音大音高受験はできるだけ早めのスタートを
音大は受験合格を目的にすると入学してからが大変です
大学受験に合格することを目的とすると入学してから目標を見失いやすい、と言われたことがありますし、よく耳にします。確かに、入試は大学で学ぶため審査のようなものですから、合格のその先に目指すものがなければ意味がありません。
殊に音楽大学は合格を目標にするとその先が大変です。
入試の課題というのは、大学に入ってからの授業やレッスンについていける最低限の知識と技術があるかを確認しているわけで、コンクールのように優劣をつけるために行なっているわけではありません。ですから、入試課題が余裕でこなせる(自覚がある)状態までレベルアップすることが望ましいです。
楽典はただのペーパーテストではありません
楽典やソルフェージュに関しても、様々な授業やレッスンでそれらの基礎知識が当たり前に(理解していることを前提として)使われます。例えば楽典の試験では楽語を沢山覚える必要がありますが、これは実際に大学で演奏する楽譜に書かれているわけで、いちいち調べたりせずともその楽譜のその場面に書かれた文字の意味を正しく理解し、そして演奏表現ができることが前提となっています。合奏でriten.をrit.だと思って演奏したら、ひとりだけ演奏が飛び出て恥ずかしい思いをするかもしれません。
実技試験で音階や分散和音を演奏する場面も沢山あります。中には「調は当日指定」という専攻も多いですが、要するにそれはどの調性も同じように演奏できるか(すべての調について正しく完全に理解し、演奏できるか)確認したいからです。合奏で調号が付いていない時には活き活きと演奏していたのに、転調してフラットが6つになったら突然音を間違えまくって指がまわらなくなられては困るわけです。
入試課題を演奏するためにはまず基礎固めから
そのように考えてもらうと、音大に進学したい!と思って入試課題にいきなり取り組むのではなく、その前段階として基礎力を確実に組み立てておくことが必要であることはご理解いただけたと思います。まずは自分の専攻実技(トランペットなど)の基礎的な部分を確実にしつつ、楽典を学んで演奏技術と直結させることが最優先です。
トランペットに関して言えば、入試の実技課題にアーバンの変奏曲だったり、「コンクールのための小品」のような名前の作品が多く用いられます。これは要するに演奏技術を総合的に持ち合わせているかを確認するためで、高音から低音がまんべんなく出せる、歌える(フレーズやアゴーギクを理解している)、タンギング(ダブルやトリプル含む)のクオリティ、速いパッセージに対応できるフィンガリングなど基礎的な技術を問題なく持っているか聴かせてもらうためです。
逆に言えば総合的な基礎技術を持っていなければそれらの入試課題曲を演奏することはできないわけで、だからその前にアーバンなど教則本を徹底的に練習して基礎力を上げていく必要があるのです。
音大音高受験は3年計画がオススメ
そう考えると、入試を目指して準備を始めるならば、大学受験なら個人差はありますが最低でも高1の初め頃には個人レッスンをスタートする必要があると考えます。
最初は体の正しい使い方や理解、実践。そしてアーバンなどを使った基礎力の向上、同時進行でピアノやソルフェージュ(聴音やコールユーブンゲンなど)、楽典の学習をスタート。トランペットは高2の終わりくらいまで徹底的に基礎的な部分を固め、3年生になったら入試課題に取り組み始める流れが個人的には理想です。
1年間で受験のために使える時間はかなり少ない
高校生活の1年間=365日受験に向けて勉強や練習ができると考えてはいけません。高校生の平日は朝から夕方まで通常の授業があり、非常に短いスパンで年に何度も定期試験があり、管楽器の場合、その多くは吹奏楽部に入っていると思いますから、楽器そのものは練習しているかもしれませんが、受験対策の練習が部活と並行してどこまで深掘りして取り組めるかは未知数です。吹奏楽コンクールや定期演奏会などで部活を優先しなければならない時期もあります。そんなハードスケジュールの中で時間を作って受験対策の練習や勉強、レッスンを受講すると考えると、本当に限られた時間しかありません。
なので音大受験を目指そうと考えている方はできるだけ早く準備をされることをおすすめします。
ツキイチレッスンは受験対策レッスンも行っています
僕が定期的に開催している単発参加型の「トランペットツキイチレッスン」は、受験対策レッスンも実施しております。音楽教室のように何曜日の何時と決められていないので、時間がない時は少なめに、逆に確保できる時には多めに、学校生活などご自身のスケジュールに合わせてフレキシブルなレッスンが受けられます。
現在も受験に向けてツキイチレッスンにも多くの受験生が通っています。進路相談や受験までのプランの組み立てなど相談しながらレッスンを実施できますので、音大や音高に進学を考えている方はぜひ一度お越しください(できれば初回は親御様と一緒にいらしていただけると進路相談がしやすいです)。
ツキイチレッスンの開催日、詳細、お申し込みはこちらからお願いしております。
どうぞお気軽にお越しください!
荻原明(おぎわらあきら)