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冬の限られた時期には「雪太郎」、普段買うなら「三寸餅」。そろそろ季節にはなりますが、ススキノが育んだ札幌の銘菓を生み出すメーカーといえば「菓か舎」を含む「三八」かなと。まあよく「三八」で「雪太郎」買いに行ってたのは。

ひとまず宿題としてはようやく纏まったかな。

こちらで予告はしていたけれど。

「菓か舎」と書いて何と読む?|三谷乃亜

この記事に触発はされて、なら纏めて語ってみるかと。


まあよく「三八」で「雪太郎」買いに行ってたのは
さっぽろ映画ミュージアムが厚生年金にあった頃の話やな。

 結構定例で和田由美さんとか浦田久さんとかたまに椎名次郎さん
とか(よくいたのは館長だった小檜山博氏と道内の新聞媒体でよく
映画評論してた新目七恵さんか)、上映イベントはあったから
厚生年金会館まで行き、往年にして懐かしの竹岡コレクション
(昔ゼミ室で観たキネマ旬報の圧巻だった資料の一部)なんかを
眺めつつ、話題作りの一つとして、浦安そして今は押上にいる
「あのさぁ」な伯父が覚えてた「三八」の「雪太郎」を
地下鉄東西線西11丁目近くの本店まで買いに行ってたりしてた、と。

 思い出の中心はそのあたりだけど、まあ本になっている
亜璃西社(和田由美さんトコの出版社)の、でいうといつも
通り「ほっかいどうお菓子グラフィティー」から。

9784900541955

どんなお菓子かといえば、一種のマシュマロである。ただ、
袋売りの駄菓子風マシュマロの場合、表面がつるんとして
存在感もいま一つないのだが、雪太郎はまったく違う。その
表面は、まるで粉雪が舞い降りたかのように、極小の砂糖の
結晶で覆われているのだ。じっと見ていると、新雪が降り
積もった幻想的な雪景色が眼前に浮かんでくる。それほどに
、美しい。
 そっと噛んでみると、まるで雪の結晶がはじけるかのよう
な音がして、耳で楽しませながら、淡雪が融けるように小さく
なって消えてゆく。

塚田敏信「ほっかいどうお菓子グラフィティー」
(亜璃西社,2012.02,383.8)「雪太郎」p139


まあそんな三八の「雪太郎」は季節限定かつ店舗限定。
(個数が作れない上に、入荷しない日もある)
お土産としては「雪太郎」よりも古い淵源を持つ「バター
せんべい」をルーツにした「しろくまバターせんべい」
にはなるのでしょう。

かつてはおおば比呂司の絵柄を使っていたけど、リニューアルして
しまったのよね。

おおば比呂司デザイン時代の三八・バター煎餅

 今でも全国的には巖手屋のせんべいやホテイのやきとり缶、
駅弁で言うと苫小牧のサーモン弁当なんかでは健在の
おおば比呂司絵ですけど。


地下鉄東西線西11丁目近くの本店、とは書きましたが、ループ
線になった札幌市電沿いに本店はあります。

 三八の原点は和生菓子で、目指したのはススキノの花柳界
に通用する上生菓子である。その目標は、当時の料亭「割烹
いく代」であり、そこで使ってもらえる菓子作りであった。

塚田敏信「ほっかいどうお菓子グラフィティー」
(亜璃西社,2012.02,383.8)「雪太郎」p140


大体の時期に「雪太郎」はないので、買う時は結構薄餅に餡の入った
「三寸餅」を買うのだけれど。


あとちなみになんで竹岡コレクションを知っているかといえば(多分ゼミ室に入って卒論の構成協力を仰いだのは一度か二度くらいだったけれど)、
私が北海学園大学人文学部日本文化学科の一期生だったから。

読書の秋2022を控えて「#虫干しと天地返し」をやったけど、流石にダンジョンを掘るのは今月ここまでかなあ。~近況などから随想~|torov

和田由美さんに札幌千秋庵の穴場の喫茶室教えたフクニチとか
道新でコラム書いてた竹岡和田男氏は北海学園大学人文学部日本文化学科の
教授だったから何度も存命中に講義を受けています(概略だけ説明して、
後は時間のある限り黒澤明の「野良犬」を観るだけの授業とか
楽しかったなあ)。

函館の千秋庵総本家と、「山親爺」と、「ノースマン」の札幌千秋庵。|torov

 って原体験があるんで、今更映画館に行って映画を「観に行く」だなんて時代じゃない、とも思うのよね。人文学部日本文化学科の学徒だった
性分からするとね。


冬の限られた時期には「雪太郎」、普段買うなら「三寸餅」。そろそろ季節にはなりますが、ススキノが育んだ札幌の銘菓を生み出すメーカーといえば「菓か舎」を含む「三八」かなと、でした。





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