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猫ってなんで「ニャー」って鳴くの?【猫のキマグレ悩み相談】

ふむふむ、ボウヤいい質問だね。

ワシら猫の鳴き声が、「ニャー」になった理由かい。

もちろん知っているとも。

特別にボウヤだけに教えてあげよう。

ちなみにだが…お父さんやお母さんにも同じ質問をしてみたのかい?

ふむふむ。

お父さんに聞いたら「そんなの猫がワンって鳴いたらおかしいじゃねえか?」って言われたのかい。

たしかに、ワシらが「ワン」って鳴いたらみんなビックリするだろうね。

それじゃお母さんは、なんて答えたんだい?

ほうほう。

「そんな事考えてる時間あるんなら、早く勉強しなさい!」って言われたのか。

ほっほっほ、お母さんは猫の鳴き声の理由よりも勉強の方が大事なんだね。

たしかに、勉強してないと良い学校にも行けないからね。

でもね、分からないことに疑問を持ったり、不思議な事に興味を持つ事は、学校の勉強以上に大切なことでもあるんだよ。

その好奇心は、大人になってもけっして忘れてはいけないよ。

さぁ、ちと寄り道してしまったが、そろそろ猫がニャーと鳴く理由を話そうかね。

さてさて。

むかしむかし、ずーっと昔。

「猫」と言う生き物が人間にその存在を知られるようになってきた頃のこと。

当時、猫たちの間である話が議論されていた。

それが…

『どんな鳴き声なら、人間たちに可愛いと思ってもらえるか?』

であった。

実は猫たちはそれまで人間と同じ言葉を話していたんだが、猫が人間の言葉を話していたら気味が悪いと思われるんじゃないかと言う意見が沢山出てね。

そして、我々が生き残るためにはその土地を支配していた人間たちに気に入られなければいけない。

そのために、鳴き声と言うのは重要になってくると猫たちは考えたんだよ。

もちろん、見た目だけでも充分可愛いがってもらえる自信はあったんだけど。

昔の猫はお喋りだったみたいで、ウサギみたいに静かに過ごすのは嫌だと思ってたそうだ。

それに、可愛い声で鳴いたら人間たちもついつい猫たちに甘くなるだろうと考えたんだ。

そして、みんなで話し合った結果鳴き声の候補は3つに絞られた。

1つめが、「ミャーオ」

2つめが、「ナーウ」

3つめが、「ニャー」

そして多数決の結果、大勢の賛成を受けて3つめの「ニャー」に決まったんだ。

ちなみにだが。

気付いたかもしれないが「ミャーオ」と「ナーウ」に関しては今でもその鳴き声の猫がいるね?

当時その2つに賛成した猫たちが「ニャー」に決まったあと、こっそり身内だけで集まって「ミャーオ」や「ナーウ」を使っていた名残りが今でも残っているんだよ。

さて、そんなこんなで「ニャー」と言う鳴き声で鳴き始めた結果、猫たちの思惑通り人間たちに可愛いがられるようになったんだ。

もちろん、見た目の可愛いさがあってこそだけどね。

そんなワシたちの祖先のおかげで、今もこうやって人間たちに可愛いがられながら生きていけているという訳さ。

まぁ、信じるか信じないかはボウヤ次第だがね。

どうだい、「ニャー」の理由は分かってくれたかな?

そうかそうか。

ワシもボウヤみたいに純粋な人間と話ができて良かったよ。

あ、そうそう。

お父さんとお母さんには、ワシが人間の言葉を話したことは内緒だよ?

大人に言っても信じてはもらえないだろうから、2人だけの秘密だ。

よしよし、わかってくれたか。

ん?どうした?

ワシはどんなふうに鳴くかだって?

ワシの鳴き声は「ナーウ」だよ。

ワシのおじいさんが口癖のように、「ニャーと言う鳴き声は人間に媚を売ってるように聴こえて、好かんのじゃ」と言ってたよ。

だから、ワシもおじいさんの影響で気付いたら「ナーウ」になってたんだよ。

まぁ、「ナーウ」と鳴いてもみんな可愛いがってくれるからどっちにしてもワシらの魅力は変わらないがね。

じゃあねボウヤ。

また何か聴きたいことがあったら遊びに来るんだよ。

また会おう。

ナーウ。


                 服部 佳弘

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