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徒然なるままにインド①〜ケララのリゾート暮らし:南インド編〜
インドの力で健康になる。
私はアーユルヴェーダ(エステのイメージもあるが歴史の長いインドの医学)を10年続けている。
元気がないと筋肉推せないし、インドがないと元気になれない!
10年かけてじっくり体を癒し、初の本拠地インドで更なるインド力を上げるため、私はアーユルヴェーダサロンのオーナーと共に立ち上がる。
10年かけて体は癒せているが、私は全くインドを知らない。
本当のインドを知ればもっと元気になれるかな?
元気になりたい。そしてもっと推し活をしたい。推しの筋肉を愛でたいし、外国でだらだらしたい!
煩悩まみれで他力本願、だけど探究心だけは5億倍ある私の旅が始まった。
クックドゥードゥルドゥ〜♪
大阪の片田舎で農家の娘として長年生きてきた。
家でニワトリが飼育されていた事もあったし、徒歩5分の父の実家では酪農だってやっていた。
朝、ニワトリの鳴き声で起きること。
その描写やシーンを何度となく映像や本で見聞きしていたが、実際に体験することは無かった。
インドに来るまではーーー
アラームの3時間前に鳴き声は響き渡る。
朝の4時にそんな腹から声出る?
それともインドのニワトリって5mくらいある?
昨夜はリゾートに到着した時点で12時過ぎだった。
そこからなんやかんやで寝たのは2時。
機内でそこそこ寝たし、早起きは得意分野でもある。が、さすがに朝飯前にも程がある。
あと最低でも2時間は寝たい、と布団を被り直すがニワトリの猛追。
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「どんなに努力しても上手くいかないこともある」インドはそんな精神の学舎だ
鳴き声の発声が違う。
日本のニワトリより体幹がいいのか、ブレスが長い。
さてはアスリートか?
鳴き終わりの最後のドゥ〜の「〜」で息を吐き切り、次の息を吸いながら「ク」の音を出して効率よく呼吸してる。
切れ目も隙もない、自転車操業みたいな鳴き声だ。
合理的な鳴き方、賢い。
けど今じゃない。
「グワ!グワワワワ!」「ベェエエエ〜」
え?ガチョウ?アヒル?ヤギ?どんだけ庭で飼育してるの?ママ!
みんなスタートダッシュ速ない?
この国に、朝から鳴かない動物はいませんか?
私は寝ることをやめた。
昨夜、エアコンをつけることもやめた。
主電源のスイッチが本気でどれか分からず、リモコンがただのプラスチックだった。
ベットの上にあぐらをかいて、考えることもやめた。
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変換プラグは何故か私のは使えず、ママが貸してくれた
人は洗練されていくとどんどんシンプルになるという。
このまま1ヶ月くらい滞在したら悟りを開くのも夢じゃない。
こんな時は瞑想に限る。ただひたすらに心に浮かぶ言葉に耳を傾けよう。
こんなに暗い夜は初めてだった。
トイレの電気だけ付けて寝たつもりが、起きたら何の電気もついてなどいなかった。
間違えてシャワーの電気付けてた!てへ⭐︎とかネタ欲しかったな。
あぁ、そうか。ぶりっ子って余裕があるから出来るんだ。
結論、恵まれている人が出来る自己主張「ぶりっ子」はここに存在しない。
電気のスイッチこんなあるのは想定外だった。
おかげでスマホの充電も出来ていない。
全てのスイッチを切り替えた(数えてみたら一部屋で11個スイッチがあった)が無理だった。
熱いとか、トイレに紙がないとか、そんな事はどうにでもなる。
冷たいシャワーがトイレにあんねん。
尻にぶっ掛ければ綺麗で涼しくなるし、熱いからすぐ乾く。そんなシンプルなカラクリで生きてるねん。
でもな、最低限のライフラインってもんもあんねん。
私のiPhoneが眠りについたら、Xでチャンピオンシップの試合結果が見れんねんてば!推しが正念場やねん!推し活出来ないのは死活問題!
あぁいっそ、育ちのいい推しに教えてあげたい
侑太郎さん知っていますか?インドって一部屋にスイッチ11個あんねん。
「俺の背番号と同じだね」
あ、そうか!
なんかいける気がしてきたぞ!インド、かかってこいや!!
ママはキリスト教
ヒンドゥー教徒が人口の79.8%のインド。
人生一度は世界神話に詳しい人になって鼻を高くしたい!と思って神様の本も読んだが頓挫した。
ヒンドゥー教は多神教(神様がいっぱい)その数3.300万〜3億3.000万とも言われている。
ちょっと言っている意味がよく分からない。
日本の人口より神様おんの?
私は仏教徒だから同じ多神教だね!と思っていたが、日本の八百万の神の800万なんて足元にも及ばない。
もうでかい顔できん、せんでもいいけど。
空港からの移動中にも思ったが、街中にはキリスト教の教会が目立っていた。
そして、私たちが宿泊しているリゾートにも壁にはイエス、ベットにはロザリオ。
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これはママの娘や息子が厨二病を拗らせてジーザスクライストとか言っちゃっているわけではない。
ヒンドゥー教には厳しいカースト制(英語でヒエラルキー)があり、そう言えばなんか世界史の時間に習った気がしないでもない。
上からバラモン(僧侶)クシャトリア(王族)バイシャ(庶民)シュードラ(奴隷民)に位置付けられ、さらにその下に不可触民がいる。
カーストは家族で世襲されるので、ある日突然上にいったりすることはない。下位で生まれるとずっと下位なのだ。
「今って令和やで?空飛ぶ車もできてる時代に何言ってんの?」
もちろん、インドもカーストを否定しているが、根深く国民の生活に根付いてしまっていて、今でもそれに苦しめられている人がたくさんいる。
そこで、閃いた一部のインド人が改宗する事でカーストから逃れたのだ!
ずっとヒンドゥーでいたら灯台下暗し的に気づかなかったが、そもそもそこでいる必要はない。
南インドはキリスト教に改宗し、カーストから逃れて暮らしている人が多い地域なので、キリスト教の教会が多いのだ。
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信じて崇め奉っても何も変えてくれない神に追い縋るより「私を大切にしないあんたなんて、これっきりよ!」と手切れ金叩きつけて去る方が遥かに賢い。
合わない人の側でも耐える事を美学として、自己肯定感削ってる日本人にも教えてあげたい。
自分を大切にする本当の意味は「今日は嫌な事があったからケーキワンホール食べてよし!」と、耐えた自分を甘やかす事ではない。
「嫌なことをしてくるあの人から逃れる為に自分の生活を変えていく」事だと私は思う。
ママたちは本気の「ご自愛」をした誇り高きインド人。
だからと言ってヒンドゥーも否定しない、ここにもここの良さがあり、共存している。
とは言え、無宗教に近い自分がどうこう口を挟む事ではないな。
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奥には夜になると頭がパァっと光るイエスがいる
庭には2羽ニワトリがいる
「アラームが鳴る前に起きてしまう」
神経質な人からそんな言葉を聞いた事がある。
「すごい体内時計持ってんな?」と感心したら、彼女が欲しかった答えと違ったようで、その日を境にすれ違いもしてくれなくなった。
そんな彼女のことを思い出しながら、今朝もアラームの3時間前にベットの上であぐらかいてる。
クックドゥードゥルドゥ〜♪
もう1Q(10分)途切れることのないニワトリの応酬が続いている。
ここに彼女のようなデリケートさは微塵もない。
果たしてアイツはなんのために鳴いてるんだろうか。
鳥が鳴く理由は求愛、移動中の連携、威嚇が主な理由と思われるが、ママの庭という安全な場所では後者の二択は考えにくい。
となると求愛?ラテンの血が多くないか?
恋愛と言われたら否定も禁止も出来ないな。
よもや、よもやだ。
ママはキリスト教だけど、ヒンドゥー教徒もチキンは食べていいんだよな?
・・・・。
「ママ、時間があったら自慢のお庭を見せて欲しいんだけど!」
予定の合間をみてママのお庭ツアーを開催してもらった!
旅の友はハーブやフルーツに目を輝かせているが、私の目はニワトリ一択にギラついている。
アイツのツラ拝まないと帰国できねぇわ。
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これが庭!ジブリ感すごい
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ニワトリはいねぇな・・・
柵の中に入ると良い感じの太めの棒をひょいッと拾うママ。
何するのかな?と思ってたら、猛烈な鳴き声と速さで視界に入ってきたガチョウ一派を、瞬く間に棒で一蹴した。
ONE PIECEのオーナーゼフみたいでかっこいい。
軟弱な私達だけでは、ガチョウ一派のゾーンディフェンスに引っかかって先に進めない。
手前のアヒルより、奥の黒い3ビッグが強敵すぎた。
だが、私はこんなところで怯むわけにはいかない。ガチョウのクラッシュトーク(会話出来ないくらい声でかい)も気にせず、アイツを探す。
ここではないようだな・・・。
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足元には大きなヤスデ
天気はあいにくの曇りだが、しっとりと葉を濡らす庭の湿度は最高に肌にいい。
一日中機内でいたカピカピの肌が、湿度を吸い込み瑞々しくなっていく。
南国っぽい鳥の鳴き声を聞きながら、ふかふかの枯葉をビーサンで踏んで歩く。
足に泥が跳ねても、服が汚れても、何も気にしなくていい。
全部冷たいシャワーで流せばいいだけ。
農家で生まれ育ったのに全身大アレルギー体質の喘息もちで、田んぼに一度も入れなかった過去を持つ私は最高の気分だった。
ほぼ裸足で踏む落ち葉、その下の腐葉土、子供の私は全てにかぶれてしまっていた。
そんな私がインドでいる。
食べ物も日本食だとアレルギーだらけで食べれないいものが多いが、ここはほとんど気にしなくていい。
アレルギーをほとんど克服したのは、大切に育ててくれた親と、今回ここに導いてくれたアーユルヴェーダサロンのオーナーのおかげ。
インド、体に合ってるかもな!
なんて調子に乗っていたら、足元に何かサワサワ・・・
日本ではお目にかかれないくらいの大きいヤスデが足を這っていた。
ムカデなら大騒ぎだが、ヤスデは噛まないから大丈夫。
にしてものびのび育ったな。
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生姜の友達なのね、君は
これも立派な食育か。
実際に木になっているところや土に植っているところを見た事ない植物も多い。
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葉っぱはお茶でよく飲むけど、ちゃんと見たことなかった
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ドライのものしか食べたことなかったが、生だと青りんごみたいに爽やかで少し甘い、かりんに似ている
ママはなんでも生食できるものを手渡してくれ、それを食う。
腹は弱いが心は強い。強い気持ちで食べるとお腹は痛くならない。
鯉を養殖している池も見せてもらった時、辺りが騒ついた。
研ぎ澄まされた、私の心の切先が何かに触れて呼応している。
動物の気配・・・
アイツが、近づいている・・・
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見晴らしのいい所に抜けるとけたたましい鳴き声が近付いてきた。
見た目は禍々しいが、世界一美味しいと言われるジャックフルーツ様に旅の友のテンションはフルスロットル。
だが、私は虎視眈々とアイツの気配を探る。
ニワトリ、お前はそこにいるのか?私をその辺の日本人と思なよ?
明日からの鳴き声が「ぎゃふん」になる覚悟はできているか?
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ゴール下が無敵すぎる「南インド・ターキーレッグス・ケララ」
だが、現れたのはあの鉄壁のガチョウ軍団with七面鳥。
七面鳥?!
完全に怯む私。
何この風格・・・黒蜥蜴の美輪明宏しか纏えんオーラ放ってるんやけど。
ママ、あれも飼ってるの?
聞いてみたもののママほど英語が達者でない私は上手く聞き取れなかったが、なんとなく「クリスマス」と言う単語が聞こえた気がする。
日本はクリスマスにチキン食べるけど、本場はターキーレッグよね。
他にもママの庭にはヤギ(耳が垂れてて可愛い)大量のセキセイインコ、関取みたいなうさぎもいた。
イランイランの花も咲いていて、私は香りが少し苦手だが、初めて咲いているところも見れていい経験になった。
私達があちこち出掛けて遅くに帰ってきても、笑顔で門を開けてくれ(インターホンを押すと自動で開く!あの瞬間は外国の要人みたいでかっこいい)毎日違うフルーツとハーブウォーターをこしらえて待っている。
毎日をより楽しく過ごせるのは、ママのお庭とおもてなしの心のおかげ。
てか、アイツ居なかったんだけどママん家のニワトリじゃないの?
どこのどいつやねん!
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特に照明可愛すぎる
庭には1羽のニワトリも存在しなかった。why?