効率的な楽器の練習について考える
先日ここのnoteで、社会人になったら学生時代の部活みたいには練習できないから、そもそも部活動の連日の長時間練習が必要である、という考えをなくしましょう、というお話をしました。
ご自身の可能なペースで、あくまでも楽しむことを前提として、その範囲内での上達を目指していければ十分だと思うのですが、例えば楽団などに所属している場合はそうも言っていられず、定期的に本番がやってくるわけで、それに向けた練習がだいぶ前からスタートするため、早々に譜読みをしなければならないし、ご自身もできる限り納得のいく本番にしたいと思うはずです。
そうなってくると、生活の中に意識的に楽器の練習時間を確保する必要が出てくるわけですが、とは言え仕事や勉強、家事育児など優先すべきことは他にも山のようにあるので、できるだけ短時間で効率良く結果を出せるようにしたいものです。
そのためのいくつかの提案をしたいと思います。まずは何と言ってもこれ。
練習メニューを事前に決めておく
練習時間が来て楽器を出し、音出しをして「さあ何やろうか」は効率が悪いです。今日は何をする日なのか事前に内容と目標を定め、その目標が達成するための実践内容も考えておくことが大切です。
考える時間というのは他の何かをしている時にもできるので、例えば食器洗いやお風呂に入っている時間に行えます。ちなみに目標は低く、小さく設定します。
例えば「全曲をノーミスで通せるようにする!」とか大きな目標にしてしまうと負担が大きくなり、モチベーションの維持ができずに練習がイヤになってしまう可能性があります。なので「この曲の後半部分を通せるようにする」など、自分でできそうだな、と思える程度にしておくと目標の達成感を味わえますし、もし時間が余ったら「目標以上のことができた!」という充足感を得やすくなります。
苦手な箇所があったあら、優先的にその部分を取り組むように心がけ、全体が満遍なくできるようにしましょう。苦手な部分に取り組むのはそれなりに心理的にも体力的にも負担がかかりますが、練習時間の開始までに、なぜその部分が苦手なのか理由を考えておきます。リズムがわからないのか、音程が取りにくいのか、楽器のコントロールが難しいのか、そうした理由によって取り組む内容は変わります。
例えば苦手な理由がリズムや音程だった場合、料理をしている時間や移動時間などに音源を聴いて覚えてしまうのも良いと思います。
わからないところを音源を聴いて暗記してしまう方法は、本来の音楽の学び方としてはあまり良しとされないのですが、それはもっと時間がたくさん確保できる人が行うことなので、時間が足りない人は手段は問わなくて良いと思っています。ただし、音源を聴く場合は複数の奏者(団体)の演奏をできるだけ多く聴いてください。1つの音源だけを繰り返し聴いているとそのテンポや表現方法こそが正解だと思い込んでしまい、応用の効かない変なクセがつきやすいです。
例えば苦手な理由が楽器のコントロールなのであれば、練習時間に何度も何度も同じところをひたすら繰り返しても体力も時間も無駄になり、精神的にも良くないので(無意味な根性練習は避けましょう)、可能な限り「何が難しくしているのか」その原因を、ご飯を食べながら、洗濯物を干しながら、仕事をしながら(?)事前に考えてください。リップスラーが安定すればできるのでは?タンギングの質が上がればできるのでは?など仮説をいくつも立てておきます。さらにリップスラーでどんな練習をすべきか、タンギングの練習のために何をどう行うのか、アーバンなど何か特定の教則本から1曲を選んでみるとか、そうした具体的なメニューも事前に考えておきます。
そして楽器が吹ける時間になったら、事前計画に則って実験、研究をして、方法や解決策が見えてきたら曲に反映させてみる。この流れが最も効率的です。
ただ、この「難しいと感じる理由とその原因、具体的な練習方法」というのはひとりで行うのはとても難しいです。可能であればレッスンを受けて的確な方法を知るのが最短コースだと思います。
毎月複数回開催している「ツキイチレッスン」は単発参加型なので、上記のような練習方法や解決のための原因究明にぜひお役立てください。開催日やお申し込みはこちら
お気軽にお越しください!
ということで、社会人になっても管楽器を続けていきたいと考えている方が楽しく演奏できるためのヒントを今後もこのブログに書いていきたいと思います。
荻原明(おぎわらあきら)
荻原明(おぎわらあきら)です。記事をご覧いただきありがとうございます。 いただいたサポートは、音楽活動の資金に充てさせていただきます。 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。