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株価が高いと言うけども

先日、我が国の株価が過去最高を上回ったとのニュースがありました。

このニュースを受けて、「景気が良い」と実感する方はどれくらいいるでしょうか?

少なくとも、私の周りでは物価高に苦しんでいる人ばかりです。

この資本主義の社会に、疲れを感じている方も多いのではないでしょうか。

いつだって求められるものは生産性向上の話ばかりです。

その折に、ある書籍と出会いました。

ゼロからの『資本論』/斎藤幸平 (著)

マルクスはなぜ、産業革命時に本を書きたくなったのか興味が湧きました。

本ブログでは以下に、ゼロからの『資本論』/斎藤幸平 (著)から引用し、

資本主義が進展する現代で、何が大切なのか考えを深めていきたいと思います。

■ つみたてNISAが推奨される背景

令和6年度からつみたてNISAの非課税枠が拡大されました。

これは、政府の方針であり優遇措置であれば、それを推奨しているということです。その背景には何があるのでしょうか?

要するに、これからの時代、私たちは老後を生き延びるために、「投資家」であることを求められるということです。国は、年金や医療費負担によってあなたの生活を保障することがもはやできないから、あとは自己責任で投資をしてくださいというわけです。

ゼロからの『資本論』/斎藤幸平 (著)

政府が求めているのは「投資家」であれということです。

また、積立NISAをされている方はわかると思いますが、

その投資先は海外の企業や新興国です。

つまり、「老後の資金は自己責任で国内企業でなく海外企業」に投資しろ!ということです。

■ 保守的になる私たち

実際、つみたてNISAをきっかけにして追加の小口取引を始めれば、あなたも立派な「投資家」の仲間入りです。私たちはこうして、毎日株価を気にするようになり、ずっと株高が続いて欲しいと願うようになります。自分が保有する銘柄の株価を毎日何度もチェックしたり、マーケットの動向を勉強するようになるでしょう。
こうやって、私たちは保守的になって、自分の老後がかかっている株価が暴落しないように株高がいつまでも続いて欲しいと願うようになるのです。それゆえ、大胆な再分配政策をするために、金融所得税を引き上げたり、自社株保有を制限したりするような政策は、不人気になっていきます。むしろ株高になるような政策、例えば、法人税の減税や金融市場の制限緩和を積極的に支援するようになる。
けれども、そのような政策を選択したところで、大きく得をするのは大株主や大企業ばかりで、小口投資家ではありません。私たちが数十万円ほどの控除で喜んでいる間に、何千万円、何億円も得している人々がいるのですから。それでも、投資活動を通じて、自らも資本家としての考えを内面化し、振る舞うようになるのです。

ゼロからの『資本論』/斎藤幸平 (著)

「投資家」になることによって、私たちはどのように振る舞うようになるでしょうか?

それは、投資家であるかのように株価を気にし、法人税などの減税措置を支援し、経済のとりこになるということです。

たった数十万、たった数百万でも

資本家によって作られた「現状維持バイアス」がかかるということではないでしょうか。

■ 資本主義の成れの果て

現実には、自分はただの労働者である、ということを忘れて。経済学者の西部忠は、それを「自由投資主義」と呼び、警鐘を鳴らしています。
自由投資社会では、私たちは、すべての行為や選択を「投資」とみなすようになっています。そのような社会の帰結は、究極のコスパ社会です。結婚のコスパ?子育てのコスパ?文化のコスパ?民主主義のコスパ

ゼロからの『資本論』/斎藤幸平 (著)

私たちの行為は何のためにあるのでしょうか。

それは、いかに人間らしく生きられるかを突き詰めていくためである。と考えます。

いき過ぎた資本主義は、投資に重きが置かれ、

その社会を「自由投資社会」と呼ぶそうです。

資本社会の成れの果ては、コスパ社会・タイパ社会が台頭する世の中です。

身の回りを俯瞰すれば、もう侵食されていることがわかります。

この現代にいかにアンチテーゼできるか、行動が求められています。

■ 行動宣言

1.コスパとは真逆の一見無駄なことを実践する(社員旅行、BBQ)。

社会を転換するにはどうすればいいでしょうか?

半径5km圏内から、世論を形成していく必要があります。

そのために、気づきを発信するプロセスが重要だと感じています。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

これからも学びを共有していきます。


自宅の木々 3月

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