子どもに怒りすぎて自己嫌悪してしまうときの対処法は「認める」こと【育児哲学#27】
育児はうまくいかないことだらけ。ついイラッとして子どもにあたり、自己嫌悪におちいってしまうことがあります。
ですが、イライラは脳の「アラーム機能」。人間が生存するうえで必要な感情になります。イライラを認め、増幅するのをふせぐことが大切です。
この記事では、イライラしてしまうときに役立つ哲学と、イライラする自分の認め方をご紹介します。
イライラした自分と向き合えると、等身大の自分がわかるようになり「無理をしない家事と育児」ができるようになります。
【哲学】
われわれの内面には、
堕落への密かな渇望がある。
◆アメリカの社会哲学者 エリック・ホッファー『魂の錬金術』引用
誰しも心のなかには「シャドー」が存在する、と言ったのは哲学者であり精神科医でもあったユングだ。心にひそむシャドーとは、「自分も他人も軽蔑する悪しき願望」である。他人を蹴落としたい、いっそ、破滅的な生活を送りたい。これらのシャドーが湧き上がってきたら、存在を否定するのではなく、暴走しないようにいったん受けとめることだ。まずは「シャドー」の存在を認めよう。
自分のなかのイライラ(シャドー)の存在
子どもはかわいいのに、ついつい大声でどなったり、言わなくてもいいひとことをくちにしてしまったり。
「あんなに怒ることはなかった・・・」となげき、自分が思い描いていた「理想の父親像・母親像」とは、まったく違うと自己嫌悪におちいってしまうことは育児をしていて、とても良くあります。僕もたびたび落ち込んでしまって自己肯定感をさげてしまっていました。
また、子どもには
「お姉ちゃんはできたのに、あなたは・・・」
「〇〇ちゃんは上手にできてたけど、どうしてできないの?」
と言ってしまい、まわりのお友だちやきょうだいとくらべてしまうことで、子どもが自己肯定感を持てなくなることもあります。そして、くらべられたお友だちやきょうだいに対する悪い影響がでてしまいます。
イライラは無理に消そうとすると、脳は「マイナスの出来事に気がついていない」と判断し、そのイライラアラームのボリュームをあげていきます。つまり、イライラや不安は「消そうとすることで増幅されていく」のです。
また、脳のクセによってもイライラが消せなくなることがあります。
「〇〇しない」と決めると、そのことをしたくなる、という特性が脳にあります。なので対処法として、例えばダイエットでは、「甘いものを食べない」ではなく「健康的な食事をとる」と決めたほうが成功率は高くなります。
「○○しない」という決意は、かえってそのことに脳が執着する原因になってしまうのです。
自分のイライラ(シャドー)を認め、子どもの比較対象は過去の子どもに
イライラはなくなりません。僕たち親はどうしたらよいでしょうか?
自分に対して「イライラをしていい」という許可をだしましょう。
鏡にうつった自分にねぎらいの言葉をかけてあげましょう。
自分をゆるすと「イライラという感情があることに気づいているんだ」と脳が判断し、増幅をふせぎ、イライラもぐっとへっていきます。
まじめな人ほど子育てに対して「うまくいかない自分」を責めがちです。幸せな子育てを実現するためには「親自身がしあわせであること」がとても大事な要素だと考えます。
こちらの記事にもイライラに対する育児哲学があります。
よろしければ、あわせてご参考ください。
子どもをついつい誰かと比較してしまうのは、あなたのなかで「存在しない理想の子ども」を思い描いているからです。
優秀な「存在しない理想の子ども」を無意識に思い描いているせいで、子どもに対する期待値が高くなり「子どものできないこと」ばかりが目について、イライラしてしまいます。
「存在しない」子どもではなく「存在する」過去の子どもと比較しましょう。
「昨日は6までだったのに、今日は10まで数えられてた!すごい!」
「先週は登れなかったジャングルジムに、今日はいちばん上まで登ることができたね!えらい!」
比較することは悪くありません。優劣をつけることが問題なのです。
優劣をつけてしまう原因はいくつかあり、親の過去の経験、思い込みや価値観、また親自身が自己否定していることも関係しているそうです。
思い込みに縛られずに、ありのままの自分と子どもを受け入れましょう。
まとめ
自分と向き合いたい。
ありのままの自分とは。
そう考えるあたなには育児哲学で参考にしている哲学書「まいにち哲学」をお勧めします。本書のテーマの中に「自分」という項目がありますので、ご参考いただければと思います。
なぜ僕が親として哲学を学ぶようになったか。
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