「マーケティングって何をすればいいの?」広告代理店1年目向けのマーケティング入門
マーケティングを学ぼうとする人であれば誰しも、
「マーケティングって範囲広すぎない?」と思ったことはあるのではないでしょうか?
「マーケティング」という言葉は、英語の「market」に由来しています。
「market」は、古英語の「market」や古北フランス語の「marchiet」にさかのぼることができ、これらの言葉はラテン語の「mercatus」に由来し、これは「商品の売買」「市場」を意味します。
マーケティングは、商品やサービスが市場で消費者に受け入れられるようにするための活動やプロセスを指します。
顧客のニーズと欲求を理解し、それに応えることによって、企業の利益を最大化することがマーケティングの目的です。
そのため、マーケティングには市場調査から商品開発、価格設定、プロモーション、販売戦略などが含まれます。さらには流通の最適化や生産コストの削減など、商品をつくるところから顧客に届けるところまで全てがマーケティングなのです。
マーケティングとは正解を求める行為ではありません。
最善策を打つのがマーケティングです。
最善策は常に変化しますし、必勝法も存在しません。
そのため、マーケティグにおいて重要なのは、市場環境の分析と、それを元に何をすればいいかという方向性を導きだすことになります。
ほとんどの場合、この市場分析しかしません。そのため、戦略自体の視野が非常に狭くなってしまいます。
そうならないようにするために、マーケティングにおいては、より広い視野で分析を行うと共に、常に問いを立てる意識が重要となります。
ここまで読んだ方は皆さんこう思っているのではないでしょうか?
「正解も必勝法もないって、つまりマーケティングって何なの??」
怒らないでください。気持ちはよくわかります。
よく巷には「絶対成功するマーケティング」という特商法ギリギリアウトな記事や書籍がありますが、中身はほとんど作者の体験談であり、実際は「〇〇社の△△という製品でやったら成功したマーケティング」ということで、何にでも使えるものではないのです。
MBAでは50冊以上の本を読んでマーケティングを勉強しますし、マーケティングにおける名著は数多く存在します。
しかし、それもまた一つの個人的な体験談に過ぎないのです。
聖書のような唯一絶対の一冊があれば、そんなに何冊も本を読む必要もないでしょう。
優秀なマーケターは、そういった数々の成功事例の中からうまくいく要素を取り出して引き出しにしまっておき、いざ自分がマーケティングをする際に取り出して使っているのです。
ここで考え方を逆転させてみましょう。
何があればマーケティングなのか、ということを言うことは難しいですが、最低限何がないとマーケティングと言えないかということは言えます。
それが、「生産」「流通」「販売」という3つのフェーズです。
市場分析や戦略立案は、この3つをどう最適化するかということを考えることなので、分けて考えた方がいいでしょう。
生産とは、原材料の仕入れ、商品の開発、量産化などの商品をつくるフェーズです。輸入や転売であれば商品を作っていないので、何を売るかを決めるフェーズ、つまり商品の確定フェーズとも言えるでしょう。
SNSにおけるインフルエンサーマーケティングにおいては、アカウントのコンセプト決めがここに当たります。
流通はその名の通り、商品を保管し移動させるフェーズです。効率的な輸送手段を選択すると共に、適切な在庫管理を行うことでコストを削減するフェーズと言えるでしょう。
スマートフォンのアプリケーションや動画やイラストを取引するオンラインモールのような実体のない商品を扱うマーケティングにおいては、この要素は極限まで小さいものになりますが、例えばデータのやりとりのための通信料や、データを保管するクラウドの使用料のように、作ることや売ること以外の概念として持っておくことは非常に重要です。
販売は商品を実際に顧客に認知させ、気に入ってもらい、購入してもらうフェーズです。小売店での販売や広告でのプロモーション、クチコミやSNSなど、多くの選択肢があります。
ちなみに、マーケティングにおいて最も重要な要素の一つである価格設定は、このどれにも関係がしてくるものになります。全てのコストを含めた上で利益の上がる価格にする必要がありますが、市場価格よりも高すぎると誰にも買ってもらえません。しかし、値下げ競争に巻き込まれるとコストを回収できないため、逆にブランド化して利益を上げようとする企業も多くいます。市場分析やマーケティング戦略においては、生産、流通、販売の全ての要素を加味して、価格を設定することが重要です。
ChatGPTによって、今まで以上に誰でも簡単に広告を出すことができるようになりました。広告運用のtipsや最新情報も、全てネットで見ることができます。
中途半端な知識や専門性しか持っていないマーケターでは、顧客の信頼を勝ち取ることはできないでしょう。
それでも広告代理店が存在し続ける理由は、我々の専門性の高さにあります。
民事訴訟では誰でも自分を弁護することができますが、多くの人が弁護士に依頼します。それは「自分ではうまくいかないかもしれない」という不安から来るものです。
顧客も心のどこかでは「これで大丈夫なんだろうか?これで間違っていないのだろうか?」と言う不安を抱えているのです。なので、専門家である我々に相談に来るのです。
しかし、我々からすれば、商品を最も理解しているのは顧客ですし、企業の状況を最も理解しているのも顧客なわけですので、正直な本音を言うと、我々に高い手数料を払って依頼する以前にやることがたくさんあるのではないか?と思うことがしばしばあります。
ですので我々は、いただいた手数料に見合った広告媒体に対する高い専門性と、豊富な知識からなる圧倒的な問題解決能力を持って、顧客のニーズと欲求を理解し、企業の利益を最大化することが必要なのです。
詰まるところ、「マーケティングって何をすればいいの?」という問いに、明確な答えはありません。マーケティングは業界や企業や商品によって全く違うものになりますし、時代背景にも大きく左右されます。先人たちの成功事例も、参考になるのはほんの一部だけだったりします。
だからこそ、私たちはより多く学び、より多くアウトプットする必要があります。
そして学んだ先には、きっと違う景色が広がっているでしょう。