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「てるてる坊主五段活用」は可能か 【てるてる坊主の呼び名をめぐって#4】

※冒頭の絵は「てれてれぼうず」(あきやまただし『はなかっぱ』より一部を転載)


はじめに

 かつて、てるてる坊主の呼び名をめぐって、歴史的な変遷を整理してみたことがあります。昨今では「てるてる坊主」に画一化されてしまった感がありますが、かつては実に多彩な呼び名が見られました。
 「てるてる」という部分だけに限ってみても、近世(江戸時代)から近代(明治・大正・昭和前期)にかけては、ほかに「てりてり」「てれてれ」「てろてろ」といった形も見られます。とりわけ、「てりてり」は頻繁に使われており、近世後期(19世紀はじめ)から明治末期(20世紀はじめ)にかけての100年ほどのあいだは、「てるてる」より「てりてり」のほうが優勢でした。

 言うまでもなく、「てりてり」や「てるてる」は「照る」という語を活用した形の繰り返し(畳語)です。本稿では「てりてり」「てるてる」に似たそのほかの事例、すなわち「てれてれ」「てろてろ」といった形に注目して、近世・近代の文献資料から昨今の状況までを見通してみます。さらには、「てらてら」という形の有無についても探ってみましょう。

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