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着眼点1: 誰にも負けないコア・コンピタンス

事業戦略大学(教員1名・生徒無限大)「成功する事業戦略計画の7+1の視点コース第2回」

■コア・コンピタンスとは何か


ディスカウントストアのドン。キホーテは、他社がマネしようと思ってもできない独特の陳列方法と品揃えのおもしろさが独自の強みである。また、スターバックスコーヒーは、ゆったりとした店内のインテリアとカジュアルな接客サービス、そして店内に漂うコーヒーの香りが組み合わさって創出される独特のスタイルが独自の強みであろう。

このように複数の強みが組み合わさった結果、他社が容易にマネできない独自の強みを、経営戦略論では″コア・コンピタンス″と呼ぶ。

コア・コンピタンスは、顧客満足を実現させるために企業が持つべき能力である。これがなければ、目指すべき、商品・サービスは提供できない。事業戦略計画では、まず、他社がマネできないコア・コンピタンスとはどのようなもので、どの程度のレベルなのかが評価される。つまり、コア・コンピタンスとは、事業戦略計画の実現可能性を示すものであり、かつ顧客を引きつける独自の商品サービスを創造する競争優位の可能性を示すものである。また、競争優位の可能性は売上げの増加、価格維持の可能性、つまり利益確保の可能性を示してくれる。(図参照)

20200718_事業戦略大学図表第2回

■コア・コンピタンスはどこに存在するのか?


コア・コンピタンスは、過去の実績の中に存在する。すでに数年事業を行っている企業や事業であれば、商品やサービスの実績の中に、何かしら他社に負けない要素があるはずである。具体的には、その商品・サービスを生み出すプロセスや仕組みの中の、それらを支える技術、技能、組織、チーム、人などの中に存在する。もし、新しく起業する場合であれば、起業するメンバー自身の実績の中にコア・コンピタンスは存在する。また、コア・コンピタンスは、参入する市場を設定しないと発見できない。何がコア・コンピタンスになるかは、設定する市場によって異なる。たとえば、スターバックスのコア・コンピタンスは、マクドナルドのようなファーストフードビジネス市場では通用しないのだ。

つまり、コア・コンピタンスとは、組織や個人の過去の実績を生み出した強みとしてはどんなものがあるかを把握し、新たな参入市場をいくつか設定して、そこでその強みが活かされるかどうかを検証しながら、発見していくものである。

ある市場ではあまり役に立たないと思われる強みであっても、市場を変えることによってコア・コンピタンスに変わることも多いのである。

さらに、事業をスタートさせた後、自社のコア・コンピタンスを発見することも多い。

事業をスタートアップさせる段階で考えていたコア・コンピタンスが競争上あまり意味がなく、自社では気づかなかった点がコア・コンピタンスであることが、事業を行っている中で見つかる場合である。

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