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縛られない、迷わない。「雑誌」的アプローチで広がる表現の楽しみ

noteの機能である「マガジン」って、「雑誌」のことですよね。
これ、おもしろいネーミングをするなあと思いました。

noteの「マガジン」を作ってみて思い出したのですが、私は雑誌ライターとして長く仕事をした経歴があります。

だから自分は、いろんな発信をするとき、自然に「雑誌っぽい」発想や構成を意識しているなと感じました。

かつてに比べると、販売数がめっきり減ってしまった紙の雑誌。
今は、廃刊も増えた雑誌。
でも、コンパクトな中に楽しみがぎゅっと詰まっていて、ジャンルについての専門性も高く、価格は単行本に比べるとお手頃で、たっぷりの楽しみや学びが得られる雑誌。

「雑誌っぽい」発想や構成って、どういうことでしょう?
あなたの表現や発信にも役立つかもしれません。


紙の雑誌は、こんな要素で構成されている

大まかにいうと、書店で買える紙の雑誌には以下のような要素が入っています。
あなたが好きな雑誌、最近手に取った雑誌も、こんな構成になっているのではないでしょうか。

巻頭記事、巻末記事、特集記事

表紙やもくじの目立つところに載っている、その号の企画記事です。
第一巻頭、第二巻頭と、複数あることもあります。
ページ数が多く、力が入っていて、取材やインタビューがしっかり行われていて、読みごたえがあります。

連載記事

特集記事よりはボリューム小さめの企画のページになります。1本1本は短めですが、集めると結構なページ数がある場合も。
モノクロページが割り当てられていることも多いです。
継続して情報発信があるので、これを楽しみに雑誌が読まれる場合もあります。

コラム

多様なテーマについて、個人的な視点から書かれたエッセイ的な読みものです。
箸休め的に、軽く読むことができます。
また、編集部の記事よりも個人の視点がハッキリしていて、独自のおもしろみがあることが多いです。

グラビア

写真を中心とした、ビジュアル重視のページです。
女性やアイドル、モデルの魅力を引き出すためのビジュアルコンテンツのイメージが強いですが、もともとは写真製版による「グラビア印刷」ページのことを指します。

ピンナップ、ポスター

折りたたんで製本されたりはさみこまれたりしている、雑誌サイズより大判のページです。独立していて、切り取って飾ったり保存したりすることができます。

付録

小冊子、アイテムなど、雑誌本体以外のものが付録としてついていることもあります。最近は、この付録のアイテムの方がメインになっているような雑誌も多くありますね。

広告ページ

企業の広告ページです。読者に、ジャンルに関連した情報を届けつつ、広告主から収入を得る、雑誌にとってはなくてはならないページです。

読者ページ

読者からの投稿紹介を中心としたページです。読者と編集者、さらには読者同士の交流を促進する役割を持っています。
投稿が活発だと、雑誌のファンのコミュニティを形づくることもあります。

雑誌の記事はどのページも読まれている

いかがですか? 
大雑把にご紹介したので、出版業界の方からはツッコミが多々入りそうですが、「そう言われると、そんな感じかも」と思っていただけたのではないでしょうか。

雑誌の記事は、読者アンケートなどでフィードバックをとっていますが、おもしろいのは、「一番おもしろかった記事」と「一番つまらなかった記事」が同じだったりすることです。
誰もに人気がある記事というのはなくて、目立つ記事は、「こんな記事載せなくてもいいのに」という反発もあるのです。別の言い方をすると、巻頭記事にはそれくらい「強い」題材を持ってくる必要があります。

一方で、地味に見える連載記事にも、楽しみにしてくれる読者がいます。
連載記事を担当していたとき、「私は毎月、このページが楽しみで、この雑誌を買ったら一番に読んでいます」といううれしいハガキをもらって、私はそのメッセージをコピーしてずっと励みにしていました。

雑誌みたいに、noteやブログにもいろんなページがあっていい

何が言いたかったかというと、ブログやnoteで発信する場合も、「いろんな内容があっていい」のではないか、ということです。

たとえば。メインのお仕事や言いたいことに関する、しっかりと書いた記事は「特集記事」です。

メインのこと以外でも、関連して語りたいこと、定期的に話題にしたいことは、「連載記事」といえるかもしれません。

箸休め的な「コラム」も、あっていいですよね。穏やかな日常、癒されます。思い切って個人的な考えを強く出してみてもいいかもしれません。

写真をアップして短いコメントをつけるのは、まるで「グラビア」や「ピンナップ」「ポスター」みたいです。

Amazonアソシエイトへのリンクや、「お仕事」へのリンクは「広告」のようだし、コメント欄は「読者ページ」のよう。

……こうして考えると、noteやブログの中には、雑誌らしい要素が満載ですね。

自分の雑誌を作るような気持ちで

「こういうことを書かなくっちゃ」「こういうことは書かないように」とあれこれ考えがちですが、「雑誌みたいに書いてみよう」と考えると、選択肢が広がりませんか?

長い記事と短い記事が混ざっていてもいいし、軽い読みものとまじめな文章が日によってもあっていい。
毎月、毎週出るものだから、いろいろあっていい。

私はこれからも、そんな「雑誌を作る」ような気持ちで、文章を書いて、表現をしていけたら……と思っています。

あなたもぜひ、全部まとめて自分だけの「雑誌」を作るような気持ちで書いてみてくださいね。もっともっと、読まれる文章、書きたい文章が出てくると思います。


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