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幽かな幻-『異邦人』Ⅱ-

手に触れる物が
不快だ

太陽のせいにするほど
深い無意識も無く
夢見心地で居続けるほど
陶酔へも振り切れない

日和見の小市民を自認しながら
明日の糧の為に
今日を諦め

見たかのような
幽かな幻を引きずりながら
「本当」を避けて

自分の腹の置き場を
此処ではない何処かで探る体(てい)の
不快な時間の
夏の日長が暮れてゆく

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