トップガンマーヴェリックの謎を解け‼ #10
コラム3
2分30秒に賭ける者たち
えっ?3章が始まったばかりなのに、またコラムですか?
とあきれることなかれ、この後、3章はまだ続きます。
その前に『このミッションにおいて最大の敵は時間だ』と言われる
あの2分30秒です。
トップガンマーヴェリックの謎を解くにはまずは敵を知ることから、という事なのですが、“3.1 ミッションの謎”での2分30秒の考察が、中途半端だったかなと反省することしきり。
もっと腹落ちできる答えを求めて、違った角度から検証してみることにした訳です。
“3.1 ミッションの謎”では2分30秒というタイムリミットの絶対値に対する検証をあっさりと諦めてしまいました。
それもそのはず、計算上は時間=距離÷速さで求めることができ、速さは幸いにもマーベリック本人の口から最低660ノットという値が出てきています。
あとは渓谷突入からウラン濃縮プラントまでの渓谷に沿った経路の距離が分かれば万々歳ですが、これはどうにも知りようがないので、時間の妥当性も式からは求められないことになります。
そもそも時間の長さというのは実に主観的というか、測る尺度が一定ではなく、たとえ距離が分かったとしても、2分30秒という時間の長い短いという感覚はそんなに簡単には表せません。
たとえば渓谷抜け飛行をするトップガンのパイロット本人にとっても、気持ち一つで長短は変わる事でしょう。
特に訓練開始直後などは、慣れない危険な旋回を崖ギリギリで繰り返さないといけないと思えば、こんなことを2分30秒も続けないといけないのか、と非常に長く感じるものですし、同時にこの地点まで時間内に到達せよといわれると2分30秒は短すぎると思えるでしょう。
この2分30秒をもっと確かな尺度で表したい!どんな方法があるか考えてみましょう。
うーん。ルースターは1分超過(すなわち3分30秒)でもいいんじゃないですかー。と言っていたので、間をとって3分でどうだ!
3分といえばやはりウルトラマン!じゃなくカップラーメンが出来上がるまでの万国共通の標準的時間です。
これだ!ということで。
ジャガジャン‼
カップラーメンは2分30秒で食べるとどのくらい固いか実際に体験してみました。
供試体は全てのカップラーメンのルーツであるカップヌードル。
キッチンタイマーを2分30秒にセットし、熱湯を一気に注ぐやいなや、計測スタート。
目の前でタイマーが刻々とカウントダウンするのを眺めていると意外と長く感じます。いやそう思って油断して、スマホなんかをいじっていると、気づいた時には時間を大幅に過ぎ、麺がのびのびになっていることが良くあります。
集中集中。“ピピピ”と鳴るやいなや、即フタを取りいざ検証。
うん?見た感じほとんど出来上がってますね。
いや箸ですくってみると麺のほぐれがやや悪い。
そして口に入れると、うーんうまい。
いや何も考えず食っちゃあいかん。麺の固さはアルデンテと申しましょうか、やや噛み応えがある感じ。
エビはそれよりもっと固め。
まぁダメではありませんが、まぁあと30秒くらいなら待った方が無難かなという印象です。
それでは判定は!?
カップラーメンの出来上がり判定に関する公差があるとすれば、2分30秒いうのは、マイナス公差ギリギリですね。(実験による世界初の認定)
言い換えると2分30秒のリミットを越えるとカップラーメンは出来ている!と判断されても仕方がないということになります。
そこでトップガンマーヴェリックのウラン濃縮プラントエピソードの裏にこんなストーリがあってもいいのでは?と作ってみました。
ダガーズ、渓谷侵入! 一つ目のSAM通過、
探知されていないようです。
油断するな。
ならず者国家基地
ピコ。あれ?またレーダーのセンサーがなんか反応しましたよ。
えー、また誤作動じゃないの?
先週もレーダー反応してましたよね。あれって結局うちの戦闘機発進させたんですっけ?
いやー、いっつも誤作動してるって、パイロットがブーブー言って、結局発進しなかったな。
後で総統から、こういう油断が命取りなんだ!って処刑されてたけど。
えー、実は敵機来ちゃってたんですか?
いや結局誤作動だったってことらしいぞ。
それで処刑ですか?さすが、ならず者国家ですよねー。
ということで第5世代戦闘機で待機中のニッシン大尉。誤作動と思いますが、発進願います。
(注:ブーブー言って発進しなかったパイロット; マルチャン大尉は罰として、額に”肉”と書かれたペールオレンジ色のヘルメットを1週間被らされていたことがわかりました。)
第5世代戦闘機コクピット内
いやー、今昼ご飯でちょうどカップラーメンにお湯入れたところなんよ。ちょっと待ってって。
でも大尉、カップラーメン“秒”で食べれるって言ってましたよネ”
そりゃー待機中はいつもカップラーメンでお昼だから、パイロットはカップラーメン早食いできる精鋭ばかりだぜ。
このチームの名は…Cup Gun。
じゃあ早速“秒”で食べて発進願います。
チョー待ちー。出来上がったら秒で食べれるけど、今お湯入れたところって言ったやん。
じゃあ何分で出来るんですか?
いや知ってるでしょ。3分が国際標準ですよ。
スクランブルですよ。3分も待てませんし、ならずもの国家は国際規格批准してません。
うーん、しゃあないね。自分の経験だといくら短くても2分30秒やな。それ以上短くするとカップラーメンが出来たとは言えんよ。
わかりました、じゃぁ2分30秒経ったら“秒”で食べて発進してくださいよ。
はいはい。よしあと3秒,2,1 ドガーン‼
最近のカップラーメンて出来上がると盛大な爆発音するんですね。
いやー、ありゃウラン濃縮プラントが爆発した音やね。
その前に滑走路、トマホークでボッコンボッコンになってますよ。
カップラーメンのカウントダウンに夢中で気づかんかったわ。
ほな、あとは今飛んでる戦闘哨戒機にまかせて本日はこれまで。サイナラ。
ちなみにマーベリックが見事に成し遂げ、ハングマンにDamn!と言わしめた(吹き替え版だと『すごい!』ですが、私はこちらの方が素直なセリフで好きです。)2分15秒にも挑戦!(あっカップラーメンの話です)
キッチンタイマーでは10秒単位でしか測れないのでスマホでカウントダウン。(中略)出来ました。
さっそく試食(もたもたすると時間がたってしまうので、熱いですが、すぐに口に入れる。昨日の夕飯の鍋でちょっと口の中を火傷しているので、このミッションもかなりの危険が伴います。)
蓋開けて箸をグサッ! ん?固体っぽいな。いや麺はいつでも固体なのですが、ほぐれにくいというより、お湯を入れる前のあのカップの形を崩したくない‼と抵抗している感じ。
はたして麺を口に入れると明らかに、明らかに固い!
これはアルデンテという言葉を1回日本語にして、再びイタリア語に再翻訳することで変化した概念からも明らかに外れている。
そして問題の具。
一番の鬼門であるエビは、もちろんカッチカチです。
更にあのカップヌードルについている謎のサイコロ型の肉。カリカリとスナックのような音がします。
そして海のほうから飛んできた第5代戦闘機ばりの伏兵が最後に現れる!お湯も沁みやすく、こいつだけはふわっとしているだろうと期待した玉子が意外にも一番歯ごたえがありました。
2分30秒と2分15秒、たったの15秒の差なのですが、これこそマーベリックとその他のトップガンエリート(いわゆるbest of the best)との差なのですね。しかと体感しました。