R&DのRの方の話・書籍「デジタルゲーム研究入門」
編者の小林信重さんから新刊「デジタルゲーム研究入門:レポート作成から論文執筆まで」をいただいた。Research & Development(研究開発)でいえば、デジタルゲームの研究(R)についての入門書という位置づけだ。
修士課程に社会人入学したのは32歳の時で、中長期的に学び足しておいた方がよいと考えたからだ。大学1年(1993年)9月の講義で初めてインターネットに触れて、これを仕事にすると決めてから、ほとんど計算機室(コンピュータ演習室)にこもっていた不真面目な学生だったから、同窓生からしたら博士課程にまで進むなんて想像もできなかったことだろう。研究分野は教育工学。
学部生の頃に取った科目の一つに「教育方法論」があった。その中で示されている基本メソッドの一つに、達成させたい学習目標(ゴール)に対して、それを理解する為に必要な前提知識を単元(ミニゴール)として設定するというものがあった。教科書を用いて行われてる教科ほぼ全てで行われている手法だ。ミニゴールをクリアする達成感を味合わせることで、モチベーションを維持しつつ、最終ゴールまで導くという基本メソッドだ。
これはゲーム研究の立場からは、「ゲーミフィケーション」の一つの側面として捉えられる。最終ボスを倒すまでに中ボスをクリアしていくような段階を設けるゲームの構造が、教育の基本メソッドと類似していることから出てくる観点だ。
同じものに別の名前を付けただけという考え方もできる。しかし、別々の視点から同じものを見て、両者の観点を合わせ持てるようになることは、新しい価値=サービスや製品を創出・開発する種となる。
新しい観点を得ようとして、いきなり研究論文を書くのはかなりハードルは高いが、近いことを話しているかもしれない分野の論文を読んでみて、そこに出てくるキーワードや参考文献を辿っていくだけでも得られるものは多い。
この時、論文には書き方のフォーマット(お作法)があるので、それを理解した上で読むと、専門外でも大意はつかめる。これについては、書籍の第2章「研究の進め方・準備編」に詳しい。この書籍は当然ながら研究者が書いているので、その書き方や観点の基本を理解する為にも序章の次に読むべきは実は第2章。
というわけで、デジタルゲームに限らず、論文の読み方を知るためにも、この本は一度手に取ってみるのがオススメ(大事なことなので2度リンクした)
※プロフィールとかはこちら↓
→ 書いてたならなんとなく欲しくなったモノたち
↓こちらに転載しました