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土地の記憶

最近は早く目覚めてしまう。早朝、筑波大学の櫻井武先生による睡眠研究の記事を読んだ。

「最低7時間睡眠が理想」は大ウソである…医師「自分に最適な睡眠時間を把握するたった1つの方法」 睡眠時間にこだわると、かえって眠りに悪影響を及ぼしかねない | プレジデントオンライン https://president.jp/articles/-/86551

夜にどうしてもスマホやパソコンを見る必要があるならこの方法で…医師「質の良い睡眠を決める行動」 睡眠の質は夕食以降に浴びる光の量に大きく左右される | プレジデントオンライン https://president.jp/articles/-/86552

夜にスマホや部屋の照明を暗くすることはしている。やっぱり宿題が進んでいないことが原因な気がする。分かっちゃいるけど……。むしろさわやかな朝を楽しめってことなのかもしれないけれど、今朝も名古屋はどん曇り。

続かないことは向いてないってことなのかもしれない。今後のことはよく分からないけれど。紆余曲折ありながらもなんやかんやで続くことはきっと向いているんだろう。心がそちらを向いている。

数ヶ月楽しむだけなら、その場に合わせて都合のいいことを言えば十分だ。しかし、もしこれが今後数年に渡る話になるのだとすれば、自分の主張はしっかり示し、必要に応じて落としどころを見つけながら進めていくべきではないだろうか。

そして、それはやはり『土地の記憶』なのではないかと思う。『共通する土地の記憶』。

今日はもうひと眠りできて、いい時間に起きられた。やっぱり大切なのはツイートだった(笑)。というのは半分あるとしても(文字にすると安心するので)、ひんやり掛けふとんを普通のタオルケットにしたらよく眠れた(笑)。気だるい朝、おかえり。

とここまで朝にツイートしたけれど、最近は少し長めの文章を書きたい気分だ。

SNSは文章と写真の順番がバラバラで一緒にコピーできないところがストレスだったけれど、最近始めたnoteだと一緒にコピーしてWordにペーストできることに今さらながら気づいた。便利だ。気持ちがまとまらない時に少し長めの文章を書くことがあるが、気持ちを前進させるために書いているのであって、なるべく書いた時に出してしまいたい。

昨夜、アマゾンプライムで最近配信開始されて話題になっている『落下の解剖学』を観た。なかなかディプレッシブで自己否定的な要素のある映画だった……。法廷のシーンが多かったが、フランス、イギリス、ドイツといった土地の記憶と、書くことについて描かれていると感じた。

昨日はまた、2022年末から利用している多拠点生活サービスADDressが特集された『カンブリア宮殿』の先週分の放送がTVerで配信開始されて、視聴した。お会いしたことのある方や滞在した拠点もちらほらと出てきて、面白かった。紹介されていた小田原A邸にはちょうど昨年10月に滞在していて、懐かしかった。

村上龍さんの本は学生、ポスドク時代によく読んだ。大学の図書館に置いてあった。長編小説も何冊か読んだことがあるが、短編集は実験の合間に読むのに最適だった。『村上龍映画小説集』という短編集は、ポスドク時代に山梨大学医学部キャンパスの図書館で初めて読んだ。村上龍全集の中に収められていた。妻夫木聡さん主演で映画にもなった『69 sixty nine』が青年時代の陽を描いているとすれば、『村上龍映画小説集』は青年時代の陰というか苦みを描いていて、むしろ惹かれた。

その頃の自分はちょうど、20代から30代に変わるところだった。イギリスとドイツに留学を試みて現地へインタビューにも行ったが決まらず、東京に行くはずが山梨になった。山梨は春から秋にかけては野菜や果物がとても美味しく、自然の恵みを感じられたが、平野育ちの自分にとって標高300メートルの甲府盆地の冬は想像を絶した。雪はほとんど降らず、日中は晴れ間が多くて暖かいが、夜になるとツンとする寒さで、地面や車のガラスが凍った。大学の官舎が安かったのでそこに住んでいたが、いわゆる昭和時代の団地でお風呂が狭く、極寒で、冬はほとんど入れる気がしなかった。幸い温泉がコンビニくらいに周りにたくさんあったので、よく車を走らせていた。道は静かで暗かった。自分は愛知と大阪のどちらかというと郊外育ちで都心部ではなかったが、地方といえどもどちらも三大都市圏であることを山梨にいた時は強く感じた。また、自分は生活リズムがよく変調していたので、朝起きて走って書く村上春樹スタイルよりも、気が向いた時に書く、そして、誕生日が近く真冬の寒い時期に年を重ねる村上龍さんに親近感を感じていた。翌年と翌々年は、冬の寒さに懲りたことと山梨でのマウスを用いた神経生理学実験の進捗が思わしくなかったこと、大阪での双子を対象にしたfMRI実験が進み出したことなどが重なり、山梨と大阪、たまに愛知での多拠点生活を送った。その後、フィンランドに留学した。最初に留学を志してから4年が経過していたが、山梨で過ごした経験はフィンランドに留学しようと思えたひとつの大きな要因になっている。

映画や本は土地の記憶を蘇らせる。

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