過去の"好き"が未来を照らす。懐かしい作品で描く自分史
昔、好きだった漫画、アニメ、本、ドラマ、映画などの作品はありますか?
その中で、どんなキャラクターや俳優さんが好きでしたか?
懐かしく思い出すと、あたたかい気持ちになるかもしれません。
先日、りんかい線「国際展示場」駅で見た、手塚治虫キャラクター陶板壁画をもとに、この壁画にいるキャラクターはどんな作品の誰なのか、覚えている記憶をたどりながら記事を書きました。
その後、あやふやだった記憶を確認するために、検索して答えあわせを追記しましたので、よろしかったら再度ご覧ください。
この答えあわせ表を作る作業が思いのほか楽しく、ついつい没頭してしまいました。
「懐かしい作品を思い出す」ことのメリットを、自分史の視点からご紹介します。
ただふわっと思い出すだけではなく、書き出したりしながらしっかりと記憶を掘り下げたり、実際に関連するものに触れてみるのが、実はとってもいいんですよ。
懐かしい作品を思い出すことは、ふりかえり・回想に役立つ
自分の人生のふりかえり……というと、「学歴」「職歴」、あるいは「家族の出来事」「記念日」などを連想する方が多いと思いますが、「自分史」では、そこからさらに、「社会の出来事」とつなげることをおすすめしています。
さらに、そのときその時代に流行していた、話題になった、また自分が好きだった、夢中になった、楽しんだものも、合わせて思い出すことをおすすめしています。
流行したもの
流行した言葉
映画
ドラマ
歌謡曲
本
アニメ
活躍したスポーツ選手
そうすると、自分の体験が単なる自分一人の体験ではなく、社会や世界とつながっていたことが実感できます。
また、見ていたテレビや映画の記憶が、自分の体験を思い出すきっかけにもなります。
記憶が芋づる式につながって、「そういえば、あんなことがあった」「こんなこともあった」「大好きだった」「楽しかった」と、そのときの感情まで生き生きと蘇ってくるでしょう。
子どもの頃は、無心に純粋に、好きなことを追いかけていたはず。
その中に、自分の価値観、何を幸せと感じるか、何を大切と思うかのヒントも隠されています。
作品やキャラクターたちの思い出が、癒しと生きる力をくれる
仕事や多忙でひどく疲れてしまって、気力がなくなり、うつっぽくなって落ち込むことはありませんか?
私は、そんな状態になったときに、自分が子供の頃好きだった漫画やアニメのことを思い出し、それらを読み返したり触れたりことで心が少し明るくなり、浮上できた体験があります。
そのとき、私の中でどんなことが起きていたのか?
こんなことが起きていたようです。
1.心理的な効果
子どもの時に好きだったものには、懐かしさと安心感があります。
純粋に好きだったもの、自分を楽しませてくれたもの。「あの頃は……」と思い出すことでノスタルジーも感じられます。
ノスタルジーは脳を心地よくし、活性化するともいわれているんですよ。
現実の問題から一時的に離れられるので、いい気分転換・気晴らしにもなります。
どうしても心配事が頭から離れないようなとき、頭を休憩させたいときにもいいでしょう。
「好きだった」「楽しかった」「おもしろかった」「夢中になった」という記憶を思いおこすことで、そのときの感情を追体験して、ポジティブな気持ちになり、気分の落ち込みが改善できます。
2.自己理解の手助けに
過去の自分が楽しんだことで、自分が本来どんな価値観を持っていたか、どんなことが好きだったかを思い出し、つながることができます。
また、自分がそこからどのように成長・変化してきたかの確認もでき、自分自身を見つめなおすことにもなります。
多くの作品では、キャラクターたちが困難を乗り越えて前へ進んでいきます。そうした物語に触れることで、自分も視点を切り替え、回復する力を得ることができるかもしれません。「物語の力」ですね。
3.社会とのつながりを確認
さらに、作品について大人になった今ふりかえると、どんな時代背景から生まれた作品か、好きな作家・監督・俳優のどんな位置付けとなる作品か、客観的に知ることもできます。
さまざまな時代背景と関連づけて、作品やキャラクターを理解することができるでしょう。
また、この話題を発信することで、「同じ作品を好きだった」「その頃私は何歳でした」と、共通の経験を広く共有することもできます。
家族や友人と語るのもいいですし、SNSならさらに話題が広がるでしょう。
具体的にできること
たまたま今回、私は駅で見た壁画がきっかけでしたが、大まかには次のような手順が考えられます。
1.好きな作品のリストを作成する。
2.関連する情報を検索する。
3.記事にまとめたり、感想や気づきをSNSで共有したりする。
リストを作るところまでは、たくさんの人がしたことがあると思いますが、もう少し深掘りしてみると、楽しいですよ。
過去の自分と現在の自分をつないで、明日へ
自分史の基本は、「点と点をつなぐ」です。
過去と現在をつなぐことで活力が得られて、この先に進むヒントにつながります。
そのきっかけとして、好きだった懐かしい作品のことを思い出して、少し深く考えてみてください。
私は2か月に1回、自分史のワークショップを開催していますが、8月には「夏の思い出」というテーマで、27年前のドラマ『ビーチボーイズ』の話で盛り上がりました。
スマホで調べてみれば、今はインターネットにいろんな情報があるので、驚くほどいろんなことが詳しく思い出せます。
その話をぜひ、noteやSNSで発信してみてください。
きっと思わぬところから、話の輪やつながりが広がるでしょう。