子どものタイプ診断は気休め程度で、ありのままを観察し発見しよう【育児哲学#22】
・先入観や思い込みは自分の世界と子どもの世界を狭くする
・目の前の子どもをよく観察し、理解しようとすることで、新しい発見を得ることができる
・子どもの個性はそれぞれ違うので、その子に合わせた対応を
私はただ 愛することによって
他の個性を理解する。
◆日本の哲学者 三木清『人生論ノート』引用
先入観や思い込みは、目の前にあるものごとへの理解をじゃまする。「この人はこういうタイプの人だろう」「きっとこの映画もお決まりの展開なんだろうな」と、実際に中身を知る前に決めつけてしまっては、自分の世界は狭くなるだけだ。ものごとをカテゴリーにはめ込まず、ありのままを観察し、理解しようとすることで、新しい発見を得ることができる。
ネットでよく見かける「子どものタイプ別診断」。
子どものタイプ別「やる気の出し方」「しつけ方」「勉強のしかた」・・・とか。
タイプ別に子どもをあてはめ、どういう対応をすれば良いのかが事前にわかるので親の「安心」と「余裕」を生み出すことができるかもしれません。
ですが、その診断結果どおりの対応をしても、子どもが親のいうことを聞いてくれないこともたくさんあります。
子どものタイプ別診断は気休め程度に思ってください。
また、身近な大人の先入観は子どもにも植え付けられます。
知識や経験をもとにものごとを判断するのは大事なことですが、先入観が強すぎるとあやまった判断につながるおそれもあります。
「太陽は赤」「信号は青」など、子どもが絵を書くときの色えらびでも、日本人特有の先入観が影響しています。
太陽の光はさまざまな色がまじっているのだから、何色に書いてもまちがいではない。信号だって、実際は緑色に近い。
親や幼稚園、保育園の先生など、周りの大人のアドバイスから赤や青になったと考えるのが自然です。
子どもにとっては「大人は自分よりも物を知っている正しいことを教えてくれる存在」なので、先入観も植え付けられます。
「無理やりタイプにあてはめること」や「先入観でものごとをみるのは」、親の世界感(見解)がひろがらないことになり、子どもの気質や個性を型にはめることになります。
本当に子どものことを知りたいのならば、目の前の子どものありのままを見てください。
子どもの言動などを理解ししようとしてあげてください。
先入観をはずし、常識にとらわれない、ありのままの子どもを。
太陽は青でもいい、信号は緑だね。
それを続けていくと、子どもの気質について新しい発見できるかもしれません。
「こうすれば、すぐに泣き止むのか!」
「よく見てるね!すごいことを知ってるね!」
「こんなことがこの子は得意だったのか!」
いろいろな子どもの発見は楽しいですよね。時間のある限り、ありのままの子どもをよく観察し、日々の成長とともに発見を楽しんでください。