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■二人の魔術師、マルティン・ハイデガー Vs ピーター・ティールが象徴する科学知❝差分❞の問題、i.e.<「科学モデル ⇔ 実在」間の余地 ( the margin)>なるアポリア! ∴ 吸血鬼?ピーター・ティールに対抗できる、真に挑戦的ハイデガーの実存への回帰が必然!

・・・【タイトル画像】[The Schwabentor (English Swabian Gate), also called Obertor in the Middle Ages, is the more recent of the two remaining city gates of the medieval defensive wall of Freiburg im Breisgau in Baden-Württemberg, Germany. In 2022…]は、Wikipediaより転載。

[Cover Image]

【関連記事】■大格差、温暖化、新コロナ、トランプ残像で煩悶する世界!が、今こそオミクスと不均衡動学(宇沢弘文/新自由主義の天敵)の『自由の知』、フィデューシャリーヘ果敢に挑戦する時!(2/6) https://note.com/toxandoria2/n/nea8fd36e81b0
・・・【画像出典】『レンブラント『ペルセポネー(クーラ)の略奪(abduction)』…Rembrandt「The Rape of Proserpine1631」oil on oak panel 84.8 cm× 79.7 cm . Gemäldegalerie der Staatlichen Museen zu Berlin /Persephone=Cura、http://urx.red/GFBR ・・・
<注>ハイデガーの特徴とも見るべき「アブダクション(abduction)」について  ・・・原義は略奪・拉致で、仮説形成とも訳される。米国の哲学者パース(C.S. Peirce/1839-1914/プラグマティズムの創始者)がアリストテレスの論理学をもとに仮説形成(abduction)を提唱し、帰納法、演繹法と並ぶ第三の推論法として新たな科学的・哲学的発見等に不可欠と主張した。ハイデガー哲学の原点は、喩えれば家業の影響をも受けた、その「職人気質」的とも言える緻密で連鎖的な、そして粘着的とさえ見える一種の帰納法的な思考方法にあるが、一方、何故にそれが、今度は、突然に現れるのか?とさえ見える、その非常に大胆で挑戦的な発想と視座の展開は、まさに此のような意味での「アブダクション(abduction)」的な大転換とも言えるだろう。因みに、ハイデガー流(ハイデガー“現象学”、orハイデガー“実存主義”)の此の大胆な転換思考(とは言え、必ず、其処には超ミクロな連関性の視座が伴う!と思われる)は、そもそもの恩師であるフッサール(@ウイーン大学/恩師フレンツ・ブレンターノの“志向性”に囚われ過ぎた?現象学)からの完全な脱皮ということもあるのではないか?とも考えられる。

・・・メスキルヒ Vs シリコンバレーの二人の魔術師、マルティン・ハイデガー et ピーター・ティールが象徴する科学知❝差分❞の問題、i.e.<「科学モデル ⇔ 実在」間の余地 ( the margin)>なるアポリア! ∴ 吸血鬼?ピーター・ティールに対抗できる、真に挑戦的ハイデガーの実存への回帰が必然!・・・

[Preface]

■二人の魔法使い、ハイデガー&ピーター・ティールが象徴する、科学知をめぐる「差延(the margin or différance)」の問題

・・・メスキルヒ(ハイデガーの生誕地)とシリコンバレーの二人の魔法使い、ハイデガー&ピーター・ティール(シリコンバレーにおけるペイパル・マフィアらの育成者)が象徴する「余地 or 差分・差延(the margin or différance)」なる、人類に課せられている「永遠のアポリア」への気づきこそが、先ず肝心!・・・

・・・次に、人類はこの「“科学モデル ⇔ 実在”間の余地(the margin)」なる永遠のアポリアへ実効的に対峙し得るようにするため、テクノリバタリアン(クリプトアナキズム一派)のドン(巨魁)、ピーター・ティールらが信奉する、<『AI科学テック知』の活用で永遠の命を持つ人間に変身することを希求するデリリウム(“せん妄”症/別称、超市場原理主義かぶれのクリプトアナキズム)>への真剣な対策に取り組むべきである。・・・

<注記>「the margin」についての補足説明
・・・換言して「the margin」を補足説明しておく。それは<『生成AI-DL/機械学習』において例えばゲーム等での「状態空間(State Space、https://avilen.co.jp/personal/knowledge-article/state_space_model/)」を極力“適切に制御する(そのAIができ得る限り空気が読めるようにする)”ため、高度な数学ツール、『高階関数』プログラム等を繰り出しつつ如何にリアル近似的な“状態空間モデル“を作るとしても、“モデル状態空間“と“リアル空間”との間には、永遠に、必ず、何某かの不一致部分が残り続ける、ということとほぼ同意である。

・・・それは、実におぞましいことだが、ピーター・ティールらテクノリバタリアン(黒魔術の魔法使いたち!?/苦w)、i.e.クリプトアナキズム一派が、今や世界一の“負け組”AIテック派である<JPN「デジタル小作人」>へ、一層、集中的に集(たか)ろうとする<AIテック吸血鬼>の残忍な本性が露骨化しつつある?と見えるからだ。真にアブダクション挑戦的なハイデガー流“実存”(実存主義)への回帰が必須となる所以である!・・・

・・・因みに、日本のAIテック産業が「デジタル小作人」化しつつあるという残念な事実は、例えば、実に周到な一連の戦略に基づき世界半導体戦争の勝者となったとされる「EU支援下のAMSL社に対して、今や、遥かに劣後する/↓◆」という現実との比較でも明らかなことである。・・・

◆ASML社には「世界に先駆ける先端技術の実現を謀り持続させる」という、実に明快な現実主義(※同時に“AI科学テックの本性、i.e.差延マターも見据えつつ”の!)、i.e. (それ※↑にも拘わらず)EUが“世界半導体の覇権”を独占するとの強固な意思)が存在するhttps://note.com/toxandoria2/n/nd729ef727fcf

・・・今や世界一の“負け組”AIテック派である<JPN「デジタル小作人」と呼ばれるまで劣後してしまった「日本のAI産業の現況分析と対策」ついて分析し、具体的対策を提示するのが当記事の主旨ではないので、一つだけ指摘しておきたいことがある。それは、よく「日本にはイノベーション文化が欠如している」と、一部の内外の識者らから指摘される点である。・・・

・・・その真の意味は、イノベーションには①日々の経営と経済価値に直結する経済価値をもたらすイノベーション、②人間としての潜性イノベーション(唯の人々が遍く対等(平等)に、生来持つと考えられる多様なイノベーション能力)、の二つがあることについての理解が、決定的に、日本では欠けているということだ。端的に言えば、殆どの日本人は、②の意味の重要性を殆ど正しく理解していないということだ。即ち、それは多くの日本人には、シュンペーターの「イノベーション」について根本的な誤解があるということである(Cf.◆)。・・・

◆現在もブレーク・スルーのヒントを与える、シュンペーターの『静態』と『動態』、https://note.com/toxandoria2/n/n6d0b2a29af2c

(関連)
◆【本書はヒトの能力がもっぱらビジネスの商材となっているということを記している ←深く共鳴!】i.e. そもそも人間に備わる「広範な潜性イノベーション能力」(遍く唯の人々が、生来、対等(平等)に持つと理解される多様なイノベーション能力)への覚醒(気付き)の共有こそが先決、かつ肝要である!
https://x.com/striatumxname/status/1829600754757448144

・・・勅使川原 真衣【著】「能力」の生きづらさをほぐす(どく社)https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784910534022

[第1章]

■白魔術の魔法使い?とさえ見紛(みまご)うハイデガー「現象学的“実存主義“」の現代的意義

ハイデガーの“実存”( or 現象学的“実存主義“)について・・・ここでは一先ず「自分自身の意思で、自分は何者であるか(本質と存在理由)を詳細に問いつつ遍く存在する唯の生命一般への深い思いやり(Ex.ハイデガーの“ゾルゲ(Sorge)”/Cf. ↓◆)、かつ自らの自由な選択の責任を必ず引き受けるという意味で主体的に今(リアル目前)の生命時間を生き抜こうとする、[真正性](i.e. ベルナール・スティグレールのオルトテーズ的な信憑/↓★)への気遣い(Sorge)に満ちた『自由の知』、i.e.“生命論的な『意識と実在』をマクロ・ミクロの両観点から最大限に重視する「現代哲学上の立場」と理解しておく。

◆時には「魔術師(白呪術の魔法使い?/苦w)」的とさえ見なされるマルティン・ハイデガー、”独フライブルグ(Freiburg im Breisgau)に近い片田舎メスキルヒ生まれ(教会管理人兼樽職人の子として誕生/凡そのメスキルヒのイメージは“タイトル画像”を参照乞う!)“の大哲学者・ハイデガーの“現象学的”実存主義は、一般に外見・相貌・位置および触感的な形状などの変化での時間”知覚”を尊重するので“柔軟かつ繊細なエイドス”(形相)、i.e.いわば“視覚と触覚”重視の哲学とも言えるだろう(https://note.com/toxandoria2/n/nea8fd36e81b0 )。

【出典:wikipedia】「存在と時間」は、マルティン・ハイデッガーが1927年に発表した最高傑作であり、「実存主義」の重要な文献である。『存在と時間』は20世紀哲学の最も影響力のあるテキストの一つであり、その後の哲学、文学理論、その他多くの分野に顕著な影響を与えた。物議を醸したが、知的歴史におけるその地位はカントやヘーゲルの著作と比較されてきた。この本は、現存在(Dasein)、つまり「世界内存在」の分析を通じて存在論を復活させようとしている。また、多数の新語と複雑な言語、そして個人のユニークで有限な可能性を把握し、それに立ち向かう手段としての「真正性」(オルトテーズ)の広範な扱いでも知られているhttps://en.wikipedia.org/wiki/Being_and_Time
【出典:Copyright Internet Encyclopedia of Philosophy and its Authors | ISSN 2161-0002】マルティン・ハイデッガー(1889-1976)/ハイデガーの主な関心は存在論、つまり存在の研究だった。彼はその基本論文『存在と時間』で、時間的・歴史的性格に関する人間存在(現存在)の現象学的分析によって存在(存在)に近づこうとした思考の転換(「転回」)後、ハイデガーは存在の問題を解明する手段として言語に重点を置いた。彼は歴史的テキスト、特に前ソクラテス派のテキストの解釈に目を向けたが、カント、ヘーゲル、ニーチェ、ヘルダーリンのテキストも対象とし、詩、建築、技術、その他の主題(もっとも恵まれない人々の立場など/toxandoria、補記)にも目を向けた。存在の意味を完全に解明しようとする代わりに、彼はもはや「形而上学的」ではない思考を追求しようとした。彼は西洋哲学の伝統をニヒリズム的だと批判した。なぜなら、彼の主張によれば、存在の問題そのもの(理由の空間でのリアルDasein)が西洋哲学の中では,17世紀以降の圧倒的な科学還元主義により圧倒されつつ消滅しているからである。彼はまた、現代の技術文化のニヒリズムを強調した。彼は、西洋思想の始まりであるソクラテス以前の時代に立ち戻ることで、初期ギリシャの存在の経験を再現し、西洋がニヒリズムの行き詰まりから脱却して新たな出発をしようとした。彼の著作は難解なことで有名である。『存在と時間』は彼の最も影響力のある著作である。https://iep.utm.edu/heidegge/

・・・因みに、ベルナール・スティグレールは、プラトンに触発されデリダが見いだした、その太陽の光の「影」(日が射さない黒い部分)に隠された「陰」の正体(その陰の信憑を保証する真の姿と声)を「正定立(=ハイデガーの真正性/オルトテーズ)」と名付けたが、そもそも、それはハイデガーの用語であり、ハイデガーの場合、それは「正確で、正しい記録」という意味であった、とされている(出典:『第4章ー記号接地文化と、新しいコモンの培地を繋ぐベルナール・スティグレールのオルトテーズ』/谷島貫太氏[現在:二松学舎大学 文学部都市文化デザイン学科 准教授(技術哲学)/同氏『東京大学大学院情報学環紀要 情報学研究』 (第84号))。

・・・従って、一般的に「ハイデガーの現存在(Dasein)は、形相イメージ的なものではなく、存在の本質や意味を探求する純粋に抽象的な概念として理解できる」とされていることについても違和感を覚えることになるのだが、どうだろうか(つまり、その思考『転換(転回)』後のハイデガーでは当然のことと思われるのだが…)?

・・・それは、ハイデガーの実存主義の意味するところが、矢張り、サルトル・ボーボワールらとほぼ同様に“自らの自由な選択の責任を必ず引き受けるという意味で主体的に今(リアル目前)の生命時間を生き抜こうとする”ことに行き着いていた、という新たな解釈との絡みでもということである(Cf.↓▲、▼)・・・

<注記>『デジタル画像とアナログ画像の差異』が一例となる<オルトティティック>とは、まさに[科学・科学技術知とリアル日常(自然・社会)の乖離]、i.e.「the margin」を意味することにもなる!・・・ベルナール・スティグレールの、オルトテーズ(orthothèse)から派生したオルトティティック(orthothetic/オルトティティック技術)とはズバリ言えば、只の過去の記憶と思い違いしがちな「過誤記憶」の対語たる、過去の時代の実存環境に見合う生きた「信憑記憶」のことになる。詳細に記述すれば「AI技術知(記号知)とヒトの現象的認知能力の限界(身体知との乖離?)が視野に入る、オルトテーズ(orthothes)から派生したスティグレールの、生身のヒトの記憶を保証するための用語」ということになる。https://note.com/toxandoria2/n/nd729ef727fcf

▼サラ・ベイクウエル著、向井和美訳『実存主義者のカフェにて―自由と存在とアプリコットカクテルを-』(紀伊国屋書店)、←非常に読み易い良書(良著・良訳)である!! https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784314012041

▲一視望観の『光の閾値』、≪光~X線≫ナノメートル特異点は「唯の生」(散逸構造)に必須の自由エネルギー&オルトテーズのトポス/「唯の生」が協有し、et. そのステージ上で協働する“文化とコモン”は「デジタル戦争」の天敵 https://note.com/toxandoria2/n/nd729ef727fcf

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★【ハイデガー現存在Daseinの「真正性」(オルトテーズ)が連想されるエピソード】…写真(アナログ写真)の正確さは銀ハロゲン化合物の感光性と いう技術的事実が可能とした、対象と記録との 指標的な連続性(i.e.“Daseinとの連続な記録性!?/追記、toxandoria)に基づいている。…スティグレールが依拠するロラン・バルトは、そこに生まれる信憑であるそれは-あったça-a-été」こそ写真のノ エマ(いま生きている意識の対象)であるとした。… 谷島貫太氏・二松学舎大学・文学部都市文化デザイン学科 准教授・ https://www.iii.u-tokyo.ac.jp/manage/wp-content/uploads/2016/03/84_6.pdf

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◆差分(さぶん)とは何か?・・・一般的な文脈での「差分」は、二つの同じ種類のものの間にある性質の違い、i.e.両者の差異を意味する。一方、数学的な文脈での「差分」は、関数や数列における複数の同質パラメータ値の差を指す。例えば「ある関数上の同質パラメータa1、a2の間での差が差分」ということになる。いずれにせよ、二つの対象を比較するときには、差分なる余地(the margin)があるからこそ、その二つの狭間(両者間)には差異が生まれることになる。

◆差延(さえん)とは何か?・・・フランスの哲学者ジャック・デリダの造語(différenceの一語を変えdifféranceとしたもの)で、それは「遅れ、延期、ズレ」のことであり、différanceには『…遍く、存在やコトバの意味は常に他者との関係性においてのみ成り立つ!』との含意があるとされるが、当然、その元義はdifférence(差異)である。従って、当記事においても、その主要テーマである「the margin」にほぼ重なると理解できるので、このdifférance は『リアル物象 Vs 科学モデル』の両者間に存在する<“両者の差異”をもたらす差分・余地>と同等の意味がある用語と見なした。(差延の用語は、ジャック・デリダの“邦訳”時における、哲学者・高橋允昭氏らによる翻訳のための造語である)

(参考情報)

『デジタル画像とアナログ画像の差異』が一例となる<オルトティティック>とは、まさに[科学・科学技術知とリアル日常(自然・社会)の乖離]、i.e.「the margin」を意味することにもなる!・・・ベルナール・スティグレールの、オルトテーズ(orthothèse)から派生したオルトティティック(orthothetic/オルトティティック技術)とはズバリ言えば、過誤記憶の対語たる、時代環境に見合う生きた「信憑記憶」のことになる。詳細に記述すれば「AI技術知とヒトの現象的認知能力の限界(身体知との乖離?)が視野に入る、オルトテーズ(orthothes)から派生したスティグレールの、生身のヒトの記憶を保証するための用語」ということになる。https://note.com/toxandoria2/n/nd729ef727fcf

[第2章]

■黒魔術の魔法使いか?果ては真性「吸血鬼」or AIテック・ドラキュラ、AI-Delirium(AI原発性せん妄)では?との噂が絶えぬピーター・ティール


チャフキン,マックス著、永峯 涼訳『無能より邪悪であれ―ピーター・ティール シリコンバレーをつくった男』楓書店 https://www.hanmoto.com/bd/isbn/978480148013


【参考/ピーター・ティールについて(Peter Andreas Thiel – Genealogy、https://www.geni.com/people/Peter-Thiel/6000000041148213522https://en.wikipedia.org/wiki/Peter_Thiel 】 ・・・ピーター・アンドレアス・ティール(1967.10.11~)は、アメリカの起業家、ベンチャーキャピタリスト、ヘッジファンドマネージャー、社会評論家である。ティールはマックス・レブチン、イーロン・マスク(PayPal Mafiaを参照)とともにPayPalを共同設立し、CEOを務めた。また、Palantirの共同設立者でもあり、現在は同社の会長を務めている。また、人気のソーシャルネットワーキングサイトであるFacebookの初の外部投資家であり、2004年に50万ドルで10.2%の株式を取得し、同社の取締役会に所属している。 ・・・ティールは、運用資産7億ドルのグローバルマクロヘッジファンドであるクラリウムキャピタルの社長、運用資産20億ドルのベンチャーキャピタルファンドであるファウンダーズファンドのマネージングパートナー、ミスリルキャピタルマネジメントの共同創設者兼投資委員会委員長、ヴァラーベンチャーズの共同創設者兼会長をも務めている。

・・・以下は、[ピーター・ティールが、真性の「吸血鬼、ことAIテック・ドラキュラ“変身”願望のデリリウム(Delirium/せん妄)」ではないか?」との噂が絶えぬ理由]について、上掲書『無能より邪悪であれ―ピーター・ティール シリコンバレーをつくった男』楓書店、他から取りまとめたもの。・・・

スタンフォード・ロー・スクール(SLS/カリフォルニア州パロアルト市にあるスタンフォード大学のロー・スクール)で法務博士の学位を取得したピーター・ティールは、ペイパルマフィア(オンライン決済サービス、PayPalの元出身者たちを指す)のドンとも呼ばれ、米国大統領を陰で操るフィクサーの異名を持ち、ドナルド・トランプの元政策顧問でもあり、かつ過激なリバタリアンの自由原理至上主義者である。

又、特に注目すべきことは「ピーター・ティールとイーロン・マスクの関係」であろう。ティールとイーロン・マスクの両者は、PayPalの創業を通じて深い関係を築いてきた。つまり、ティールがマックス・レヴチンらと共同創業したConfinityと、マスクが設立したX.comが2000年に合併し、PayPalが誕生している。

ティールはマスクの宇宙事業SpaceXに初期投資を行い、その成功を支援したが、二人の関係は協力と激烈な競争の両面を持っており、時には対立もある。しかし、お互いに利益が得られるとみれば影響を与え合うという複雑な関係でもある。

おそらく、この両者には似た側面があり、それは到底ノーマルな感覚では捉えきれぬ「万事、逆張り発想のディールだ!」ということである。トランプ元大統領とウマ(馬)が合うのも納得できる。ただ、内心でティールはトランプを軽蔑している(らしい?)ので、この両者の関係も『世間離れの荒唐なディール/逆張りで高踏な騙し合いのディール』なのであろうか?(w)

ともかくも、ミルトン・フリードマン(市場原理主義の大教祖の筆頭)の信奉者でもあるピーター・ティールは、シリコンバレーにおけるスタートアップ創業では偉大な数々の実績を作ってきた。しかし、その人間としての生き方(プロフィール)には、遥かに常人を超えた、実に異様な「科学知に関わる誤解に因る、AI-シンギュラリティ妄想/ 恐らく、デリリウム(delirium)のジャンル」の空気が付き纏っている。

<注記>ピーター・ティール、イーロン・マスクらが信奉する、「ミルトン・フリードマンの市場原理主義の誤謬」の根本とは?

・・・① a[ 真空中における重力加速度(定数g)の法則(重力理論)]と b[経済市場というリアル空間(抽象的”原因の空間”ならぬ生きる人々が住まう“理由の空間”)における『恒常所得仮説理論』(フリードマン自身が、 aを援用しつつ提唱した理論↓*)]について、かつて経済学者・宇沢弘文(『不均衡動学理論』の提唱者)は、フリードマン自身がそれらaとbは全く矛盾しないことを前提にした上で、かの「自由市場原理主義」(ハイエクのカタラクシーに相当する)を声高に主張した(そして、それは今でも資本主義経済に大きな悪影響を与え続けている)が、ミルトン・フリードマンは、その根底において全く誤っていると厳しく指摘してきた。

*「恒常所得仮説理論」は、同じくミルトン・フリードマンが提唱した消費行動に関する理論(仮説)であり(フリードマンのノーベル賞受賞に繋がっている、https://www.shunan-u.ac.jp/_file/ja/article/5244/fileda/2/)、人々が消費水準を決定する際に、長期的に安定して得られると予測される平均的な所得(恒常所得)に依存するというもの。つまり、この仮説は、消費者が短期的な所得の変動に対して過度に反応しないことを示している。https://www.ier.hit-u.ac.jp/~nabe/lecture_consumption_6.pdf

・・・②それは、[異事象の単純同一視(a抽象科学知 Vs bリアル実在、なる異なった事象の混同/i.e.“the margin”問題の無視、or無知!?)、実証的なa、b両比較の困難性]、つまり人間の行動や諸政策の影響などを受ける、リアル市場でのヒトの経済行動を、固定的・抽象的な物理仮説理論で論じたミルトン・フリードマンの根本的な誤りを客観的に厳しく指摘したものである。たとえば、そもそも、その物理的な重力加速度でさえも、実際のリアル自然空間(in vivo)においては、主に気圧・風力らの影響を受けるため、機密性が高い実験環境(in vitro)の場合とは異なる振る舞いとなるのは言うまでもないからである。

その典型的な具体例は、[ピーター・ティールが自ら「永遠の命」を求めている(i.e.ティールの正体は吸血鬼らしい?/苦w)ということである。そして、そのことの証拠とされるのがピーター・ティールが「パラバイオーシス(parabiosis)」の名で知られる実験生物学の新分野のあるテーマ、【不老不死】に対する異様なほどの関心ということである(Cf.↓★)。

Dr. Peter B Allen – Lab Blog https://peterallenlab.com/2023/05/19/vampire-longevity-parabiosis/

このことの詳しい説明に代えて、上掲書『無能より邪悪であれ―ピーター・ティール シリコンバレーをつくった男』(楓書店)のエピローグより、一部分を以下に引用転載しておく。

・・・前、省略・・・この用語(parabiosis/Cf.↓★)とは、2つの体を手術で結合して循環器系器官を共有させ、事実上の「人工結合人間(双生児)」をつくることを意味する。1970年代には<高齢のラット>と<若いラット>を結合させるというおぞましい実験が行われ、科学者やアンチエイジングマニアは、これが老化プロセスを止め(不老)、あるいは死そのものをなくすこと(不死)の鍵になるかもしれないと推測した。少なくとも、parabiosisの信奉者たちにとって、それは「若返りと不死」の泉への入り口だった。・・・

★Modern Vampirism: “Young Blood” Transfusions・・・Blood from young mice has rejuvenating effects on old mice, but it’s too early to translate these results into treatments for humans. Peter Attia https://peterattiamd.com/young-blood-transfusions/

https://peterattiamd.com/young-blood-transfusions/

・・・2016年には、マウスを対象とした研究によって、この試みを人間にも適用できるのではないかとの関心が高まった。つまり、<高齢者に元気な若者の血液を輸血する>ことにより、高齢者の若返りが期待されたのである。言い換えれば、あきらかに、これは一種の「吸血行為」である。・・・

・・・「私は、パラバイオーシスについて調べているところです。非常に興味深い分野の研究だと思っています。」と、同年に公開されたインタビューで述べている。そして、「元気な若者の血液を注入することを自身の健康法として検討したが、まだ実行はしていない」と語った。・・・

・・・パラバイオーシスに対するティールの関心は、とんでもない憶測を呼んだ。・・・途中、省略・・・2018年後半、パンデミック前の米国主要メディアとの最後のインタビューとなった、ニューヨーク・タイムズが主催する毎年恒例の「DealBookサミットの会議」においてティールは、このテーマに言及している。会議の主催者である金融コラムニストのアンドリュー・ロス・ソーキンは、一般的な寿命延長の研究について彼に質問した。しかし質問を中断し、噂話の件を持ち出した。「ちなみに。コレは本当なのですか?それとも違うんですか?」、と…・・・

・・・ティールはニヤリと笑い、手を振ってみせた。「何と答えるべきかすら、よくわかんないよ」と答えた。「この場を借りて公に言いたいのは、私は吸血鬼ではないということだ」…だが、2016年のマウスの研究は、確かにティールに関係していた。その研究に資金を提供していた「SENS」は、オーブリー・デグレイ(Cf.↓▼)がティールの支援を得て設立した非営利団体だったからだ。・・・途中、省略・・・

▼Aubrey de Grey: scientist who says humans can live for 1,000 years English/ gerontologist, who lives in a ramshackle home in California, believes the key to delaying the ageing process is ‘within sight’ Hugo Cox/February 8 2017 Financial-Times.https://www.ft.com/content/238cc916-e935-11e6-967b-c88452263daf

・・・ティールは、「SENS」の仕事は彼の最も重要なレガシーの一部であり、宗教的信仰心の中の表現は心にあるものだ、と述べている。「私が“何よりも強く信じているキリスト教の見解”として(←このキリスト教の見解”としてが本当は何を意味するのかが大問題ではないか?)、もしティールが信じているキリスト教の見解に従って絶対的な悪である死を完全に排除し撲滅する研究へ「SENS」が取り組むことへの評価で資金の支援を行っている!❞ということならば、それは<キリスト教吸血鬼派/キリスト教原理主義派からの突然変異 or 倒錯的な眷属?/Cf.↓♨>の特異な観念による研究への資金上の支援であり、到底、それが『中立・客観的な科学知』探求の一環である、とは言えなくなるからだ!/toxandoria補記」と、2015年に神学者N.T.ライトに語っている「死は悪であり、間違いであり、われわれは、死を受け入れるべきではないという考え方がある。可能な限り、あらゆる手段を使って死と闘わなければならないと考えています。」と。【← まさにコレは、ティール自らが『吸血鬼』である、ということについての、ティール自身による、偽らざる、❝実に不気味な『白状(自白)』❞ではないのだろうか?!/これが事実であるなら、笑いごとではないのだが、w!/toxandoriaの所感]】・・・以下、省略・・・

♨ 結局、今回の米大統領選で死命を制するのは黒人票のキリスト教原理主義派(ガザ侵攻の原動力“イスラエル極右”と共鳴し、かつ同じ黒人内での異端たるアンチ原理派を差別する倒錯宗教原理主義派)の動向か? ⇒(米大統領選2024 混迷 …)揺れる激戦州、黒人票の行方は 進む民主離れ 20241022朝日、https://x.com/striatumxname/status/1848531979148710082

https://x.com/striatumxname/status/1848531979148710082

(ピーター・ティールが支援しているSENS(Strategies for Engineered Negligible Senescence)研究財団の主な研究分野と関連する諸問題について)

ティールが支援しているSENS(Strategies for Engineered Negligible Senescence)研究財団は、「老化と死を治療可能な病気」として捉え、その根本的な原因を解決することを目指しており、具体的には、主に、以下のような研究分野に焦点を当てている。

①細胞老化による損傷の修復と老化細胞の除去
・・・老化で蓄積する細胞の損傷を修復する技術の開発。および、老化した細胞や不要な細胞を体内から除去し、新しい細胞と交換する方法の開発。

②異常タンパク質の蓄積防止:認知症などの原因となる異常タンパク質の蓄積を防ぐ技術の研究。

③ミトコンドリアに関わる基礎研究:ミトコンドリアの機能低下を防ぐための治療法の研究など。

これらの中で、②「異常タンパク質の蓄積防止」については認知症の本格的な予防の実現などで現実的な意味があり、③「ミトコンドリアの基礎研究」は、おそらく生命現象そのものと、必然的に真正面から格闘せざるを得ないという側面があるので、なかなか目先で「創薬」等でのビジネス利益に直結することになるとは考えられない。

しかし、①の「細胞老化による損傷の修復と老化細胞の除去」が、いわゆる「売血」や「臓器売買」、そして「極貧層や子どもと若年層がターゲットの供-吸血奴隷化が目的の人身取引と誘拐」などにも関わるリスクが益々高まるという意味で、最も<吸血鬼デリリウム経済/超悪徳“市場原理主義”>の餌食となりかねぬ!という危うさが漂っている。ピーター・ティールの正体が、くだんの逆張り「吸血鬼」ではないのか?という議論や、実におぞましくも不可解で不気味な噂がティール周辺で絶えぬのは、この①の問題に直結するからだと思われる。

因みに、目下、SENS設立時の立役者であるオーブリー・デグレイ(博士)自身が何らかの異常スキャンダルに巻き込まれている?との情報もあるようだが(↓★)、案外、このようなことも、ピーター・ティールとSENSをめぐる、新たな「吸血鬼伝説の誕生」に大きな影響を与えつつあることだと考えられる。

★Aubrey de Grey on Leave After Sexual Harassment Allegations、Aug 11, 2021 Jef Akst TheScientist …オーブリー・デグレイ博士は、2021年に財団の内部調査により、性的嫌がらせの疑いで一時的に解任されまていたが、その後の再調査の結果、彼の行動が財団の倫理規定に反すると判断され、正式に解任されている…

https://www.the-scientist.com/aubrey-de-grey-on-leave-after-sexual-harassment-allegations-69081

(関連資料)

◆「キリスト教?某派❝信仰❞」の一環として? デリリウム症?のピーター・ティールが、SENS財団の<“不老不死&『絶対的人間生命』実現”の研究>へ「資金」提供をしている? これは、恰も❝吸血鬼Delirium研究❞財団への援助では?)・・・『SENS』とは、<老化を治療可能な病気として捉え、その根本的な原因を完全に?解決する老化の終焉、人間の再生、不死、根本的な寿命延長、etcの問題を解決することを目指す研究財団である。

・・・『SENS』(Strategies for Engineered Negligible Senescence)関連の代表的なURLは下のとおり。・・・

https://www.senescence.info/sens.html  https://www.lifeextension.com/magazine/2014/6/the-2013-sens-foundation-conference  
https://www.globenewswire.com/en/news-release/2022/11/18/2559401/0/en/HISTORIC-FUNDRAISING-NFT-DIGITAL-BIO-ART-CAMPAIGN.html

(ピーター・ティールとオーブリー・デグレイが関わる『SENS』に、“吸血鬼” デリリウム医学研究機関の疑惑が付きまとう理由)
 

「リアル自然現象の境界(一定の閾値の領域カオスの縁シモンドンの『個体論』、i.e.最広義の“関係性の実在論”の意味での)ではある種の量子物理的な均衡状態が観察されるが、それはユク・ホイが言うところの“再帰性と偶然性”に因る一回性」を意味する」というような観察(観測)事例を列記すると、その数には枚挙の暇がなくなるだろう、ということが理解されつつある(具体例を含め、参照↓ https://note.com/toxandoria2/n/nd729ef727fcf)。

そして、おそらく、このことも既述の「科学知における『the margin』“科学・数学モデル⇔リアル実在”の間に残るアポリア問題」の“一つの原因”ではないかと考えられる。

ところで、ミクロとマクロのレベルでの現象を結びつける理論や、量子力学と一般相対性理論のように異なる物理理論間の関係を示す場合には、事実上、「双対(duality)」という比較的新しい物理数学上の概念が用いられている
 

一方で、例えば「a原因の空間」(数学、物理・化学的な空間)の解が、必ずしも「b理由の空間」(リアル日常空間)での解になるとは限らないということもあり、その逆もあり得ることになる。結局、ここで大切なのは、リアル日常のbに係わる判断では、事実上、常に、aと全く別ジャンルの現象的認知での理解が必要になると、いうことである

大雑把に言えば、それはリアル日常における唯の人々のために有意であるのは専ら「b理由の空間」における“責任の在処”の問題、i.e. 倫理 or 経済らに係わることであるからだ。又、これについて、逆に言えば、bの理由の空間では科学知だけでの万事解決は困難難なので“絶えず、もっとも恵まれない人々の立場“などへ最も十分に目を配るべきだ!ということである

つまり、「個体生命」(おそらく量子的物理世界と同じく一回性を前提とする生の『散逸構造』)の持続のため最も有意であるのは、専ら「b理由の空間」における“責任の在処の問題、i.e. 倫理 or 経済(市場原理主義ならぬコモンの経済)等に係わることであることになる
 
しかし、一方で「a原因の空間」における数学・物理・科学的な原理(信憑性)が基盤である「AI-DLテック技術」、即ち、特に『SENS』の如き、過激リバタリアン発想のサイド(立場その殆どが実は黒魔術的エセ科学)にとっては、そもそも「b(リアル日常)に係わる公正な倫理判断」など“知ったことではない”のが正直なところなのだ
 
 つまり、以上の如く「先端科学知に関わる中立的視点」から俯瞰すると、創設期いらいピーター・ティール、オーブリー・デグレイらが深く関わってきた『SENS』(Strategies for Engineered Negligible Senescence)の正体が、実は、「中立的・倫理的な観点に立つ“真の科学知”たる医学研究」などではなく、「“吸血鬼”のデリリウム的発想で市場原理主義へ過剰傾斜した医学研究機関」だったのではとの疑いが深まることになる訳だ

(参考資料)

投資家・科学者・医師らはP.ティールと同じ❝吸血鬼❞願望?w】当分野の科学者、医師、投資家にインタビューすると、なんと200歳まで生きるという希望の人も更に一部の人は可能なら永遠に生きたいと願う! → 人は何歳まで生きられるか寿命の限界を探る人類の試み20240829MIT.Rev https://x.com/striatumxname/status/1828956791063097546

・・・

(参考情報/ベルギービール『デリリウム』)

【画像ベルギー・ビール「Delirium-Tremens」/https://www.brouwerijhuyghe.be/en/beers/delirium
ベルギー・ビールの歴史:
  ベルギー・ビールの歴史は非常に古く、中世の修道院にその起源を持つ。修道士たちは自給自足の生活を送る中で、ビールを醸造し始めた。ビールは栄養価が高く、断食期間中の重要な飲み物とされていたし、また、当時の水は清潔ではなかったため、ビールは安全な飲み物としても重宝され、薬用としても使われていた。 ベルギー・ビールの発酵方法には上面発酵、下面発酵、自然発酵、複合発酵があり、これが数多くの多様なビールの種類(約1200種以上ある?)を生み出している。特に有名なトラピストビール(修道院ビール)は、現在、ベルギー国内の6つの修道院で醸造されているものである。 Delirium Tremens社:ベルギーのメレにあるヒューグ醸造所(Huyghe Brewery)が1989年に初めて醸造したビールブランド。このビールは、2種類のホップと3種類の酵母を使用し、上面発酵で醸造されている。アルコール度数は9.0%で、金色の透明な液色が特徴となっている。 Delirium Tremensの瓶や専用グラスにはピンクの象が描かれており、これはアルコールによる幻覚(or 深い酩酊による、せん妄の状態?錯乱状態?/苦w)を象徴している。このビールは、1998年にアメリカのシカゴで開催されたワールド・ビア・チャンピオンシップで「Best Beer in the World」を受賞するなど、多くの賞を受けた名品である。

[第3章]

■小保方STAP細胞事件の現実的な教訓/真の科学知の意味とは? i.e.実証分析とリアル空間の狭間に尚残る未知(the margin)の問題

2014年1月25の理化学研究所発生・再生科学総合センターでの記者会での発表に端を発した、いわゆる「小保方STAP細胞事件」のその後を顧みると、未だに、そのSTAP細胞の存在について、科学的に検証されたとする報告が公に発表されたという情報は、現時点では一切存在しないようだ。

ところで、今に至るまで何故に「STAP細胞は存在しない」と公式(全世界的)に認められているのか?ということについて、その理由を列挙すると次のようになる。
 
論文が撤回されている
・・・ 当初発表された論文は、データの捏造や改ざんが認められ、著者自身を含む多くの研究者によって撤回された。

再現性が欠如している
・・・ 世界中の研究者が、その後も、同じ実験条件下でSTAP細胞の作成を試みたが、誰も再現することができていない。

細胞の誤認
・・・当記者会見で、 STAP細胞として報告されていたものが、実はES細胞などの別の種類の細胞であったことも明らかになっている。
 
ただし、ここで、「小保方 STAP細胞」の研究が、何故、これほどまで惨憺たる結果となったのか?ということから学ぶべき教訓(現実的、あるいは実存主義的な教訓とさえ見るべきか?)として、以下の点(●)を理解しておく必要があると思われる。
 
●科学における「事実」とは何か?ということが、漸く、日本社会でも広く一般的に、かつリアルに衆知されることになった

それは皮肉なことなのだが、「小保方STAP細胞事件」が起こるまでは[科学における「事実」とは何か?ということ自体が一般社会では殆ど知られていなかった]という日本の恥ずべき現実を、「結局、STAP細胞はあるのか?ないのか?一体どっちだ!?」という記者席からの矢継ぎ早の厳しい質問の嵐が、実に見事に実証してしまったからだ。

つまり、科学は常に進歩するものなので、 「科学知」(科学における『事実』)は、新たな発見や観察・検証または技術開発などに因って、絶えず常在的に変化する(i.e.更なる未知と言う制限が寸分も存在しない科学論文は存在しない)ということが実感されていなかったのである。だから、将来的に、STAP細胞に似た現象が発見される可能性も全くゼロではないことになる。

より具体的にいえば、捏造データに基づきSTAP細胞を発見したという論文は、結局、撤回されることとなったが、だからといって「STAP細胞、より厳密にいえば、STAP細胞に相当する現象が絶対に存在しないこと」にはならない、ということである。

真逆にいえば、仮にその小保方 STAP細胞が捏造ではなく正当なものであったとしても、それだけでは、矢張り、STAP細胞が存在するということにはならない。他の研究者らによる何回もの追検証等の厳しい条件と手続をへて、それ(その科学知の『事実』)は公式に存在することが漸く認められたことになるだけのことなのである。

しかし、そうではあっても、更にその将来の再実験や検証で、根底からその存在(や有意性)が全て否定されることも起こり得るのである。ともかくも、このような事実認定の繰り返しで、所謂、定説としての「科学における『事実』」が公認されることになる。

更に、ここで注意すべきことがある。それは、先ず<a:[仮説→検証]の全過程への取り組みが日常空間の中で“比較的”容易である場合の『科学知』>と、<b:アインシュタインの相対性理論や、テンソル、フーリエ解析、AIテック(深層学習DL、ベイズ推計etc.)」等のような<抽象的な数学モデルだけで構成される理論的『科学知』」>との間では、必ず「科学的な正しさの重み」の違いが生ずる、ということである(参照情報源:佐倉 統著『科学とはなにか‐新しい科学論、いま必要な三つの視点』-講談社ブルーバックス-、
https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000348474)。

それは、つまり「これら両者を単純に同一視するのは基本的な誤り」ということであるからだ。そして、両者の間において、このような差異が生まれる背景には、例えば、下のように様々なバイアスが存在することが知られている。

●STAP細胞論文の捏造のような意図的捏造とは異なる、研究者の無意識のバイアス

●結果が出たあとに仮説(本当は危うかった)を都合が良いように解釈してしまう、後知恵のバイアス

●統計的有意差「p値」を絶対的に偏重するバイアス・・・p値は、統計学の仮説検定で、例えば、サイコロ振りで“ある目が出る確率”の如く、結果の差が全くの偶然で生じる確率を指す。一般的に、p値が5%(0.05)以下であれば、その仮説は有意と見なすこととされているが…

●出版バイアス・・・一定の権威のある出版社等で出版された論文であるか否かが、その研究結果の科学的な評価へ影響を与えてしまうようなケース。

●地動説型の日常バイアス・・・科学的・歴史的には否定された地動説が、今でも、我われの日常生活では、天動説との間で都合よく使い分けられているような意味でのバイアス。

加えて、「小保方STAP細胞事件」が代表するような[科学における『事実』]そのものの有無を問う問題であることと、標題にも掲げつつ、これまで当記事の文脈中でも、再三、触れてきた[the margin](『科学モデル ⇔ 実在』間における『余地』なるアポリア)]の問題も、単純に混同されてはならない!ということがある。

より正確に言えば、[「科学における(科学的に検証された)『事実(真実)』」とは、たとえそれが一定の学説(定説)として公に固定されたものだとしても、いずれにせよ、これからの何処かの時点で、それが反証される機会を完全に排除することは不可能である]ということになる。

しかし、上で見てきたとおり、その「科学的事実(真理)」の実証プロセス」が比較的容易と思われる場合と、なかなか身近な日常空間では困難である場合とがある。例えば、アインシュタインの相対性理論(一般・相対の両相対性理論は共にテンソル計算を駆使して、科学・数学モデルで構成されている)を我われが住む日常空間で手軽に検証するのは困難だが、その「相対性理論」そのものが完璧な「科学的事実(真理)」であるか否かが、宇宙スケール規模の観測で、今も検証されつつあるのだ。

その一例を挙げると、例えば[重力レンズ効果の観測/一般相対性理論]、あるいは[実用化されているGPS衛星での時間補正(高速移動する衛星上の時計における時間の遅れ等の利用による時間補正)/特殊相対性理論]などの形で、日々、その検証が行われている。

だから、たとえ、かの「相対性理論」であっても、その「科学的事実(真理)」については、いずれ反証されるかもしれないのである。換言すれば、「相対性理論」でさえも[科学における“the margin”]の問題から完全に逃れることはできないのである。

このような意味の「科学的な事実(真理)に関わる諸問題」を迂闊に、あるいは傲慢な意識ゆえ混同してしまうと、例えば、トランプ元大統領およびその周辺の陰謀論者らが好む「ポストトゥルース(Post-truth)/もう一つの真実、ポスト真実、脱真実」らの如き、似非科学の誤謬と錯誤の回路(科学的な事実(真理)とデリリウム妄想・幻想あるいは過剰な欲望を混同し堂々めぐりする異常な意識のループ)という恐るべき陥穽に嵌りかねないのだ。

しかも、この恐るべき<非科学的な真実(実は妄想、デリリウム)>をめぐる、非常にたちの悪い陥穽は、自称・他称の科学者や、たとえ、その筋の専門家らであっても嵌り易いので実に始末が悪いといえる。つまり、意図的に、これらの科学の真実(真理)をめぐる諸条件を混同させて、一般の人々を煙に巻こうとする、非常にたちが悪い輩も多いのが現実である。

だから、ジャーナリズム(ジャーナリスト)や政治権力者らが、そして我われ一般人がその罠に嵌まり易いのはいうまでもないだろう。ピーター・ティールやイーロン・マスク、はては、かの『死を悪徳と見なす?SENS』の創立者であるオーブリー・デグレイ博士らにも、その意味での「ポストトゥルース(Post-truth)/もう一つの真実(真理)なる妄想」の空気が妖しく漂っていることに十分注意すべきである。

[第4章 ]

■奇しくも生命科学と古気候学が“コンシリエンス”的(Cf.↓★)に暗示する、[the margin ]の視座から派生する新たな展望

★コンシリエンスとは?
・・・コンシリエンスは人文・科学知の融和的統合(consilience)のことだが、そもそもはエドワード・ウィルソン(Edward Osborne Wilson/1929-2021/米国の昆虫学者、社会生物学者)が、1998年の著書『コンシリエンス:知の総合』(邦題:知の挑戦―科学的知性と文化的知性の統合‐角川書店‐)で、C.P.スノー(Charles Percy Snow/1905-1980/英国の物理学者、小説家)が提唱した「自然科学と人文科学の統合」の考え方を深化させたものである。
・・・やがて、それは<現代人の意識の特徴である「因果(連続するリアル)と論理(リアルを統制的に法則化したり抽象化したりする能力)」、言い換えれば、これら両者を峻別(自覚的に区別)する近・現代における分断化したアカデミズム意識、あるいはそれに因り固定観念化した自然・文化両科学に関わる一般常識」の分断された意識は有害なので再統合こそが必須であると考えるようになった。それがコンシリエンスの現在位置である。因みに、自然科学は対象の一般性を明らかにして法則を定立するが、文化科学は自然や精神生活、歴史など一回性の個性的な事象とその因果可能性を概念的に記述する科学と定義されている(@リッケルト)。

(1)「科学モデル知⇔リアル事象」の狭間に立ちはだかる(the margin)、その視座からの発見ともいえる、ネオ「三体問題」とは?

(水月湖の「年縞」が示す、「暴れる気候」なる地球温暖化に関する“古気候学”上の信憑)

◆【ネオ「三体問題」こそが必須?との気付による“素朴”SDGS神話への懐疑がヒント鴨神社!】鏡像錯視(自画“深部対称鏡像”における右と左の問題)の如き錯覚(恐らくヒューリスティクス錯視のジャンル?)で目前を安全に生きているという、日常における我われのリアルにも深く謙虚に覚醒すべき時かも?  →湖、水月湖が語る「暴れる気候」!:古気候学者 中川毅氏・立命館大学教授20240717朝日 https://x.com/striatumxname/status/1819491389551661291

(水月湖の「年縞」で得られたデータは、福井県年縞博物館で展示されている/その概要の纏め)

(参照資料:Wikipedia、および『湖、水月湖が語る「暴れる気候」古気候学者 中川毅・立命館大学教授20240717朝日』↑◆、https://x.com/striatumxname/status/1819491389551661291、ほか)

●水月湖は、福井県三方上中郡若狭町にある三方五湖の一つで、面積4.06km2(五湖中最大)、周囲9.85km、最大水深38.0mの汽水湖であるが、その水深は深く湖内に直接流れ込む大きな河川がなく、湖底の堆積物がかき乱されることがないので「年縞」(1年に約0.7ミリメートルの堆積)が存在する。

●鬼界カルデラは鹿児島県の薩摩半島南方にある海底火山で、約9千年かけマグマを蓄積させた末に約7300年前の巨大噴火に至ったことが分かっている。この噴火は南九州縄文人を消し去り、天岩戸神話のモチーフになったとも言われている。https://www.spf.org/opri/newsletter/451_2.html

●水月湖には「1年に1枚ずつ薄く堆積する縞模様の泥が45m以上の厚さで存在」しており、これが1枚ずつ積み重なって「年縞」が出来て、それがきれいな状態で保全されている。なお、その「年縞」の厚さは1年で約0.7ミリメートルとなっており、7万年以上の年縞が残されている。

●「水月湖の湖底には酸素が乏しく生物が殆ど生息しないため、年縞がありのまま残っている」こと、および「湖周辺の断層の影響で、湖の底面では沈降現象が続いており、湖底に毎年堆積物が積もっても、湖が埋まらないという特異な条件が揃っている」こと、から水月湖の年縞は「奇跡の堆積物」と呼ばれている。

●『福井県年縞博物館』では、年縞をステンドグラスにしたものが展示されている。http://varve-museum.pref.fukui.lg.jp/

●1991年(平成3年)から開始された水月湖の調査では、過去の「約16万年分の連続した土(Core Sample)」を採取できており、その1mmの抜けもない完全連続したこのコアサンプルは「SG06」(水月湖06年の略号)と呼ばれる。

●それ以降、日、英、独などの共同研究チームが分析を進め、放射性炭素14、炭素12の比率を調べることで、最終氷期以降の11,200年~52,800年前にわたる過去約5万年間の放射性炭素年代測定を行ない、その研究成果を学術雑誌『サイエンス』誌に発表された。

●その結果、誤差が約5万年で170年程度という精度の高さから、この水月湖の「年縞」で得られたデータは2012年(平成24年)7月13日にフランスのユネスコ本部で開催された世界放射性炭素会議総会で地質学的年代決定での事実上の世界標準となった。

●このため、水月湖の「年縞」で得られたデータは、[世界的な気候変動の変遷とそのメカニズムの解明、大陸から飛来する風砂塵や日本海で生じた津波の影響、周辺地域の地震研究]など様々な分野の研究に用いられ、今後も他分野への利用が期待されている。

(水月湖『年縞』研究を主導する古気候学者 中川毅・立命館大学教授の『暴れる気候』仮説の概要/同上、20240717朝日・記事より)

【画像:再掲】https://x.com/striatumxname/status/1819491389551661291

目下、水月湖『年縞』の研究が解明しつつあるのは[過去100万年の地球にとり、ありふれた状態とは、実は不安定な氷期の方であった]ということである。つまり、地球の気候は“暴れている”方が普通だったのだ。10万年に1回程度、温暖で安定した時代が到来して、その状態が現在まで続いている

穏やかで温暖な期間」は「平均して数千年程度」だが、今回は1万1千年以上続いている本来なら、既に終わっていてもおかしくない

・・・以下は、重要な論点について、箇条書きにしておくことにする(順不同/但し、一部分にtoxandoriaの補記(私見的な)を付してある)。・・・

● …この先の十数センチにわたった縞がない部分は何ですか?   ⇒ 1586年、 豊臣秀吉の時代に発生した天正の大地震による痕跡と考えられています。そこから少し先(年縞に沿って少し歩くと)は古墳時代で、あとはすべて先史時代です。

●  …ここは、約7,300年前に、現在の鹿児島県にある鬼界カルデラが噴火した際の火山灰です。九州南部・縄文文化を壊滅させた過去1万年の火山災害で、もし現代に起きていたら「諸対策」がほぼ意味を持たないような壊滅的噴火でしたつまり、この「年縞」から、気候変動や火山噴火の歴史が目に見えるのです・

● では、<過去の気候>はどうしてわかるのですか?
⇒ それは、「年縞に花粉の化石が含まれているからです。その種類と数を顕微鏡で数える花粉は大量にばらまかれる、1グラムの土に数百~数十万粒が入っている。これだけ多いと、当時の植生が統計的に割り出せます。だから、これは過去の気候を復元する方法として、おそらく最も鋭敏ですそれが、年単位でわかってしまう

● …今から1万1千600年前あたりの年縞には、重要な境目があります。この時代以降に、人類は世界各地で農耕文明を発達させた。これより前は寒冷な氷期でした。つまり、人類は「温暖が安定した時代」にしか文明を築けていないのです。間氷期といえども、寒暖が激しく繰り返された当初期に人類は農耕を始めた痕跡がないのです。

<注記>氷期と間氷期(地震・防災関連用語集)、https://www5d.biglobe.ne.jp/~kabataf/yougo/B_nendai/nendai_glacial_interglacial_epoch.htm

https://www.mizu.gr.jp/kikanshi/no64/02.html

● では、農耕文明を生んだ条件とは何だったのでしょうか?
⇒ 注目しているのが、「気候の安定性」(気温が乱高下し、降雨等の気象条件が激しく荒れる『暴れる気候』の真逆!)です。
⇒ この時期より前(今から1万1千600年前あたり、より以前は、寒いだけでなく、不安定だったのです。今年や来年以降の見通しがつかなかったら、計画的に作物を植えても意味がないだから、「今と似た気候がしばらく続く見通せる時代になって初めて将来に備える行動をとるようになった、という仮説」を立てています
文明の誕生以前は、どのような気候だったのですか
⇒ 例えば、1万5千年前ごろには、「平均気温が3度~5度も上昇する急激な温暖化が、数年~数十年で起きていた可能性が高い。しかも、一方向の気温変化ではなく、上昇と下降を頻繁に繰り返していた『暴れる気候』であったとみられる

●が、現在、地球は温暖化しているのではなかったですか
⇒ 温暖化ガスの放出で、次の氷期(本来、そもそものサイクルであるならば?“平均で数千年程度の温暖で安定した時代の次に来るはずの『暴れる気候』の時代”)を先延ばしにしていると考える研究者もいるが、それより、「人間が“温暖化による不安定化”から、更なる不安定化(すなわち、次にくるはず?の『暴れる気候』の時代)への引き金を引くことを懸念しています
温室効果ガスが『暴れる気候』をもたらすのですか
⇒ (科学“仮説”的に、より厳密にみれば?/toxandoria,、補記)「過去において、氷期等の時代に気候が不安定化して暴れていたのは、二つ以上の矛盾する力(物理数学的にいえば、いわゆる『質点の力学/有限の質量を持つが敢えて大きさを持たない仮想・抽象的な点における力を想定する力学』を含む/toxandoria、補記)が働いていたことが原因だったと考えています。 

(2)コンシリエンス的『ネオ三体問題』の視座の重要性

上掲書、『大地と星々のあいだで―生き延びるための人類学的思考―』(イースト・プレス)の著者である橋爪太作氏(新進気鋭の人類学者)は、同著書の中でプラスチックが新たな地層となる「人新世の有限性」を突き抜けて、その内部に再び“無限”-すなわち、-あるいは具体的・経験的な無数の“他者”(この地球上で無数に生きる多くの唯の人々が再び自覚的に生き抜く可能性) -を見いだすことに、『この時代からの解放と、新たな明晰さ(ヒトたる知性 or コンシリエンス知/toxandoria、補記)の獲得を賭けることが、当書を書くことの動機であった、と吐露している。なお、ここで橋爪氏が言う『この時代』とは、科学知が進化し、今や優れた『AI-科学テック知』に先導された資本主義経済が更に進化しつつあるにも拘わらず、何故か、益々、不安が拡がり、かつ閉塞的な空気が拡がるばかりの現代を意味している!(同上、補記)

橋爪太作著『大地と星々のあいだで‐生き延びるための人類学的思考-』(イースト・プレス)

そして、「小月湖の年縞」の意義を高く評価する橋爪太作氏は、同著書『大地と星々のあいだで―生き延びるための人類学的思考―』の中で、この「小月湖・年縞」研究の第一人者である中川 毅(立命館大学 古気候学研究センター長)の論文等に依拠しつつ、ミランコヴィッチ仮説の「その後」も踏まえながら、中川 毅「論文」の注目すべきポイントを紹介している。なお、橋爪氏は自ら撮影した「小月湖・年縞」のイメージで、その自著のカバーをデザインしている。

◆ミランコビッチ仮説とは?
・・・地球の軌道要素の変化による日射量の長期変動が地球の気候変動を引き起こすという仮説。セルビアの地球物理学者であるミランコビッチ(1879-1958)によって提唱された。なお、軌道要素は「地軸の傾斜角、公転軌道の離心率、歳差運動」などであり、これらが数万年から十数万年の周期で変化する。https://astro-dic.jp/milankovitch-cycle/

・・・その橋本氏の同書の中から「中川 毅「論文」の注目すべき一部」を、『toxandoria、補記』を付す形で、以下に紹介させて頂く。・・・

(ミランコヴィッチ仮説のその後)

1920-1930年代に、セルビアの地球物理学者ミルティン・ミランコビッチ(Milutin Milanković)は、地球の離心率の周期的変化、地軸の傾きの周期的変化、自転軸の歳差運動の三つの要素が地球の気候に影響を与えると仮説を立てた。実際に地球に入射する日射量の緯度分布と季節変化について当時得られる最高精度の公転軌道変化の理論を用いて非常に正確な日射量長周期変化を計算し、間もなくして放射性同位体を用いた海水温の調査で、その仮説が裏付けられた。

<注>離心率とは?・・・万有引力の法則にもとづき太陽を周回する惑星や準惑星、太陽系小天体は円軌道、楕円軌道、放物線軌道、双曲線軌道のいずれかの軌道を運動しているが、これらの種類を表すのが離心率 e 。原点と焦点のずれ(具体的には焦点からの距離と準線からの距離の比)から定義され、e = 0なら円、0 < e < 1なら楕円、e = 1なら放物線、e > 1なら双曲線となる。(天文学辞典、https://x.gd/s9LyT

しかし、その一方では「より詳細なデータの分析から、必ずしもそうではなく気候の全てが、そうした単純な法則性には還元できない複雑な挙動もとること」が明らかになっている

(一定の法則性に還元できない、気候の複雑な挙動の本質の鍵となる非決定論的、予測不可能な物理モデル、『二重振り子』の問題

●二重振り子の運動のエッセンス

二重振り子の運動は、一見シンプルながらも極めて複雑な現象であり、その魅力(不思議さ)は、「初期条件(初期値)」のわずかな違いで、全く異なる動きを見せるカオス的な振る舞いと予測不可能性にある

●二重振り子の特徴と数値計算シミュレーション

シンプルな構造であること・・・ 2つの振り子が連結されただけのシンプルな構造でありながら、複雑な動きを示す

カオスであること・・・ 初期条件のわずかな違いが、時間の経過とともに大きく増幅され、予測不可能な運動へと発展する

非線形性であること・・・ 運動方程式が非線形であるため(i.e.運動方程式は、その数学的操作の先に絶えず実在(Dasein)を意識せ(見)ざるを得ないため、解析的に解くことが難しく、数値計算を用いてシミュレーションを行うことになる

数値計算シミュレーション・・・一定の期待に沿う解析解が得られない系や非線形系、あるいは多変量系に関しては、様々の仮設的なパラメータに沿った数値的解を求めることで、系の挙動を体系的に解析できる

なぜ複雑な動きをするのか?

相互作用・・・ 2つの振り子が互いに影響し合い、複雑な連動運動を引き起こす

エネルギーの交換・・・重力ポテンシャルエネルギーと運動エネルギーが絶えず相互に変換され、運動に多様性をもたらしている

初期条件(初期値)への敏感さ・・・ 初期角度や初速度といったわずかな違いが、後の運動に大きな影響を与える

<参考>離心率の理解のためのトリビア・・・離心率を直感的に理解するのはなかなか難しいと思われるので、その「直感的」理解に役立つと思しきトリビアを五つ挙げておく。

(1)[再掲]:そもそも離心率とは「焦点からの距離と準線からの距離の比」であり、① e = 0なら円、② 0 < e < 1なら楕円、③ e = 1なら放物線、④ e > 1なら双曲線“、となる”(@天文学辞典)

(2)①円、②楕円、③放物線、④双曲線の焦点は、それぞれ[①円:中央のF、②楕円:2つの焦点である、F1とF2が近いほど楕円は円に近づく、③放物線:定点F、④双曲線:楕円と同じく 2つの焦点、Fと F'だが ②と性質は全く違う]となる。https://rikeilabo.com/hyperbolic-curvehttps://ultraprecision-nanomachining-center.com/column/mirror-type

(3)因みに、楕円鏡の内部の片方の焦点Fに光源を置くと、その光はもう一方のF‘に必ず集まるという物理的な性質を持つ。https://tomodak.com/quadratic/reflect/pool.html

(4)放物線の準線・焦点と一般化(高校数学の美しい物語)、
https://manabitimes.jp/math/868

(5)第6話 鏡の国の光子さん その二「第一章 円錐曲線三兄弟」著作:坂田明治、https://www.rikasuki.jp/rika_no6/rika_no6.htm

・・・

(中川 毅氏が構築した、近似モデル・シミュレーションから理解できること)

中川 毅氏が構築した、天文学的パラメータと地球気候変動の関係に関わる「近似モデル・シミュレーション」から理解できるのは、巨視的には二重振り子的に初期値に鋭敏な”変動周期的“(上下変動しつつ周期を繰り返すこと)な影響を及ぼす一方、地球上では以下「三つの状態」が往還する、i.e.それらの状態がくり返されるということである。

(1)   その内部(気候)が安定した状態

(2)   その内部(気候)も周期的に変化する状態

(3)   その内部(気候)がカオス化する状態

(直近の氷期が終わった、1万1600年前の『物差しで引いた』ような年縞が意味することとは?)

この、氷期が終わり、現在の温暖期(間氷期)へ移行する1万1600年前の年縞に目立つ境界面があることの意味は、そのとき、氷期が、まるでスイッチをパチンと切ったように、本当に急激に終わったらしいことの「証拠」となっているそのことについて、中川氏の論文は次のように書いている。(橋爪太作著『大地と星々のあいだで―生き延びるための人類学的思考―』より部分転載)

「…スイッチが切り替わったあとでは、水月湖の回りの気候は温暖になり、しかも数十年スケールで激しく変動することをやめて安定になった。それは、人間にライフスタイルや価値観の変更を迫るほどの、本質的で急激な変化だった。」

因みに、これはグリーンランドの氷の解析など、他地域のサンプル解析でも、ほぼ同様のことが確認されているので、おそらく我われの祖先は、ほぼ同じころにほぼ同じような「ライフスタイルや価値観の変更を迫るほどの、本質的で急激な変化」を体験したことが推測されるのである。

そこで、重要となるのが。おそらく「(ミランコヴィッチ仮説のその後)で知られることとなった、『地球と言う無数の振り子』の問題」である

(『ネオ三体問題』の対処に必須となるコンシリエンスの視座)
 
前節の「ミランコヴィッチ仮説のその後」の箇所では、敢えて触れなかったのだが、ミランコヴィッチ仮説のその後の中川 毅氏の研究で、次の三つのこと(①~③)が理解できるようになったと記されている(@第4章-部分再録/@『湖、水月湖が語る「暴れる気候」古気候学者 中川毅・立命館大学教授』)。


 
地球、太陽、および月なる三天体の物理数学的な関係(本来の三体問題)

現在、高い状態が続く地球自然サイクルの気温環境

二酸化炭素等による人為的な温室効果(これは、人新世における経済・産業・工業等、人類の凡ゆる社会・文化活動の“賜物”が主成分と考えられる)

そして、このことは『大地と星々のあいだで―生き延びるための人類学的思考―』(イースト・プレス)の著者・橋爪太作氏が書いている下記の内容(…  …)、奇しくも、共鳴するように思われる

・・・ミランコヴィッチ仮説の「その後」の探究で、地球の気候環境に影響を与える「振り子」には次の三つのものがあることが明らかになった

(1) 10万年周期で変化する公転軌道の伸縮
(2) 4万1000年周期で変化する地軸の傾き
(3) 2万3000年周期で変化する地軸の傾きの円運動

これらの運動が「地球という無数の振り子」を周期的に始動させている。・・・

ここでいう「地球という無数の振り子」とは、これらの運動が、地球の受け取る太陽エネルギーの量と分布に影響を与え、氷期と間氷期のサイクルを引き起こしている、ということを意味している。つまり、換言すると「無数の振り子」という表現は、これらの周期的な運動が地球の気候に与える影響を象徴的に表現していることになる

従って、このフレーズ「地球という無数の振り子」は、地球の気候が単一の要因ではなく、複数の周期的な運動によって非常に複雑に影響されていることを強調していることになる

そして、このことを中川氏が同上の朝日記事20240717で語った下記の内容と併せて見ると、非常に興味深いこと、i.e.下記(イ)、(ロ)、(ハ)という「ネオ三体問題」のイメージがクッキリと浮上してくると思われる。つまり、それは下のような3つの状況(今の地球で『暴れる気候』が出現している背景と見るべき3条件)が存在し、それらが複雑に絡み合いつつ混在している、その意味で実に危機的な地球の状況であるということだ(又、その根源にはヒトの文化の問題も関わる!?/なお、当問題については別途に記事を書く予定である)。

(イ)現在は、既に氷期となっていても不思議ではない(地球と太陽の位置関係から)

(ロ)現在は、地球自然サイクルの気温の高い状態が続いている

(ハ)現在は、二酸化炭素などに因る温室効果が更に亢進しつつある

実は、この全地球的に超リスキーな問題は、当記事で一つの柱として取り挙げてきた「ピーター・ティール、イーロン・マスクらクリプト・アナキズム一派、あるいはエクストロピアン(エントロピーの科学的克服を信ずる、反エントロピー主義者)またはトランスヒューマニズム(超人間主義)派」などと呼ばれる超リッチで、かつ超高度な数学的知能の持ち主ともされる先端科学者・科学技術者・投資家らの問題、およびコンシリエンス知(又は、アンチ・コンシリエンスの問題)とも深い関係があることなのだが、これらの論点は「エピローグ」で触れることにする。

因みに、これら「クリプト・アナキズム一派、あるいはエクストロピアン(エントロピーの科学的克服を信ずる、反エントロピー主義者)など」と呼ばれる先端科学者らに共通することで、絶対に見逃がすべきでないことがある

それは、彼らが「科学モデル ⇔ 実在」間の余地(the margin)なるアポリア!、すなわち、彼らが作為の意思を持つのか否か?はともかく、この科学・数学知に関わる『the margin』の問題ついて、換言すれば「コンシリエンス知」(認知論的な理解が必須の問題)について、まったく無関心か、あるいは無頓着である、ということだ

このような意味で、クリプト・アナキズム派に関する情報についての正しい理解を探索するのは、多数派である唯の人々の「the margin」リテラシーのためにも重要なことだと思われる。同じく、愈々、真正のコンシリエンス・リテラシーが必須となる所以でもある

(エピローグ)

■ユク・ホイの技術哲学の視座による、AIテクノリバタリアン(クリプトアナキズム)こと「AI市場原理主義」批判

・・・ユク・ホイが指摘する「特に、AIテックで『“四つん這い化”AIテック支配』体制なる悲惨な状況へ追い込まれつつある唯の人々の危機/@ハイデガー」の問題・・・

=『大地と星々のあいだで―生き延びるための人類学的思考―』(イースト・プレス)の著者・橋爪太作は、その終章の中で、次のように書いている。 ⇒[もし近代を含めた過去数千年の人類文明が「一瞬のうちに出現した温暖期の穏やかな地球環境」を前提として成り立ってきたのなら、消え去るときにもやはり一瞬なのではないか?]=

=AIテック・シンギュラリティ妄想で世界人類の「“四つん這い化”AI技術支配」(@ハイデガー)を謀る、ピーター・ティール、イーロン・マスクら“エクストロピアニズム妄想(デリリウム)=の囚人”たちは、今からでも遅くはないので、実存主義の本でも“ゆったり”と読むべきではなかろうか?(W)=

ピーター・ティール、イーロン・マスクら超リッチで、かつ超高度な数学的知能の持ち主ともされる先端科学者・科学技術者・投資家らに特徴的なのは、彼らがクリプト・アナキズム、エクストロピアニズム、あるいはトランスヒューマニズムなどの信奉者であることだ。無論、彼らの真意が何処にあるのかは、今一つ不分明なところもあるのだが。なお、エクストロピアニズムとは「1990年代に注目されたトランスヒューマニズム運動の一部」と見なすことができる

そのトランスヒューマニズムや旧聞のAIシンギュラリティは人間の能力をテクノロジーで際限なく拡張することを目指すが、エクストロピアニズムは特にその中でも技術的進歩と「人間の寿命」の延長に焦点を当てている。また、彼らの思想・哲学(?)によれば、テクノロジーで際限なく人間の能力と知能が拡張されるため、究極的には「宗教や神も不要になる」と考えられている

そして、特に、「死=悪」と見なすP.ティール、および「死の絶滅と、吸血鬼的な(?)パラバイオーシス(parabiosis)等による永遠の生命の取得ができると考えて設立された、先端医学研究所『SENS』」の創設者であるオーブリー・デグレイ博士らは、このエクストロピアニズム(エントロピーの科学的克服を信ずる反エントロピー主義派)のジャンルに入るとみることができる。

しかし、例えばP.ティールが「私が“何よりも強く信じているキリスト教の見解”」に従って、死の絶滅と、パラバイオーシス(parabiosis)による永遠の生命の取得と死の絶滅の実現を期しつつ「先端医学研究機関であるSENS設立のための投資に協力した」などと言う不可解な言い草は全く科学的に信用できないことだと言える。

それは、もし首尾よく「SENS」の先端医学研究で「死の完全な撲滅と永遠の生命の取得」が可能となった暁においては、今や、ティールが“何よりも強く信じていたキリスト教の神などは全く不要となり、その神をポイとゴミ箱の中へ投げ捨て、廃棄処分しても良いことになるからだ

くり返しになるが、エクストロピアニズム(Extropianism)とは「エントロピー(無秩序)の反対概念であるエクストロピー(秩序と無限の成長)を基にしており、技術の進歩を通じて人間の限界を克服し、無限の成長と人間生命の永遠の改善を目指す哲学・思想(?)である」とされているようだなんという恐るべき妄想ではないか!?

それは、現代のイギリス人の哲学者マックス・モア(Max More/↓♨1)が、エントロピーと対立する概念を示すためエクストロピーという言葉を使い、人間の可能性を拡張するというトランスヒューマニズム(超人間主義派)のあり方を強調したからだとされているからだ(しかし、関連の研究機関は疾うに閉鎖されている!w)。しかも、全宇宙スケールの先端科学研究の現場では、エクストロピーどころか、エントロピーそのものが個体生命“誕生”の鍵を握っている可能性すらが示唆されつつある時代なのだ(Cf.↓♨2)。

♨1 Max More(Jan.1964-/Philosopher and futurist:wiki
https://en.wikipedia.org/wiki/Max_More

Max More (born Max T. O'Connor, January 1964, with name legally changed in 1990) is a philosopher and futurist who writes, speaks, and consults on emerging technology. He was the president and CEO of the Alcor Life Extension Foundation between 2010 and 2020. Born in Bristol, England, More has a degree in Philosophy, Politics and Economics from St Anne's College, Oxford (1987). His 1995 University of Southern California doctoral dissertation The Diachronic Self: Identity, Continuity, and Transformation examined several issues that concern transhumanists, including the nature of death, and what it is about each individual that continues despite great change over time. In 1996, he married transhumanist Natasha Vita-More; the couple are close collaborators on transhumanist and life extension research.More founded the Extropy Institute and has written many articles espousing the philosophy of transhumanism and the transhumanist philosophy of extropianism,including his "Principles of Extropy".In a 1990 essay "Transhumanism: Toward a Futurist Philosophy", he introduced the term "transhumanism" in its modern sense.

♨2 2024年は、“ユニヴァース or 宇宙”シンボルグラウンディング”紀“、i.e.「脱“人新世”」へPotenz(展相)する『真ダークマター効果』に覚醒の時となるや? https://note.com/toxandoria2/n/n6197d3fa98a0

百歩譲って、『エクストロピアニズム(orトランスヒューマニズム)研究』らの意義を、仮に眉つば半分ながらも認めることとしたとき、そのエクストロピアニズム(orトランスヒューマニズム)の研究途上にある全人類が、突如、超破局的な地球気候や環境変動の如き全地球的な突発的超リスクに襲われ、あわや全消滅(人類全滅)の瀬戸際に追い込まれたとき、マスク、ティールらのテクノ・リバタリアンらはどの様に責任がとれるのか?(又は、そのお得意の完全な科学技術で自ら変身する、or 超人間への展相ができると言うつもりなのだろうか?/w)それどころかもし、その事態となれば、今や不死や永遠の生命の取得などを議論すること自体がナンセンス化するのではなかろうか!?(w)

当記事で、書いてきたことだが、その「全人類が、超破局的な地球気候や環境変動の如き全地球的な突発的超リスクに襲われ、突如として、あわや全消滅(人類全滅)の瀬戸際に追い込まれる可能性が高いのでは」と思しき「科学的エビデンス、というか科学的オルトテーズ(正定立)の古気候学的なリアル信憑」が、中川 毅氏(気候学者・立命館大学教授)、橋爪太作氏(人類学者・大阪公立大学 准教授)らの「小月湖『年縞』」の実証研究等で次第に明らかにされつつあることも、当記事で取りあげてきたとおりである

今や、エクストロピアニズム(反エントロピー)派、トランスヒューマニズム(超人間主義)派などと持て囃される、超リッチ(過剰にリッチ?)で、しかも“逆張り的”と言う意味で超々傲慢、かつ超貪欲な“ミルトン・フリードマン流の「ピーター・ティール、イーロン・マスクらが信奉する”誤謬”の市場原理主義/委細は、既述の『第2章↑』を乞参照!」であり、そのうえ超高度な天才的とも見える数学的知能の持ち主(?)たる、これらの先端科学者・科学技術者・投資家らのエセ思想、ないしはエセ哲学なるものの「まるでヴァンパイア―の如き『乱雑さならぬ、怪しさ満杯で吸血鬼的なwエントロピー派』が、今や微塵も恥じらうことすらなく、益々、大ッ拡げに全開し&増長するバカリになってきたとは言えないだろうか?(苦w)

(『ユク・ホイが紹介する、「ハイデガーの四つん這い理論」』の前提とは?)

香港出身の哲学者、ユク・ホイの『中国における技術への問い/宇宙技芸(cosmotechnics)試論』(ゲンロン)は、現代社会における技術と人間との関係を、西洋哲学、特にハイデガーの思想を基盤にしながら、東洋思想や現代科学を織り交ぜて深く考察した著作である。

<注>ユク・ホイの宇宙技芸(cosmotechnics)とは?[中国における技術への問い 宇宙技芸試論 特設サイト/中島隆博(東京大学教授・中国哲学)]より部分転載、https://webgenron.com/articles/anessayincosmotechnics

・・・ユク・ホイは、香港出身の哲学者。「哲学と技術のリサーチネットワーク」主宰。ロイファナ大学リューネブルク校でハビリタツィオン(教授資格)を取得。現在、中国美術学院および香港城市大学創意媒体学院にて教鞭を執る。著書に『デジタルオブジェクトの存在について』(2016、未邦訳)、『再帰性と偶然性』(2019、邦訳は青土社:2022年)、『芸術と宇宙技芸』(2021、未邦訳)。『ゲンロン』に「芸術と宇宙技芸」を連載。

・・・宇宙技芸(cosmotechnics)は、技術と宇宙論を結びつける概念。彼は、技術を単一的・普遍的なものではなく、「各地域スケールの宇宙論」に基づく多様なものとして捉え直すことを提唱している。但し、それは、シモンドン『固体化の理論』、i.e.オミクス論に因る“ミクロ~マクロ”コスモスの概念とほぼ同様のものと理解すべきと考えられる!故に、この概念は、各『地域社会や各国などに対し個々に対応させつつ考えるべきものと理解するのが妥当であろう(Cf.↓★)。

★一視望観の『光の閾値』、ナノメートル特異点は「唯の生」(散逸構造)に必須の自由エネルギー&オルトテーズのトポス/「唯の生」が協有する”文化とコモン”はデジタル戦争の天敵 https://note.com/toxandoria2/n/nd729ef727fcf

因みに、オミクス論について触れておくと、それは下記のとおり(▲)である。現在、このオミクスの概念も『シモンドンの固体化の理論』or『ユク・ホイの宇宙技芸論』の比喩的“援用”で、“ミクロ~マクロ”コスモスのスケールへ拡大しつつ理解するのが妥当、と考えられるようになっている。

▲オミクス(omics/オミックなネットワークの動的リモデリング)とは?

・・・・メタボローム(metabolome/生体内に存在する全ての代謝物質の総体を指すが、これにはアミノ酸、糖、有機酸などの低分子化合物が含まれる)は生物種にかかわらず同じ物質であり代謝酵素も高度に各種間で保存されているため、代謝経路の信頼度の高い(i.e. “the margin”スケールが比較的小さい?/補記、toxandoria)報が最大限に活用できる。このためオミクスデータからGWAS(Genome-Wide Association Study)のように統計的関連性を間接的に推定するだけでなく、代謝酵素反応を基に直接的な因果関係も同定できる。本研究では、まず同一条件で多階層オミクスデータを取得する。次いで、それらのデータを代謝を中心に、KEGGデータベース(Kyoto Encyclopedia of Genes and Genomes:細胞や個体、生物界の生命情報システムをコンピュータ上にモデル化したデータベース、https://www.kegg.jp/)など事前知識をベースにネットワークを仮説駆動型に再構築する方法と統計的な解析を主とするデータ駆動型の方法の双方を用いて解析し、代謝アダプテーションのメカニズムとその応用展開を目指す。 http://transomics.umin.jp/gaiyo.html

 ・・・【QT】生命は環境変化に応じてダイナミックに代謝を調整することによってホメオスタシスを維持しています。糖尿病を含むメタボリックシンドローム・がん・老化・炎症性疾患などの各種病態や薬剤応答などで見られる特有の代謝状態は、まさに生体による代謝アダプテーションの結果としてとらえることができます代謝アダプテーションは、代謝物のみならずDNA・RNA・タンパク質の階層もまたいで密接に連動するトランスオミックなネットワークの動的リモデリングによって達成されます。/黒田 真也  東京大学大学院理学系研究科・教授 http://transomics.umin.jp/gaiyo.html

(参考情報)

◆[ミエリン鞘で発生する量子もつれと微小管の関係が意識の発生と何等かの関係性が推測されつつある!]ブートストラッピング意識(a)と体性感覚的意識(仮称/b)との関係性ありや(もし、bがあり得るなら)“意識b”は、生物一般が共有する可能性がある!?                 
⇒◆上海大学(SHU)は脳内で光子の量子もつれを発生させている可能性がある場所が示されたという研究の成果を発表した!20240802 Phys. Rev. E 110/ミエリン鞘におけるエンタングルメント二光子生成 Zefei Liu、Yong-Cong Chen https://journals.aps.org/pre/abstract/10.1103/PhysRevE.110.024402

https://journals.aps.org/pre/abstract/10.1103/PhysRevE.110.024402

・・・a微小管とbミエリン鞘は、どちらも神経細胞の機能に深く関わる構造体であり、相互に影響を与え合っている可能性は十分に考えられる。例えば、微小管が量子計算を行う上で、ミエリン鞘で発生する量子もつれが何らかの役割を果たしているのかも知れない。
・・・「脳を含む中枢神経系トータルに分布するb微小管(microtubule)で発生する意識ファクター」と「スティグレールの後成的記憶(L’épigénèse)」の強い関係性が想像されることが興味をそそる。又 、その「a微小管と『b脳内のミエリン鞘で発生する量子もつれ系の意識ファクター』」なる、二つの「意識ファクター」が相互に深く影響を与え合っている可能性があることも非常に興味深いことだ。

(ユク・ホイの『宇宙技芸のユニークな技術論』で注目すべき点)

技術の西洋中心的な捉え方への批判
・・・西洋哲学における技術観は、道具的なものや「人間を支配するもの」という側面が強調されてきたユク・ホイは、この西洋中心的な技術観に疑問を投げかけ、技術をより多様な視点から捉え直すことを提唱する

東洋思想から技術観を再考
・・・ 東洋思想、特に中国哲学における技術観は、西洋とは異なる側面を持っている。ユク・ホイは、東洋思想における技術と自然、人間との関係性などを分析し、西洋の技術観との対比を鮮やかに描き出した

技術と“オミクス論”的な生の共進化宇宙技芸論の根本にある考え方
・・・技術は単に人間が作り出した道具ではなく、人間と共進化してきた存在である(W・ブライアン・アーサーとも共有する考え方!)。
・・・技術の発展は、人間(et各規模の“個体生命”)の存在様式を“自然・共生・協動”的に変容させるべきもので、両者は不可分な関係にあるだから、そもそも一方的かつ強制的に技術が人間を縛ること(シンギュラリティ化)とはなり得ない

『技術と存在』が重要な理由現代社会における技術を哲学的に捉えることが肝要になる
・・・AI、バイオテクノロジーなど、現代社会は技術の進展で大きく変化している。ユク・ホイは、これら技術がもたらす問題を哲学的な視点から深く考察し、現代社会が抱える課題に対して新たな視点を提供している

東洋思想と西洋哲学の融合
・・・東洋思想と西洋哲学を対比し、相互に参照させることで初めて技術に関する深い洞察を得ることができる、とユク・ホイは考える。

技術に対する新たな問いを提示
・・・技術を単なる道具としてではなく、人間と世界との新たな“協力と協働”の関係性を考える上での重要な要素として捉え直すことを促そうとしている

(ハイデガーの技術の「用立て(Gestell)論」、i.e.『四つん這い論』/小論考)

ハイデガーは現代技術が単段を超えており、何等かの権力のために「用立てる」(Gestell)存在である>と捉えた。この「用立て」なる『倒錯』は、人間を自然から切り離し、自然と人間の両世界へ「世界を計算可能な資源へと変貌させる」リスクをもたらす(疾うにもたらしている)可能性があると考えた。つまり、ユク・ホイは、このことについてこの状況下で、人間は「四つん這い」にされたかのように、技術によって支配され、その論理に従属させられるという比喩的な表現を使っている

(参考情報)

◆ X(Twitter) orbitofrontalcortex @striatumxname   /ゼタ級(1兆の10億倍級の高速計算)の実現!とかだが大丈夫か? ∵回路ハード微細化が限界!(ca.1nm以下はムーアの法則が不能化!) et 生成AIでは高精度計算が不要化!?の上、先端科学知フィールド&超巨視(宇宙・地球・自然)俯瞰下で ❝オッカムの剃刀❞の視座に因る『ミクロ合理≠生命論的マクロ合理』の理解が深化中!? →スパコン AI向け最速狙う「富岳」後継機、25年から開発 米半導体大手の参画も 20240827日経 https://www.nikkei.com/article/DGKKZO83020550W4A820C2TJK000/  https://x.com/striatumxname/status/1828628110700617933  https://x.com/striatumxname/status/1828628347699798447  https://twitter.com/striatumxname/status/1828649248231145516

(1)スティグレールの前景として、シモンドン『固体化の理論』の概要

鈴木泰博(複雑系計算論/名古屋大学准教授)は、自然計算を詳細に論ずるのが難しいのは自然計算(生命の流れの一環としての一回性の個体生命が無限に連鎖する生命の大海の中で遂行され続ける計算とも見える?)ではアルゴリズムを与える主体と計算を実行する主体が同じになって しまうことに因ると説明している。

それは、生命現象を含む“森羅万象”に関わる自然計算のアルゴリズムの全指定ができるプログラマーがもしいるとすれば、もはや彼は只の人間ではなく、自らを「神」同然化したと意識する“シンギュラリティ妄想(無機物の不変性に憧れる死への衝動@フロイト)の囚人”とも言える存在であるからだ。(関連参照/“自然計算”について… ↓★)

★啓蒙思想初期に周知!のタナトスはヒトの共有エルゴン i.e.その悪の情念の天敵はアナログモーダル(健全なヒトの意識)!先行把握の身体知で新しい「社会構成」への展相が急務/<注>アナログモーダル=生あるヒトの概念流動性 https://note.com/toxandoria2/n/ndf2a223ea56c

それ故、特に脳の全ての働き、i.e.ヒトの意識の問題についてはAI‐DLアルゴリズムだけでシミュレーション的に説明することはできないだろう

従って、更に「脳のニューロン・ネットワークを模したAIディープラーニングには、それが主に一定の限界があると見るべき“ビッグデータを利用したベイズ推計”に頼るという現実もある」ため、そのトータルが「殆ど『暗黙知』的な『自然計算』」と「AIディープラーニング」との間には大きな落差(断絶)があることが理解できる ← コレも、[the marginの問題と見るべきか?! (https://speakerdeck.com/masatoto/shen-ceng-xue-xi-niokerubu-que-shi-xing-ru-men)。


(関連情報)

◆【統計モデルやその前提条件が現実と大きくズレている時には、 P 値(i.e.帰無仮設“棄却”判断の暫定値5%)そのものが極端に小さくなる(i.e.当該の推計結果の信頼性が極めて小さくなる)可能性があり得る。故に、当該モデルでの“或る未来のリアル母集団下における正誤判定(推測)”は困難、ということにもなり得る!/∵P 値=仮設の尤度推定量に因る帰無仮説“棄却”のための有意“検定”の基準値】という、“過去~現在~未来”と連続する「リアル時間の矢の流れ」を無視する「ベイズ推計」の妥当性を基盤とする「信頼性」は些か or 甚だ疑問?ということになる。https://evineko.com/stats/basics/5percent/

◆そもそもベイズ推計とは?/ベイズ推定とは?誰でも理解できるようにわかりやすく解説 | HEADBOOST www.headboost.jp
https://www.headboost.jp/bayes-inference/

◆ベイズ統計と仮説検定6~ベイズ流仮説検定の問題点~、ベイズ統計と仮説検定6~ベイズ流仮説検定の問題点~ |AVILEN ベイズ統計の仮説検定を全6回で説明をします。このページは第6回です。このページでは、ベイズ流仮説検定の問題点について説明します avilen.co.jp https://avilen.co.jp/personal/knowledge-article/bayes-test-6/

・・・関連/[>AIモデルに意思(悪気?)はないがAIは所与の目標の達成のため無意識?に障害を回避する方法を見つけようとする]は、疾うに生成AIの利・活用で思い知らされ被害を被っていることでは!?苦w ⇒予測不能なAIの欺瞞、機械が辿り着いた人間をだます行動 20240514MIT.Rev. 
https://x.com/striatumxname/status/1790298055708901394

また、宇宙の銀河数1,000億個を超えるともされる莫大なニューロンの規模(厳密には中枢神経全体の神経細胞の数)に加え、そのニューロンが数え切れぬ程のシナプス(イオン系、化学系、混合系から成る規模)などの超ミクロ世界におけるオミクス問題(i.e.おそらくは想像を絶する、殆ど無限・深遠で多様・重層的な関係性の世界が存在するため、脳内の情報処理ネットワークを、AIディープラーニング自動計算(ビッグデータ+ベイズ推計)で未然や未生のことをも含め100再現することは到底不可能と思われるだから、当然のことだが、メタバースらが必死でアテンションエコノミー化を謀る未生の“諸現象”の再現(リアル実在の人為的な生成・創成)なども不可能!(苦w)。

従って、「DNA量子コンピュータ-やイオントラップ量子コンピュータ」らの超巨大な量子記憶デバイスが実現したとしても、今度は、それらによって「AIシンギュラリティデジタル・シミュレーションで創造する抽象世界」と「地球自然環境が包摂する、ほぼ無限に入れ子&流動構造的な暗黙知に因るリアル日常の生命世界(ヒトを含む)」との間の断絶を解消することは、(仮に近未来において、ほぼ漸近的に実現するとしても)、人類が、ユク・ホイ(↓★)の指摘する「生のアナログモーダルな『再帰性と偶然性』」を捨てぬ限り(未然・未生の生命世界を完全に無視せぬ限り、i.e. AI-ITデジタル・マシン世界に対し“四つんばい”(イデガー)で完全隷従しない限り)不可能!

★ユク・ホイは次のように述べる。「再帰性は、自分自身へと立ち返る循環運動を特徴としている。この運動は自身を規定することを目的としているが、同時に、たえず偶然性に開かれている。だがこの偶然性が、かえって自身の特異性(未然と未生へ開かれている!)を規定するのだ。」https://philosophyandtechnology.network/2910/cybernetics-for-the-twenty-first-century-an-interview-with-philosopher-yuk-hui-jp/

[参照資料]

インタビュー:21世紀のサイバネティクス——ユク・ホイ『再帰性と偶然性』をめぐって - Research Network for Philosophy and Technology 
https://webgenron.com/articles/anessayincosmotechnics

(2)メディア用語「デジタル小作人ニッポン」の問題!特に、日本において留意すべき点とは?

そもそも「デジタル小作人」の主要な意味は、日本の名立たる企業群がGAFAら巨大プラットフォーマーに完璧に「Gestell四つん這い方式」で組み敷かれた(-ditto-の圧倒的な支配下に置かれた)状態であることを意味する卑屈なメディア用語である

しかし、只、それだけのことと見るべきではなく、むしろ、その余りにも卑屈なメディア用語の深層には、いわゆる「AIテックなる科学知の真相=AI科学技術知の弱点(リアル空間と“科学・技術知”との間の「the margin問題」(只の誤差・尤度に非ず、未知のmarginに関わる弱点)が、たとえ、それが無意識であるにせよ、必ず、隠れている(隠されている)可能性が付き纏うということである

(イ)スティグレールの「偶有」とは偶然に備えていることを意味する。それはある程度「予想」可能だが<予想できない部分もある>ことを意味し、只の偶然性とは些か異なる

(ロ)これは、ユク・ホイ「再帰性と偶然性」(i.e.ネオ・サイバネティクスにおける“連続と離散”の絡み合いに因る、“再帰連続”パターン(or波動)の繰り返し)にも近い概念である(↓★)。

★ 1 量子トンネル効果を説明し得る宇宙波動関数の厳密な計算(無境界仮説に因る)によって、i.e.「リサージェンス(resurgence:摂動perturbationに因る蘇生・復活)理論」を数学的に説明する(続、2~ へ)、https://x.com/striatumxname/status/1847535608169918528

それは、リアル日常の「理由の空間」における基本的な特徴であるともいえる。 だから、「偶有」の特性とは、それが全く“同質的な(同一の)ものではなく、たまたま偶然に備わった特異性(一回性)である”ということにある。別にいえば、スティグレールは、「テクノロジーの潜在的な利点とリスク(i.e.『 the margin』 の問題)の両方について批判的に考えた」ということでもある・・・。

(なお、以上のことから、『 (c)後成的系統発生の記憶/L’épiphylogénèse』においてこそ、最も人間的な意味での生きることの価値が実現されている!とも言える/Cf. https://note.com/toxandoria2/n/nd729ef727fcf)。 


(3)再び科学における『事実』とは何かを問う)

・・・ベルナール・スティグレール[ムネモテクニック『記録』の信憑性を保証するオルトテーズ]からの連想・・・

ベルナール・スティグレールは、オルトテーズ(orthothese)という概念でエピフィロジュネーズの議論を、より精緻化した

スティグレールの造語であるオルトテーズとは「ムネモテクニックで記録された過去の表象をまず忠実に記録すること、次に、更にそれを信憑性がある『オルトテーズ』として、正確に再現する技術のことである

そして、その意味での「信憑性」を担保すべき責任が「AIテック系の科学技術」にあるということは人々の当然の共通理解となっている。

しかし、今まで述べてきたとおり、それにも拘わらず「a人間社会において“絶対的に信憑性を担保すべき責務を負わされることになった科学技術、ex.テンソル・フーリエ解析・ベイズ推計ら先端科学知を装備したAIテック」と「bリアル日常での現実的な自然・社会的諸事象」との間には、必ず不一致の余地、差異・差分・差延(the margin or différance)が、おそらく永遠に残ることになる

因みに、老婆心で付言しておけば、この「a・b間の差異(the margin=余地)」ということは、ビッグデータを駆使したAIテックやデータサイエンスなどで、しばしば現れる「ベイズ推計における尤度や誤差の問題」とは本質的に全く異なる概念である

一方、それに加えて、リアル日常を一人の一回性の人格として生き抜くべき宿命にある我われ個々の人間にとっては、確固たる個々人の自我を持つゆえの「Dasein/@ハイデガー」の問題がある

換言すれば、それは、ヒトが生きるリアル日常の中には「“普遍的な“存在それ自体”(being恐らく科学モデル知に相当する)は存在しない”(There is no universal “being itself”補記、orbitofrontalcortexしかし、それは“科学モデル知”とは異相の、リアルで無限の関係性の“理由の空間”には確かに存在する」と言う他はないからだ(M.ハイデガーサラ・ベイクウエル著、向井和美訳『実存主義者のカフェにて』-紀伊国屋書店-、P.087 https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784314012041)。Cf. https://note.com/toxandoria2/n/nd729ef727fcf

https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784314012041

・・・

但し、デジタル画像(ドット・ピクセル分割)とアナログ画像(銀ハロゲン化合物感光能/↓★1)の比較(両者の解像度の比較の如きケース)などでは、このthe marginをめぐる議論が、ほぼオルトテーズの問題と重なると理解しても差しつかえがないと思われる(とはいえ、より厳密な科学の理解という本論の視座からすれば、相変わらず両者(aとbの)の本質的(根本的)な違いは残り続けるが・・・。


★1[潜像核から“経験知たる意識の対象としての像”が作られる原理]

[再録]…スティグレールが依拠するロラン・バルトは、そこに生まれる信憑であるそれは-あったça-a-été」こそ写真のノ エマ(意識の対象)であるとした。… 谷島貫太氏・二松学舎大学・文学部都市文化デザイン学科 准教授・ https://www.iii.u-tokyo.ac.jp/manage/wp-content/uploads/2016/03/84_6.pdf

<参考>【思考実験/アナログVsデジタルの露光能力に関わる思考実験】
・・・[a「アナログ写真の銀ハロゲン化合物の中で最高度の感光性(能力)を持つ光学カメラが物理・化学的に定着させた、ある観察対象に係る反射光の連続的な記録(スペクトラム露光映像)」とb「現代の最先端デジタル撮影のピクセル技術が取り込む記録(露光映像)」とを、全く純粋に科学(客観)的に比較するとき、その<某対象風景に係わるリアル物象の記録能力(十分に信憑(頼)性があるリアル微小性、i.e.オルトテーズ(orthothese)の記録能力)>という点においては、これら両者(a、b)のいずれに軍配が上がるか ?]という問題を考えるとき、その結果はどうなるか?
・・・ (科学技術史的に見ると、この『思考実験』には非常に重要な前提条件が付く) ・・・先ず、
おおよそ20世紀初頭ころに「科学的な写真感光理論」が完成するより前の時代の「写真の感光・露光・印画」に係る技術プロセスついて科学技術史の観点から俯瞰すると、実は、それが、その歴史的過程の殆どにおいては「経験則的な理解(i.e.経験知)の進化」であったことを知ることになる。
そして、やがて、そのような傾向は「量子物理学」等に係る知見の深化とも相まって、純粋に科学技術的な「写真感光理論」が成立するに至ったのである。
要参照資料:「銀塩写真の感光機構」(ハロゲン化銀の潜像核と感光理論):久下謙一(千葉大学, アイソトープ実験施設, 名誉教授)https://indico.cern.ch/event/1301414/contributions/5472164/attachments/2675129/4638811/5_%E6%84%9F%E5%85%89%E7%90%86%E8%AB%963.
補記:「潜像核→像がつくられる原理【画像↑】「潜像核→顕像へのプロセス」
:東京文化財研究所、1
(当思考実験の結論)
・・・非常に煩雑になるので、当思考実験の途中経過は省略する/代わりに、↑[要参照資料]を参照乞う・・・
・・・現時点の技術水準(および、当思考実験に付帯する前提条件↑)を考慮すると、アナログ露光(画像)とデジタル(画像)の比較では、それぞれのリアルな記録能力には、それぞれ長所と短所があるので、どちらが『科学技術的』に優れているについては、一概に断言することは不可能である。
・・・但し、オルトテーズ(信憑性、or正定立の確保)については、仮にコレを「忠実度」というコトバに置き換えれば、それは正に「信憑性」(オルトテーズ)に重なるのではないか?と思われる。そして、この忠実度(信憑性、i.e.正定立の確保の程度)はアナログ露光の方に軍配が上がると考えられる。
・・・それは、アナログ露光がレンズの特性等によって、ノイズ記録も含むという意味で撮影対象の周辺環境との連続性(空気観(くうがん)or 空気感(くうきかん) 等)をも記録する可能性が高いからだ。また「記録の永続性」の点についてもアナログ露光の方に軍配が上がると考えられる(相対比較すれば、デジタル画像はアナログより遥かに短い時間で蒸発し消滅する可が大きい)。
・・・今後の科学技術の推移も十分に見極める必要はあると思われるが、この「細やかな思考実験の結果」から垣間見えたこと、それは、昨今のAIシンギュラリティ(テクノリバタリアン)の煽り立て風潮等に対する“総翼賛”の態度の亢進に対し、只管、身を任せるだけで果たして良いのだろうか?との疑念が再び湧いてきたことである。つまり、「AIデジタル・アナログ両技術」の用途別使用、あるいは「同両技術」の協働の工夫」などについて、我われ自身が、愈々、 “それが自身の死活的問題である!”と自覚して、より真剣に向き合うべき時代になったことだけは確かなようである。 ・・・
・・・以上は、下記★2より部分転載・・・
★2 一視望観の『光の閾値』、ナノメートル特異点は「唯の生」(散逸構造)に必須の自由エネルギー&オルトテーズのトポス/「唯の生」が協有する”文化とコモン”はデジタル戦争の天敵 https://note.com/toxandoria2/n/nd729ef727fcf

これは“実存主義者の視点”についての余談だが、サラ・ベイクウエル(同上:『実存主義者のカフェにて』の著者)によれば、一般的に我われは個々の存在者(Being)と違い、普遍的な存在そのものということ(being)については、直ぐに考えることを止めてしまいがちであるそれは、我われが、個々の存在者(Being/≒Dasein)についてと違い、普遍的な存在そのものということ(being)について、即ち、仮にそれが普遍的に存在すると、科学的・仮説的ないしは哲学的に考えられるということについては、なかなか意識では捉えにくいからだと思われる(我われが極右・極左ら自閉的エキセントリックへ流れ易いことの所以でもあろう?)。

しかし、ほかの普遍的な存在者(科学的・仮説的ないしは哲学的な意味での)よりも、はるかに、その“意味について、絶えず、より深く考えざるを得ない存在者(Being)”が一つだけあり、それが自分自身である(おそらく、科学モデル知との間における一回性の差分・差延、『the margin』を含んだ存在? i.e.その一回性の差分・差延たる『the margin』の世界で生きるのがBeing(Dasein)の正体!?/toxandoria、補足)、とサラ・ベイクウエルは言う。

それは、自分が、れっきとした一回性の自分自身という存在(Being/≒Dasein)について、何よりも、他の個々の存在者(being)についてよりも、先ず不思議に思うからである。しかし、純粋に哲学的な視点で見れば、その自分自身も、意識的にはBeing(一回性の自分自身?)ではあるとしても、やはり、日々に、一瞬一瞬を変幻自在に生き続ける(エントロピーに抗しつつ生きる個体生命(散逸構造・新陳代謝なるhttps://bio2.phys.kyushu-u.ac.jp/img/recent.pdf の流れの中において普遍的な存在そのもの(being)の一つのはずなのだ。  

[補足1]ピーター・ティール、イーロン・マスクらが信奉する「市場自由原理主義」の天敵たる、宇沢弘文「不均衡動学理論」の重要な意義

・・・時には自然科学であるとさえ標榜しがちな(?)、「資本主義経済の分析『手法』の中で最も『科学モデル知』に接近する、計量経済学における「the margin」の問題・・・

(1) 市場自由原理主義(@ミルトン・フリードマン)の天敵、宇沢弘文「不均衡動学理論」の概要

宇沢 弘文 Hirofumi Uzawa、Wiki.より

・・・宇沢弘文の「不均衡動学理論」は、市場経済が常に均衡状態にあるのではなく、インフレーションや失業などの『不均衡状態が一般的である』と考える。そして、経済の需給が一致しない状況を数学(科学)的にモデル化し、時間の経過とともに、それがどのように変化するかを動学的に観測しつつ分析するものである。・・・

・・・宇沢氏は「不均衡動学と社会的共通資本(≒コモン)の理論」を提唱する。現実的 にも,資本制生産様式のもとにおける生産手段の私的所有に基づいて現れる「生産と消費」との間の経済的矛盾は,恐慌となって爆発する。その理論的解明は,既に1860年代にマルクスが看破した点であり,その後,政治経済学では,高木幸二郎『恐慌論体系序説』(1956年)をはじめ,多く の学問的業績が積み重ねられてきている。・・・/ 書評 宇沢弘文著『経済学の考え方』 (岩波書店,1989年) 杉野圀明/『立命館経済学』 第71巻 第1号 2022年5月、http://ritsumeikeizai.koj.jp/koj_pdfs/71106.pdf 
・・・因みに、[目下、トランプ一族が関与する暗号資産WLFI、https://wired.jp/article/trumpcoin-launches-with-a-whimper-not-a-bang/ 
・・・参考/ポンジ・スキームとは?(補記、orbitofrontalcortex/経済に潜むオレオレ orトクリュー?詐欺/日経サイエンス)
https://www.nikkei-science.com/201409_098.html 

(2)宇沢弘文は、まず以下のように具体的な分析対象となる柱を立てる

・・・つまり、宇沢の計量経済学は一般的に数値計算シミュレーションのジャンルと理解しておくべきことになる・・・

①     需給の不一致

・・・ある市場においては、絶えず需要と供給が一致せず、在庫や失業が発生することを前提とする。

②     時間軸に沿う分析(動学的分析)
・・・経済の変化を時間軸に沿って動学的に分析し、その不均衡がどのように解消されるか、あるいは悪化するかを探る。

③     マクロ経済モデル
・・・マクロ経済全体の動きを捉えるため、複数の市場やセクターを含むモデルを構築し、それを使用する。

(2)テンソルか? 数値計算シミュレーションか?の問題

主に以下の理由(●)によって、宇沢弘文の不均衡動学理論は、数値計算シミュレーションのジャンルに属する。そして、同シミュレーショでは「回帰分析、時系列分析」などの分析手法が実行される。

●数値計算シミュレーション・モデルが、「リアル動態」(動学的な分析)においては、“より適格な手法”と考えられる。それは、テンソルよりも数値計算シミュレーションの方が、“the margin”は、より小さくなると考えられるからである。

・・・まず経済モデルを構築し、そのモデルを用いてシミュレーションを行うことで、リアル経済の動きを予測・分析する。具体的には、微分方程式や差分方程式(初期値が与えられたときに値の数列を定義する方程式)を用いて経済の動態を計算する。

・・・一方で、純粋に科学的ツールであるテンソルを動学的な経済モデルの計算で使うのは、あまり相応しくはないと考えられる(the margin の問題が過剰に大きくなりえるため?!)。従って、計量経済学は一般に数値計算シミュレーションのジャンルであると理解しておくべきだが、分析対象が下のような柱となる場合にはテンソルが使われることもある。
 
多次元データの処理・・・経済データは多次元であることが多く、例えば、国別、年別、産業別のデータを同時に扱う場合、テンソルを用いることで効率的にデータを整理・分析できる。

投入産出分析・・・産業連関分析では、各産業間の投入と産出の関係を行列で表現するが、これをさらに拡張してテンソルを用いることで、より複雑な経済構造をモデル化できる。

高次元の経済モデル・・・複数の変数が絡む高次元の経済モデルを構築するとき、テンソルを用いることで、変数間の複雑な関係をより正確に表現できる。例えば、消費者行動や市場のダイナミクスを詳細にモデル化する場合などに有効である。

しかも、近年は「AI機械学習(DL)での経済モデル分析」が一般化しつつあり、テンソルが使われるケースも増えつつあり、これらの場面では、テンソルを用いることで経済データの複雑な構造を効率的に扱い、より精度の高い分析が可能となっている(但し、その高精度の分析が、the margin の問題の回避の有無とは別問題であることに十分に留意すべき!)。

つまり、その一方で「AI-DL(深層ディープラーニング)」の分析結果と「リアル実在に関わる経済」との間には、従来の「数値計算シミュレーション」よりも、より大きい「the margin」の問題が潜む可能性のリスクを考慮すべきである。

従って、「宇沢弘文が遺した“経済学におけるフィデュ―シャリー・デューティー(fiduciary duty/政治権力等サイドの受託者責任)”/Cf.↓★」、および「(既述の)ピーター・ティール、イーロン・マスクらが信奉する、『ミルトン・フリードマンの市場原理主義の誤謬』」の問題についてのリアルな理解が、益々、重要になると考えられる。

★大格差、温暖化、新コロナ、トランプ残像で煩悶する世界!が、今こそオミクスと不均衡動学(宇沢弘文/新自由主義の天敵)の『自由の知』、フィデューシャリーヘ果敢に挑戦する時!(2/6) https://note.com/toxandoria2/n/nea8fd36e81b0

<注記>「水月湖の年縞」に関わる研究の第一人者である中川 毅氏が構築した、【近似モデル・シミュレーション】(コンシリエンスな古気候学の視座から地質時代の地球気候の様相と現代の『暴れる気候』の動向を探るためのシミュレーション)も、テンソルではなく、矢張り、宇沢弘文の「不均衡動学理論」と同じく「数値計算シミュレーション」重視であることに留意すべきであろうそれは、中川・宇沢両氏の一連の研究が、些かでも、地球の自然環境圏内で生きるヒトを含む「個体生命」群にとって、より有意であるような結果をもたらし得ることへのヒューマンな配慮(『the margin』なる余地の幅が、少しでもより小さくなり、その生命圏で生きる個体生命らにとり、より貢献し得るようになることへのコンシリエンス的な視点ゆえの非常に慎重な配慮の賜物i.e.数値計算シミュレーションが機械的テンソルより人間的な操作)である、と思われるからだ。(乞参照→『第4章』)

・・・

[補足2]空海『両界曼荼羅/金剛界・胎蔵界』風・・・『暴れる気候?』の残暑に喘ぎつつ、“空想・妄想・連想”エトセトラ

◆過去&未生も含む個々の全人生(Dasein)は固より全情報が存在する0ポイント?仮説は何処までも仮説!たとえ実証で公認されても何れ覆え得る鴨?が科学のオルトテーズ!∴科学リテラシ―こそ先決!さもなくば、殊に日本国では愛国原発、愛国デブリor愛国核廃棄物すら出現しかねぬ!?/苦w →元内閣官房参与、田坂広志・多摩大学名誉教授(専門:原子力工学、核廃棄物)が「死は存在しない」と主張する「科学的な理由」…まったく新しい世界観「ゼロ・ポイント・フィールド仮説」とは何か?@講談社

https://x.com/striatumxname/status/1833643526258901177

https://gendai.media/articles/-/136527 
https://x.com/striatumxname/status/1833643526258901177

関連情報/二人の魔術師、マルティン・ハイデガー Vs ピーター・ティールが象徴する科学知❝差分❞の問題、i.e.<「科学モデル ⇔ 実在」間の余地 ( the margin)>なるアポリア! ∴ 吸血鬼?ピーター・ティールに対抗できる、真に挑戦的ハイデガーの実存への回帰が必然!https://x.com/striatumxname/status/1833644804888269063

原資料/田坂 広志【著】死は存在しない―最先端量子科学が示す新たな仮説(光文社新書)https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784334046309

反面教師的資料(再録↑)/死は悪であり、間違いであり、われわれは、死を受け入れるべきではないという考え方がある。可能な限り、あらゆる手段を使って死と闘わなければならないと考えています。@ピーター・ティール、https://x.com/striatumxname/status/1833645789811511785

https://x.com/striatumxname/status/1833645789811511785

補記/当「ゼロポイントフィールド」or「量子色力学(QCD)」等の量子物理上の諸仮説と「理由の空間、i.e.リアル日常」とを仲介するハードプロブレム意識(or哲学・宗教的認識)の例解が、例えば[“空海『光』の閾値”風、「両界曼荼羅」の現象的意識、https://note.com/toxandoria2/n/nd729ef727fcf ]では?とも思われる。https://x.com/striatumxname/status/1833687441880047825

https://www2.kek.jp/ja/news/press/2007/supercomputer2.html

補記/過去&未生も含む個々の全人生(Dasein)は固より全情報が存在する0ポイント?仮説は何処までも仮説!たとえ実証で公認されても何れ覆え得る鴨?が科学のオルトテーズ!∴宗教・哲学も視野に入る、正当な科学リテラシ―こそが先決!だとすれば、ハードプロブレム“認識論”風の解釈として、「古代インド→古代中国→古代日本」と、インド密教(技術知et哲学知が混在する)が変質する過程で“釈迦”仏教(そもそもインド密教における釈迦は大宇宙の理法を守る“三大守護神“の一隅であったのだが…)が芽生え、やがて「完成された“純粋”仏教哲学」の形で古代日本へ伝来してきており、その最後の日本仏教が確立する重要な過程で偉大な重責を担ったのが空海である、という解釈も成り立つのではなかろうか?
https://x.com/striatumxname/status/1833695622727442865
https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=2649

[追補]「生成AI」時代にこそ必須となるアナログモーダル・リテラシー

・・・「生成AI」(マイクロソフト‐Copilot、Google-Gemini)試用(中)の偽らざる感想・・・ 
 

●生成AIの核心と言えることは?
 

・・・それはヒトへの『“四つん這い化”』強制、i.e.究極の機械支配(@ユク・ホイ/orハイデガー:Cf.↓★)なる、「マンスプレイニング(mansplaining=man+explain)のジャンル」と思われる。故に、如何に賢く使いこなせるか?だが…、そこでは “casting pearls before swine”ならぬ、“Everything comes in handy when used right”が重要かも(因みに、皮肉にもこのAI-Webテックによる“ヒトの『“四つん這い化”』強制”に成功している典型事例が、目下、流行中?の闇バイト事件&マイナ保険証マターなのでは!とさえ思われる!/苦w)。無論、これは生成AIに限らないので、「AIテック」の全般に言えることだ。

・・・ともかくも、これからの時代はa「その技術的な進化に合わせつつ生成AIの舞台裏のキモを理解しておくこと」が、b「ヒトらしく生を生き抜く」ために必要なベーシック条件になると思われる。

(要参照資料)

西田宗千佳・著『生成AIの核心―“新しい知”といかに向き合うか―』-NHK出版新書-

https://www.nhk-book.co.jp/detail/000000887052023.html?srsltid=AfmBOoqEERc5nen_KUYgWeY2dxPs1siUT43eiyslWdrIXj6kGnjxsiF9

 [1]生成AIの舞台裏のキモとは?

●「ChatGpt革命」なる、ユーザー・インターフェース革命のキモは“文章で命令を与える”という、極めてシンプルな方法を採用したこと。

・・・その意味で、例えばオープンAI(ChatGpt)と資本的にも協力関係にあり、かつ「Bingチャット検索」(生成した文章の基になった根拠の情報源をリンクで埋め込む/i.e.マイクロソフト独自の開発技術『プロメティウス』が検索した結果を埋め込む)でも同社と協力関係にあるマイクロソフトの「Copilot」なる名称は、まさに正鵠!であり、トランスフォーマーの先導者であった筈のグーグル(チャットAI・Bard ⇒ Google-Gemini,ヘ移行した)は出遅れなのか?という問いが生まれる。

・・・しかし、必ずしも、そうとは言えないようだ。それは、グーグル首脳が「生成AIは常に正しい答えを出すわけではない!グーグルは、正しさに対するこのような慎重さの自覚を如何に“正しい答え”に近づけられるか?を計っているところだ」と語っているからだ。一方で、LLM(大規模言語モデル)での多言語化を先導したのもグーグルである。

●Gpt(Generative-Pretrained-Tranformer)のTranformerについての、その的確な日本語での表現は見当たらないが、この「トランスフォーマー」(Tranformer/原義=変圧器)こそが、AI(生成AI)の全てであると言っても過言ではない。

・・・即ち、「トランスフォーマー」とは、そもそも機械学習の心臓部であるニューラルネットワーク(人間の脳の神経回路を模した抽象的な数理モデル構造)のことであり、ヒトの脳の働きを模倣するものではあるものの、生きた肉体とも何等かのオミクス的な回路網を持つヒトの脳(i.e.アナログモーダル意識の在処
(@中村靖子・編『予測と創発』-理知と感情の人文学-春風社-、http://www.shumpu.com/portfolio/903/とは本質的に全く異なる!

http://www.shumpu.com/portfolio/903/

・・・トランスフォーマーでは、LLM(Large Language Models、大規模言語モデル)を“本格的に超大規模化”することで、言語の壁を一気に越える(多言語対応が可となる)という「驚くべき現象」が実現されている。(そもそもAI翻訳もLLMで行われてきた…)

・・・いわば、「LLM大規模化のトレンドが一定の閾値スケールを越えたことで、一気に多言語翻訳が実現した」というのが実情らしいのだが、突然、ナゼそれが実現したかは説明不能(ブラック・ボックス/↓●)のままである。…

●生成AI(AIテックのジャンル)が抱える、5つの「不都合な真実」とは?

AIの学習(機械深層学習、DL)に多くの人手がかかっている。i.e.一握りのデジタル貴族層(創造的プログラム作りに取り組む)に対する多数の「デジタル小作人」労働(膨大で不毛、かつ非人間的、非人格的なそして、膨大な単純作業の延々たる繰り返し)の存在

・・・i.e. 例えば「教師あり学習」で教えるための膨大な量の「ラベル付け作業」らの殆どはヒトが分担して行っているが、高い賃金は支払えず最低賃金で、これが実施されている他にも、自動化作業もあるとはいえDL全体ではヒトの手作業が必要となる部分がかなり多い

AIの学習(機械深層学習、DL)には少なくとも「数学洗浄(Mathwash)、ベイズ推計、深層(中間層・最下層)ブラック・ボックス(DL全体にもブラック・ボックスがある)」らの3つの未知数がある

・・・これらMathwash等の諸問題については、下記(▲)を参照乞う。
▲一視望観の『光の閾値』、ナノメートル特異点は「唯の生」(散逸構造)に必須の自由エネルギー&オルトテーズのトポス/「唯の生」が協有する”文化とコモン”はデジタル戦争の天敵 https://note.com/toxandoria2/n/nd729ef727fcf

③そもそもAIテックでは、大規模学習(機械深層学習、DL)らのため膨大なエネルギーが消費される(Cf.↓★)

・・・生成AI用の高性能サーバーにおいては、同じく高性能で、大容量のGPU(Graphics Processing Unit画像処理に止まらず、大規模の並列処理でその能力が活用されている)を組み合わせたもので学習&推論が実行されており、例えばオープンAI社が、どれだけ大規模なサーバーで、どれだけ大規模な電力消費量であるかは非公開となっている。Cf. →「AIで電力需要「爆発」予想 ChatGPTに質問、…20240609朝日、
https://www.asahi.com/articles/ASS672QQ4S67ULBH005M.html

★ 衆院選 エネルギー(フクシマを忘れた脱炭素 et AI-IT“両印籠”下の原発回帰で、地震列島日本の安全保障を根こそぎに脆弱化し得る/補記、toxandoria) 原発回帰でいいのか 20241015朝日社説、
https://www.asahi.com/articles/DA3S16064595.html?iref=pc_rensai_long_16_article

④もっともベーシックなインターネットリスクの最たるものとしての「無数のアナログ海底ケーブル蛸足の存在(物理的リスクの点でアナログに近い/∵光通信全体はアナログ(連続量の光通信)とデジタル(離散量)の両技術が複雑に絡み合ったシステムである!)」なる問題が存在(コレは、生成AIに限らぬ問題だが…)
(Cf.↓♨)

♨「インターネットリスク」の最たるものが「無数のアナログ海底ケーブルのタコ足(物理的リスクの点でアナログに近い?)」という諧謔的な皮肉! 
https://note.com/toxandoria2/n/n0789de1f3572

⑤アナログ・デジタル両半導体に関する「ムーアの法則」の壁の問題…早ければ、数年以内?遅くとも10年以内には、その「壁」にぶつかる鴨?(Cf.↓◆)

◆半導体「微小化」に関するムーアの法則が限界値(1nm以下)に達するのが凡そ数年後との予測もあり(https://news.mynavi.jp/techplus/article/20211202-2210314/)特に、先端AI-IT分野での出遅れが恒例化!の日本は、世界グローバリズム一穴のモノカルチャー没入の代替策をもリアルの視野に入れるべき時では? →半導体装置メーカー、インドに供給網「脱中国」で商機/ディスコなど日本大手も進出検討20240614日経
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC11CM00R10C24A6000000/ https://x.com/striatumxname/status/1803167681232920769

・・・

[付言]★斜光のオルトテーズ(Gestell両義性についての小論考)

『“四つん這い化”AIテックなる究極の機械支配』(@ユク・ホイ/or ハイデガー)が意味すること?

それは、ハイデガーが、現代技術は単なる道具や手段を疾うに超えており、世界そのものをある特定の仕方で(機械自身のため、または機械の事実上の“特定”の所有者のために!)「用立てる」(Gestell)存在と化していると捉えていた、ということである。

因みに、このハイデガーの視点が重要なのは、その「機械の“事実上の特定の所有者”のために!の❝所有者❞を、❝遍き唯の人々のため❞へ置換できれば、❝機械を遍き唯の人々が協働のため利活用❞するという方向への発想転換が可能であることだ。更に、ユク・ホイは、この「用立て」なる『倒錯』について、それは人間を自然から切り離し、自然と人間の両世界に対し「日常の世界を計算可能な資源へと変貌させてしまう」(デジタル小作人ニッポンの象徴たる闇バイトマターの根本も此処にある!)リスクをもたらす(疾うにもたらしている!)とも考えている。つまり、ユク・ホイは、この状況下で油断すると、人間は「四つん這い」にされた如く、技術によって完璧に支配され、その技術(機械)の論理に一方的に従属させられるという比喩表現を使って、現代社会の機械化に対する危機感を表現した訳である。

今後の問題としては、「AGI(汎用AI)がファイナルターゲットである」とされつつも、目下、進化途上に見える「生成AI」が、真に、ヒトのために役立つもの(オルトテーズの実存性を帯びた、真にヒトのDaseinのため役立つもの)となることを願いながら、一方では深刻化するばかりの地球の自然環境・エネルギー・資源問題らとどのように折り合いを付けて、それらへ現実的に取り組んで行けるのか?との難題が人類へ突けられているように思われる

それにつけても、再び、我われはこの「生成AI」なる時代の先端技術にまつわる諸問題の根本には、矢張り「the margin 」(=différance@ジャック・デリダ)、i.e. [科学知❝差分❞の問題;「科学モデル ⇔ 実在」間の余地(the margin)なるアポリア]が横たわっていることに気づかされるはずだ。

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◆余韻/特に、国民の言語&デジタル理解力を過小評価する河野ゲジ大臣の余りにも卑屈な「ド・デジタル小作人根性」が、逆に、「大失敗作、マイナ保険証に対する自画自賛の過大評価」に繋がっているのではないか!? しかも、絶対に政府自らの失敗を認めようとせず、下(♨)の如く総額・約2兆円???もの巨額国費を蕩尽して、複雑怪奇なマイナ保険証“バカデジ?体制”をでっち上げる羽目となっている!だからこそ、川添愛・著『言語学バーリ・トゥード』でも読んだらどうか?w Cf. https://tokyo-np.co.jp/article_photo/list?article_id=132999&pid=473474

♨健康保険証の発行は12月終了、受診はどうなる?マイナ保険証へ一本化予定だったが複数の方法が選べる(←コリャ何だね!?/補記、toxandoria)2024/10/20東洋経済、 https://toyokeizai.net/articles/-/834257?display=b  



◆P.ティールやE.マスクら“吸血鬼”派が熱望する?ヒト並に笑わせたり、泣かせたりするのは諦めたのだろうか?ともかくも、生成AIが身分相応の方向を向き始めたのは良しとすべき鴨?W/Cf.↓♨ ⇒GPT-4oを圧倒、オープンAI新モデル「o1」に注目すべき理由20240919 MIT.Rev. https://x.com/striatumxname/status/1837661088219123899

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◆【「オープンAI新モデル「o1」に注目すべき理由↑」への期待(専門知支援機能への特化!)は大きく裏切られた可能性が高まった鴨?! ∵ミラ・ムラティ最高技術責任者(CTO)の今回の突然の退社劇はオープンAI社内における「生成AI“客観的主体化”(i.e. “AI御託宣効果“第一主義(≒AIレコメンド効果/@大澤真幸氏)」をめぐる苛烈かつ先駆的な闘争を象徴する出来事の可が大きいから!】最高技術責任者ミラ・ムラティCTOの退社理由は「彼女自身の探求の時間と空間」確保のためらしいので、矢張りサム・アルトマンも既にオープンAIを離脱したマスク(X社オーナーの)と同轍で「営利」傾斜へ転じたのであろう。 ⇒オープンAI幹部退社へ20240927朝日、https://www.asahi.com/articles/DA3S16044538.html  https://x.com/striatumxname/status/1840133641432903862

◆【愈々、薄氷のオルトテーズが問われる自民党?】“国民の皆様方はなお自民党を信じていないかもしれないが私は国民を信じ逃げることなく正面から語る自由民主党を作ってまいります”、もポイントだった鴨? ⇒「あれで石破さんに決めた議員は(et 石破自民を指示した国民も)多い?」 決選投票前、最後の訴えで石破茂氏が語った「お詫び」自民総裁選:20240927東京、https://x.com/striatumxname/status/1839675677408371121

の・・・ ⇒連想的関連/【自身が総裁になった場合、“教団”との関係について何らかの再調査を行うという方がいらしたら、挙手をお願いします/TBS小川彩佳アナ】:「勇気ある発言に鳥肌立った」総裁選候補者全員ダンマリを決め込んだ、小川彩佳アナの鋭い質問20240926週刊女性PRIME(←しかし、一度、❝統一&ウラ金❞で捨てられた筈のチャッカリ裏男、萩生田光一は石破自民の❝奥の院❞に舞い戻っていた!) #Yahooニュース  、https://news.yahoo.co.jp/articles/42b33ce443eca5c803d80102c177d80503e041e7

(完)

 



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