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今まで言えなかった、私の本当の自己紹介

このnoteでは、私の人生の物語を赤裸々に綴っています。
新卒で配属ガチャ、上司ガチャ、勤務地ガチャを全て外し、
次に入った外資ではMVPを取った月にクビになり、
今は海外向けの広告代理店でマーケッターの仕事をしています。

あまりに赤裸々すぎて一部の方の気分を害してしまうかもしれませんが、あくまで主観に基づく経験ですので、その辺だけ誤解のないようにお願いします。
私の経験があなたにとって何か意味あるものになることを願っています。


「皆さんは履歴書に書ける学生生活を送ってきましたか?」

私は1年浪人して大学に入学しました。調子に乗って当時3年生向けに開かれていた就活セミナーに潜り込んだことが全ての始まりでした。
会の冒頭、キャリアセンターの課長が前に出てきて言った一言がいまだに忘れられません。
「皆さんは履歴書に書ける学生生活を送ってきましたか?」
頭から冷や水をぶっかけられた思いでした。
1年浪人して、周りよりもハンデを背負っている。
就活浪人なんて洒落にならない。
今から自分を変えなければ、2年後に同じことを言われてしまう。
私は大学4年間の目標を「就活で無双する」ことに決めました。

体力もない、資格もない、特技もない。
何もしなければ面接で何も話せないことは明白です。
苦手を克服すれば、面接で話せることができるだろう。
私は苦手だった「運動」を克服するために、体育会系部活動のヨット部に入部しました。

ヨットという競技を高校から始める人はほとんどいません。漕いだり走ったりすることもないので、文化部一筋だった自分でも始めやすいと考えていました。しかし、実際は想像以上に厳しく、週末は合宿、長期休暇中は週5日の練習に明け暮れました。モーターボートに乗り、眠い目をこすりながら先輩が操縦するヨットを追いかけ、合宿での早朝起床の辛さ、冬の琵琶湖でウェットスーツを着て凍える風を浴びながら練習し、操縦をしくじって転覆してしまい刺すような水の中に頭から放り込まれまたこともありました。しかし、先輩や同期に恵まれ、支えられながら何とか乗り切ることができました。

ヨット部に入ることで、「体育会系」という派手な肩書を手に入れました。
しかし、スポーツ経験が皆無だった私には、ヨットで成果を出すための「センス」が欠けている。このままだと本当に入っただけの人になってしまう。
そこで、私は「舞台裏で輝く」ことに決めました。
裏方での貢献にシフトした私は、大学内の役員活動をするようになりました。
・体育会系部活動を取りまとめる体育局本部の役員
・学内全体を牽引する中央執行委員会の役員
・新入生歓迎行事の総責任者
・学舎の30周年記念行事の実行委員
・SDGsのポスターコンテストの開催
これらの経験は、私にとってただの作業ではなく、自己成長のための挑戦でした。特に印象深いのは、予算200万円で新入生向けのパンフレットを制作したことです。

「自分が作るからには、伝説を残す!」この無謀とも言える決意のもと、既存の印刷会社との契約を打ち切り、新たな業者を探し始めました。
GPTや他の高度なツールがない中、どうすればいいかなんて誰も教えてくれません。独学で本を読み、様々な人の意見を聞き、地元の広告代理店に依頼することを決めました。
最大の課題は、デザインコンセプトの全面的な見直しでした。委員会の紹介、年間行事、部活動紹介などのページごとに適切なデザインを見出すために、広告代理店と何時間ものミーティングを重ねました。結果として、パンフレットは大成功を収め、私自身にも大きな自信を与えてくれました。

この「なんちゃって広告主」としての経験は、次のキャリアを選択する上で、非常に大きな意味を持つことになります。限界に挑戦し、新たな分野に一歩を踏み出す勇気を持つことの大切さを、この経験は教えてくれました。

「行きたいと思える会社が全くない」

大学生活でガクチカを作れるだけ作りまくった自分は、3年になって困っていました。
「行きたいと思える会社が全くない」
魅力的な成長産業や、面白そうな企業といえるものがほとんどない。
どこに行けば正解というものが全くないのが就活の最も難しいところでした。

そんな中で、安易にも合同企業説明会で最初に話を聞いた会社のインターンを受け、就職企業ランキング中小企業ナンバーワン、働きがいのある会社ランキングベストカンパニーという謳い文句を信じて、某人材教育コンサルティング企業の内定を3年生の1月に獲得しました。
ここで後悔しているのが、その後のコロナ禍を理由に、就職活動自体をやめてしまったことです。
その時に知っている企業の中で選んでしまい、それ以上調べることをやめてしまったのです。

雲行きが怪しくなったのは11月のことでした。内定者研修で東京に呼ばれて専務と面談をしたとき、あまりいい印象を与えることができませんでした。このことが原因で営業として採用されたはずが在庫管理部門に配属されることになりました。

「この会社で成功したいんだよね?」

とはいえ、入ったばかりの自分は新卒らしく頑張って仕事をしました。
しかし、そもそも話すことは得意でも細かい作業は苦手。3年目から7年目の社員に囲まれ、周りが当たり前にできることも当たり前にできません。上司からは人格まで否定され、朝5時から夜の22時までひたすら肉体労働の日々を送りました。

極め付けはそんなある日に、運んでいた商品を不注意で倒してしまいました。落とした衝撃で段ボールが凹んでしまったことを報告したとき、上司から言われた一言
「この会社で成功したいんだよね?」
「この商品まだ持ってないよね、いつ買うつもりなの?」

その商品は50万円する経営者向けの情報商材でした。
とても新卒の給与で買えるものではありません。
「大丈夫、給与天引きで分割払いにできるから」
聞くところによると、営業になるとこれらの商品を半強制で買わされることになるらしく、他の同期も毎月数万円を給与から引かれて支払っているそうでした。

「買わせていただきます」
それ以外、自分に言えることはありませんでした。
ちなみにこの50万円は、退職してからも銀行振り込みで支払いを続け、2年後の3月に返済を終えました。

「本を読んで考え方をアップデートしないと、行動は変わらないよ」

こんな会社にいてはいけない、そう思いながらエージェントに登録して転職活動をしてみました。
しかし、1年以内に辞めるような人間をまともに相手にしてくれるような会社はありません。書類選考を出してもほとんど通らず、唯一通った会社のクチコミを調べたら「この会社にワークライフバランスなどありません」と書いてある始末。

俺の人生終わったかもしれない、、、

絶望で迎えた2022年の元旦、学生の頃に通っていた勉強会コミュニティの先輩に転職の相談をしたところ、ひとつのアドバイスをもらいました。
「それは君の脳みそが変わっていないからだよ、
 本を読んで考え方をアップデートしないと、行動は変わらないよ」
それは、衝撃的な一言でした。

今も通っているその勉強会は読んできた本を紹介し合う会です。
社会人になってから忙しくて行けていなかった勉強会に無理やり時間を合わせて参加し、おすすめされた本を片っ端から読んでいきました。
そして、自分がたくさんの思い込みに縛られていたことに気づくことができました。
当時の社会は働き方改革の真っ只中で、やっと副業や転職が新聞に載るようになっていた時代、しかし欧米を始め世界では、終身雇用や年功序列といった日本的雇用慣行はとっくの昔に崩壊し、たくさんの新しい働き方が当たり前になっている。
正社員が絶対だ!と思っていた自分は、頭を横から殴打されたような衝撃でした。
しかもその勉強会には、本の学びを実践して、実際に信じられないくらい自由でグローバルな働き方を実現している人が何人もいたのです。
「自分もできる!」
そう確信した私は、気づけば会社に辞表を出していました。

「マルチステージの人生設計」

これからの方向性を決める中で、リンダ・グラットンの「LIFE SHIFT」から得た学びは大きなものでした。
「人生100年時代において、時代の変化に対応するためには、一旦キャリアを中断して、時間をとって学び直しとスキルの再習得に投資しなくてはいけない」
「従来の教育・仕事・定年の3ステージの人生設計は崩壊し、
 マルチステージの人生設計が必要になる」

バックオフィスで1年も経っていない自分に正社員での転職は絶望的でした。
実際、バックオフィスの仕事はいずれ機械によって代替されてしまう。
「時代の変化に対応するために自分は何をするべきか」
私は思い切って派遣社員で営業の仕事を探すことに決め、たまたまPinterestという外資系のビジュアル検索プラットフォームの立ち上げにアサインされました。

「ルールもマニュアルも全て皆さんがつくってください」

Pinterestに入ってまず言われた言葉にワクワクしたのを覚えています。
「みなさんは日本におけるPinterestの広告事業の立ち上げメンバーです」
「ここには守るべきルールも、マニュアルもありません
 すべては皆さんがこれからつくってください」
最低限の資料やマニュアルはあったものの、全て英語。オーストラリアから呼ばれたメンバーに通訳を介して営業トークを学び、日本の市場ではどう言えば伝わるか、どうすれば顧客にPinterestを使いたいと思ってもらえるかを毎日考えました。未経験の自分にとってはほとんど雲をつかむような気持ちでしたが、未経験だったからこそ、媒体側という視点に立って、広告業界を俯瞰することができました。

最初の半年間は代理店向き合いのアカウントマネージャーを行い、後半は広告主向き合いのアカウントマネージャーを行いました。チームの新規成約率の向上のために、フロント営業とタッグを組んで初回から具体的なプラン提案を行なったことにより、MVPも取ることができました。

「今月末で、終了です」

MVPを取った月、チームも軌道に乗ってきて、ここからさらに結果を大きくしようと思った矢先に、派遣元の担当者から電話がかかってきました。
「今月末で契約が終了だそうです」
聞くと部署の目標を達成できず、部門縮小によるレイオフでした。
それまでもレイオフになる人は何人かいましたが、それぞれ理由があってのことで、MVPを取った自分がまさか対象になるとは思ってもいませんでした。

契約の終了まで約1週間、転職活動をするにはあまりに短すぎたため、同じ広告系の仕事を派遣で探すことにしました。

「今の仕事楽しいですか?」

新しく入った職場はリテールメディアの広告代理店でした。
自分はそこで、新しく始まったプロジェクトにデジタルマーケティングのエキスパートとしてアサインされました。
しかし、プロジェクトはなかなか軌道に乗ることができず、手が空いてしまった自分は入稿やレポート作成などのオペレーション業務に回ることになりました。

元々細かい作業は苦手な自分でしたが、チェックリストをつくり、抜け漏れのない業務をすることができるようになりました。
担当する案件もタバコ系や大手の案件が多く、予算規模は月に1,000万などということもあるくらいでした。
しかし、一方で漠然と自分のやりたいことはこれじゃないという気持ちが大きくなっていました。

「I'm a digital advertising specialist.」

半年のタイミングで上司とも話し合い、転職することを決めました。
今度は1ヶ月近い準備期間がある中で、改めて広告業界について調べることができました。

広告業界には大きく4つの種類の企業があります。
①広告販売者
メディアの広告スペースを広告主に販売する役割を担う企業で、GoogleやMETAなどの媒体者がこれにあたります。
②広告取引・仲介事業者
広告主とメディアの間で広告スペースの売買を仲介する企業やサービスで、DSP等がこれに当たります。
③広告購入者
広告主に代わって、広告スペースを購入する役割を担う企業で、広告代理店がこれにあたります。
④広告計測事業者
広告の効果を測定し分析するサービスを提供する企業です。

自分はJIQDAQ企業を中心に最初はPinterestと同じ①や②の企業を中心に応募しましたが、最終的には③の広告代理店に就職することになりました。
その大きな理由は「英語」でした。

①や②の企業で圧倒的に力を持っているのは外資系の企業です。
そのためメールはほとんど英語で、英語面接も何度か受けました。
自分にとって英語は運動と並ぶくらいのコンプレックスでしたが、
ChatGPTを活用することで、これを乗り越えることができました。
とはいえ現場レベルの英語で海外のマネジメントと会話するなどは正直難しく、残念ながら①や②の企業は断念せざるを得ませんでした。

③の企業では国内のエージェントと海外のエージェントのどちらも使って探しました。選考の進み方は時代の変化もあるかとは思いますが、1年目にやった時とは大違いでした。
まず書類選考の通過率が段違いでした。
1年目の時は、100件応募して1件通過した程度でしたが、今回は30件出して18件の面接を受けることができました。
派遣で働いていたことをマイナスに捉える企業はほとんどなく、Pinterestで働いた経験や、代理店で運用担当をしていた経験を評価してくれた企業が非常に多かったです。
結果として海外のエージェントから紹介された海外向けの広告代理店からオファーをもらったわけですが、1年目の時に思い切って派遣で経験を積む決断をしてよかったと思っています。

「あなたはどうしたい?」

私は今、SNSを通じて多くの人に「本を読む価値」と「テクノロジーを活用する価値」を伝えています。

自分にとって大きかったことは、「本を読んで視野を広げたこと」と「テクノロジーを使って苦手を克服したこと」です。
あの時に本を読んでいなければ、きっとまた同じことを繰り返していたでしょうし、「ここでもまだできることがあるかもしれない」という思いを捨てきれずに、いつまでもズルズルと時間を無駄にしてしまっていたかもしれません。
そして今回の転職活動はGPTがなければもっと選択肢の少ない結果になっていたと思います。実際に内定をもらった企業を紹介してくれたエージェントさんは海外のエージェントで、英語のビジネスメールを一切書いたことがなかった自分が英語を使ってタイムリーにコミュニケーションを取れたのはGPT-4のおかげでした。

本を読んでも意味がない、何も変わらないと自分も思っていました。
GPTとかエンジニアとかが使うもので自分には関係ない。
そういう考えを新卒の自分も持っていました。
でも、実際は全く違いました。
世界は広く、可能性に満ちています。
でもその選択肢は時間と共にどんどん減っていくのも事実です。
もし今自分の環境に不満があったり、報われないと感じるなら、
違う選択肢を探してみてもいいのではないでしょうか?
大切なのは「あなたがどうしたいか」ということです。

ここまで読んでいただきありがとうございました。
これを読まれたあなたにとって、何か得るものがあれば幸いです。


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