えませんが)。
ただ、フォローするために言うわけではありませんが、本番のステージでの大切な能力のひとつに「リカバリー」があります。何か事故が起きた場合、咄嗟の判断で事なきを得るための対処をすることや、すぐに復帰して演奏続けるなど、聴いている方へ不安を持たせないための能力です。
ミスしてしまった部分は過去のことになるのでもう修正できません、それよりも次以降どうするかのほうが重要なのです。
この作品、そういった意味ではかなりの事故がありましたが、ひるむことなく最後まで突き進んでいけたことは素晴らしかったと思います。
歌劇「アイーダ」より「凱旋行進曲」/G.ヴェルディ
アイーダは僕がだいぶ前に14重奏+ユーフォ+テューバの編成で編曲した楽譜を利用したのですが、ユーフォとテューバの低音部のパートも含めて今回は船本先生にオケ伴(オーケストラのパートをピアノだけで演奏する楽譜)を弾いていただき、さらに本来アイーダトランペットで演奏するバンダの不足しているパートは東京音楽大学吹奏楽アカデミー専攻の学生に参加してもらい、総勢20名の奏者による大迫力な演奏が実現しました。20名の奏者による演奏なので、この曲だけ荻原が指揮をしました。指揮といっても大したことはできませんから、タイミングを出す程度のものでしたが、「胃腸薬」から解放されたことが理由かわかりませんが演奏クオリティはかなり高かったと思います。アンサンブル部門Aの練習は全3回のみで、しかも東京音大吹奏楽アカデミー専攻のバンダと一緒に合わせたのはこの日のリハーサルが初めてでした。
発表会で使用しているとしま区民センターの小ホールはそれほど大きい空間ではありませんので、20人がステージ部に集まると写真のようにギュウギュウです。かなりの大迫力にお客様は音圧がキツかったかもしれない、とも思いましたがいかがでしょうか。演奏しているほうは楽しかったです!
ということでアンサンブル部門Aもとても充実したステージになりました。何よりも集まってくださったメンバーが中学生から大人までいたけれどとても仲良く楽しくできたことが嬉しく思います。トランペットのような管楽器は1人でできることは限られていますから、このように誰かと一緒に音楽を作り上げる経験は絶対にしたほうが良いですし、楽しいです。
第3回目の開催日はまだ決まっておりませんが、開催できた際にはまた絶対にアンサンブル部門Aもやります!どんな曲やろうかな。
荻原明(おぎわらあきら)