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【#推薦図書】勉強ができない子は、なぜ本を読むようになったのか


みなさん、こんにちは。
今日はnoteのお題企画#推薦図書について漫画にしました。

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子どもの頃、どんな人間だったのか思い出してみると、たいして出来のいい子どもではなかったと思う。

みんなが正しいとすぐに受け入れられることも、なかなか受け入れられなかった。

科学的事実において、原因と結果の結びつきがあることは分かる。確かに、物を投げれば、下に落ちるだろう。これを重力と呼ぶ。この現象を「重力」と世界では呼ぶことは理解した。しかし、なぜ重力というものはこのように作用するのか?作用する仕組みが判明したとして、なぜそのような作用があると確信できたのか?だれがそのさまを確認できたのか。目で見ることができないものを、どうやって確信できるのか。

もし、その作用と機序が確実なものだと証明しえたとして、なぜ世界には重力があるのだろう。それは「自然に」発生したのか?「自然に」発生するとはどういうことか?なぜ、そういったものが「自然に」発生したのか?

または、なにかが確率論から推論されたとする。これは過去1万回このような仕組みで成功してきた。だから、XをすればYという結果が得られる。これは正しいことなのか。過去1万回はうまくいってきたけれど、今度の1万1回目は本当に成功するのか。

はたまた、人間などと言う不確かで主観に左右されるものがする判断に、どれだけの妥当性があるのだろうか。自分の判断というものは、そんなに信頼できるものなのか。

これだけのことをもやもや思っていたけれど、当時そこまで語彙力があるわけもなく、自分の頭の中にあるものを説明できなかった。客観的にはとろくて馬鹿な子どもだっただろう。

当時は扱いにくい子どもで済んだと思うが、今なら「発達障害」とか「自閉症」「LD」とか、何かあてはまりそうなカテゴリー探しに、周囲の大人は懸命になっていたかもしれない。もっとも、カテゴライズに一生懸命になるだけで、自分の疑問に答えてはくれないし、本当に何かの診断名がつくとしても、異常者としての扱いはなにも変わらなかったのだろう。

みんなが差し出す「ただしいこと」を、うまく食べることができなかった。

これを食べれば、まともになれると差し出してくれたものを。

まっとうな大人になるためのものを。

自分にはどうしても食べられなかった。

安易に食べてはいけない、と思っていたし、ここで屈することは何か自分に対してとんでもない嘘をつくことだと思っていた。

もっとも、最後まで抗い続けることはできず、そのうち「普通」をやるようにはなった。ただし、普通になったからと言うわけではない。普通になれなければ、とんでもない目に合うとわかっていたからだ。

世界への漠然とした不信、そういったものを救ってくれたのは、まちがいなく本だと思う。

ただしそれは、正しい知識を本から身につけたからではない。正しさとは何かを、一緒に問い、悩み、世界の不可思議と不確実性をともに受け入れられたとからだと思う。

正しさの問題ではなくとも、世界の誰ともつながれないと感じることはきっとあるだろう。

きっとそれらの苦しみは、過去の誰かも感じていたかもしれない。あなたの心に触れる言葉が、この地球上にあることを願う。

もし過去にはなかったら?

そのときはこう言おう。あなたが書けば良い、と。

なお、『科学の方法』(岩波新書 青版 313)  中谷 宇吉郎 は古典的名著なので、ぜひ興味を持った人は読んでみて欲しい。

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