「育児放置」は心配だけど「育児放棄」しない大切なこと【育児哲学#20】
・育児も人生も「勝つ」ことよりも「放棄しない」ことが大事
・まず、ルールなどを決めた「育児放置」を考える
・どうしようもないときは、なりふりかまわず人に頼ろう
人生のルールは私たちに、
けっして戦いを放棄しない
ことを求めているはずです。
◆V・E・フランクル『それでも人生にイエスと言う』引用
チェスの試合中、次の一手がどうしてもわからなかったとする。そのとき、チェス盤をひっくり返せば試合はゼロ地点に戻せる。しかし、これを人生に当てはめると、チェス盤をひっくり返すのは「自殺行為」に等しいことがわかる。私たちは、人生から「どんなことをしても勝つこと」を望まれているわけではない。私たちが望まれているのは、「戦いを放棄しないこと」だけである。
育児放置と聞くとかなり負のイメージがあるかと思います。
ですが、育児放置を自分やパートナーや親族、そして社会に責められすぎると「育児放棄」に進んでしまいます。
育児放置にいたる原因や要因を考え、むしろ育児放棄をしないような「正しい育児放置」を考えてみてください。
どんな状況においても「放棄」は子どもにも、そして自分でも望むことではありません。
もし、「育児放棄」してしまうかも・・・と思うママやパパ、もしくはその配偶者や親族や親しい方にいるならば、下記のこと一緒に考えてみてください。
1.「育児”放置”」のルールを決める
専業主婦の方やワンオペの方などは、常に気を張っている状態が続き「育児ノイローゼ」になるリスクが高いです。「完璧」を目指さず良い意味で「手を抜く」ことを考えましょう。
例えば、幼少時にTVやユーチューブなど見続けさせるのは良くないことと理解しつつ、子どもにTVなどを見せるのは「家事のとき」「緊急の対応をするとき」「1日1時間」だけ、などのルールを決めて正しく放置してください。
また、「放任」と「放置」の意味もよく考えてください。必ず目の届く範囲で「放置」を。
2.「育児ノイローゼ」の症状があるならば早めの対処を考える
およそ2人に1人が育児ノイローゼにかかるといわれています。症状を放置すると様々なリスクに陥ってしまい「育児放棄」よりも最悪なケースを招いてしまうかもしれません。
対処法としては「自分の好きなことをする日(時間)をつくる」「パートナーに相談する」などです。「自分の時間が作れない」「そんな気分になれない」と思った方は要注意です。自分で自分を追い詰めている可能性があります。
時間を作るにしてもパートナーに相談できない、良い相談相手ではないと感じるのであれば、きょうだい、親戚、友人、近所の親しい方、など。それも違うと思われる場合は児童相談所や自治体に育児相談をしてみることも検討してください。保育園などの自治体で行なっている一時預かりなども利用できます。
3.「配偶者のDV」などの問題ならば弁護士に相談する
配偶者、パートナーの様子がおかしくなったことから、「DV」「育児放棄」の危機がある場合は、弁護士に相談してみましょう。離婚も視野に、まずはあなたの状況の経緯と気持ちの整理をお手伝いしてくれるはずです。また、あなたや子どもの身の危険があるならば、早めの対応をお願いしましょう。
弁護士にも得意分野が違ってくるので、豊富な実績をもった弁護士を探した上で相談されることをお勧めします。
「理想が高いママ」が「育児ノイローゼ 」になりやすいです。育児が理想通りできないときも、ぐっとこらえて自分に溜め込んでしまう。その積み重ねが、知らず識らずストレスとして心をむしばんでいきます。
自分の理想像の枠組みを外してみましょう。
そして相談できるところは探せばたくさんあります。
子供のためにも、気になったときは気軽に連絡してみてください。