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冬へ向かって、サザンカ開花。冬咲く花の生存戦略
皆さんのまわりでも、そろそろ冬の花、サザンカが開きはじめてはいないでしょうか。
朝の気温が10度を下回り、日中の気温も15度を下回るようになって、グッと冬らしさが増してきました。
毎年、この花が咲くと冬のはじまり、というイメージがあります。
冬の花の代表、サザンカ
サザンカは、赤も白もあって、庭木、生垣、公園樹に多いおなじみの冬の花です。
童謡「たき火」の中で、冬の風景として歌われていることでもおなじみですね。
ツバキに似ていますが、花びらがひらひらと軽く華やかなことが多い印象です。
違いは、サザンカは花弁が1枚ずつ独立しているのに対して、ツバキの花弁は根本でつながっていること。そのため、花が終わるときサザンカは花弁がハラハラと散って、椿は花首からぽってりと丸ごと落ちるのだそうです。
言われてみると、そんな感じですね。
原種のサザンカの花は白色で、花弁は5〜7枚とのこと。
庭木や公園樹では、紅色で八重咲きの品種がよく目につきますね。
冬に花を咲かせるとライバルが少ない!?
植物の生存戦略が好きです。
個性豊かなどんな植物にも、生き抜くための理由があって、無駄なことには決してエネルギーを使わないと聞きます。
では、サザンカやツバキが、冬に真っ赤な花を咲かせるメリットってなんでしょう?
わざわざ雪が降ることもある冬にがんばって花を咲かせるのって、不思議ですよね。
いくつかの説を調べてみました。
やはり「ライバルが少ない」ことが、一番のメリットのようです。
落葉樹が葉を落とすころから咲きはじめるので、日陰が少なくなり、日光を独占できます。
冬越しに備えて力をつけたい虫たちも、集まってきます。
さらに、雪が降る季節は小鳥が飢える時期。真っ赤な花は小鳥の目に止まりやすく(秋の実には赤いものが多いですね)、ヒヨドリ、メジロといった鳥たちが、根本の蜜を吸いにくるのだとか。
円形の花はパラボラアンテナのように熱を集めるので、花の中心部はあたたかく、ハエやアブなどの冬も活動する虫が集まってくる、という説もあるようです。
ツバキの花はそうやって受粉した結果、椿油が採れるほどたくさんの種をつけるわけですから、「冬に咲くのが結構お得」なのは、間違いないようです。
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個性が咲ける季節と場所がきっとある……はず
春に咲く花、夏咲く花、秋に咲く花。
みんなそれぞれの理由があり、それぞれの生存戦略があるわけです。
条件のいい、みんなが咲く時期に咲かない冬の花には、そうする理由も強みもちゃんとある。
「私は、ほかの人ほどきれいに華やかに、目立つところで咲けないな」と思っている人でも。
自分の個性を知って、自分が生きやすい場所、自分が「らしく」いられる場所と出会うことができたら、誰もが「冬に咲く花」になれるかもしれませんね。