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『ナボコフ全短篇』を読む日記2022.03.06-07(44/68篇)
「告知」「ロシア美人」(ともに1934年)を読む。
「告知」は息子の死を知らないほとんど耳の聞こえない老婆に周りの人がどう伝えたものか苦心する話。シームレスで焦点化が移り、最初は混乱する。ル=グウィンはナボコフのこういうところが好きではなかったのだろう。
「ロシア美人」はオリガという女性の(注釈によれば)細密画のような話。1900年に生まれ、お嬢様として育てられ、革命で転落し、ドイツで落ちぶれて暮らしている。やがてドイツで結婚するも……というほとんど説明みたいなものだ。