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医療職の悩みと離職理由

医療従事者は、社会の健康を支える重要な役割を担っています。しかし、その責任感や職務環境が原因で、多くの医療従事者が離職を選ぶ現状があります。ここでは、医療職が抱える悩みとその離職理由を統計データを交えながら考察してまとめていきます。
私も医療従事者として勤務している時たくさんの悩みがありました。同じように悩んでいる、離職を考えている方の不安解消に繋がると嬉しいです。

医療職の離職率と現状


厚生労働省の報告によると、2021年度の正規雇用看護職員の離職率は10.6%で、特に新卒看護師の離職率は約10.3%に達しています。民間病院における離職率は14.4%と高く、公立病院の8.0%と比較して明らかに高い水準にあります。また、2022年度のデータでは、新型コロナウイルス感染症の影響により離職率がさらに上昇したことが報告されています【20】【22】。

主な離職理由


医療職が離職を選ぶ理由は複合的であり、以下のような要因が挙げられます。

過重労働と心身の疲弊
医療現場では慢性的な人手不足が続いており、一人当たりの業務量が増大しています。特に新型コロナウイルスの流行以降、感染症対策や患者対応が負担となり、心身の疲労が離職の主要な要因となっています。厚生労働省の調査では、看護師の約70%が業務負担の重さを感じていると回答しています【20】。

人間関係の問題
医療現場特有の厳しい上下関係や、同僚間の摩擦、患者や家族とのトラブルがストレスの要因となり得ます。特に新人職員にとって、指導者との関係が良好でない場合、職場環境に馴染めず早期離職に至るケースが多く見られます。

キャリアの停滞感
忙しさのあまりスキルアップや自己研鑽の時間が取れず、専門職としての成長を実感できないことがキャリアの停滞感を生みます。長期的なキャリア形成が見込めないと判断した場合、医療職を離れる選択をする人が増えています。

給料や待遇への不満
医療職の給与は、その責任の重さに比べて低いと感じる人が多いのも事実です。特に若手や女性職員にとって、経済的な不安が離職の大きな動機となることがあります。

ワークライフバランスの欠如
不規則なシフトや夜勤が多い医療現場では、家庭生活やプライベートとの両立が難しいと感じる人が多いです。この結果、出産や育児を機に離職する女性が多いのも医療業界の特徴です。

離職防止のための改善策


離職率の高さを改善するためには、労働環境の整備や職員の支援が不可欠です。

労働環境の改善

シフト管理の見直しや業務効率化を進めることで、職員一人あたりの負担を軽減する。

人手不足を解消するため、採用活動の強化や外部スタッフの活用を検討する。

メンタルヘルスケアの充実

心理カウンセリングやストレスチェックの定期実施。

職場内の相談窓口を設け、職員が気軽に悩みを共有できる環境を整える。

キャリア支援

継続教育プログラムやスキルアップ研修を提供し、職員のキャリア形成を支援する。

中堅やベテラン職員には、リーダーシップ研修やマネジメントスキルを学ぶ機会を設ける。

待遇の向上

給与の適正化や賞与の見直しを行い、職員のモチベーションを高める。

福利厚生を充実させることで、職場への満足度を向上させる。

ワークライフバランスの推進

夜勤回数の減少や有給休暇の取得促進。

育児や介護との両立を支援する制度の拡充。

おわりに


医療職の離職は、個人の問題にとどまらず、医療現場全体の安定性や患者ケアの質にも影響を及ぼします。そのため、国や自治体、医療機関が一体となり、現場の課題解決に取り組むことが求められます。

医療従事者が安心して働ける環境を整備することで、離職率の低下だけでなく、医療の質向上や職員の満足度向上にもつながると思います。医療職が誇りとやりがいを持って働ける未来を目指し、社会全体で支援されることを願っています。

ここまで読んでいただきありがとうございました!
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