国宝・犬山城の移築門を訪ねて
愛知県にある犬山城は、国宝5天守の一つとしてあまりにも有名です。
天守の築造年代については、建材のケヤキ材が1585年~1588年に切り出されたことが調査によって判明。1580年代後半につくられた「現存最古の天守」であると確認されました。
「現存最古」の国宝天守
天守の形態は、古風な「望楼型」。三重四階・地下二階であり、上まで登るのは大変です。
犬山城天守の屋根には、縁起が良いとされた桃をかたどった瓦が載っています。
最上階には高欄(ベランダ)があり、外に出て景色を楽しむことができます。眼前には木曽川が流れ、背後の堅固さが分かります。
最上階の壁には、花頭窓(かとうまど)という形の窓がついています。よく見ると実際の窓ではなく、木材を貼っただけの飾りです。
犬山城の堅固さ
犬山城といえば天守ばかりが注目されますが、登城路にある大規模な空堀も見逃せません。個人的には、犬山城の中で最も「城らしい」眺めです。
犬山城はあまり大きな城ではありませんが、木曽川に臨む丘の上に築かれた「後堅固の城」でもあります。
中国・長江に臨む白帝城にちなみ、犬山城も「白帝城」の異名を持ちます。
各地に点在する移築門
犬山城の敷地に現存する建築物は天守のみ。しかし、いくつかの城門が移築され、現存しています。
①瑞泉寺
犬山遊園駅が最寄りで、犬山城の東に所在。
②常満寺
犬山城の南、城下町の中に所在。
よく見ると、犬山城のトレードマークといえる桃の瓦も載っています。
③専修院
名鉄犬山線柏森駅が最寄り。訪問したものの、写真を撮るのに失敗しました、無念…
④徳林寺
専修院と同じく柏森駅が最寄り。山門は犬山城の「黒門」でした。
また、徳林寺の中門は、近くにあった小口城主・織田広近が文明7年(1475)に建立した門で、大口町最古の建造物です。
⑤浄蓮寺
一宮市にあり、名鉄犬山線の布袋駅が最寄りです。山門は、かつて犬山城松の丸の表門でした。
周辺に点在する移築門を回ると、丸一日楽しめます。国宝天守だけではない、犬山城の楽しみ方です。
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