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【発達障害ASDの長男#9】独特な中学受験準備から面接まで。

長男は、ASDとADHDグレー、発達性協調運動障害、軽度知的障害が先天的にあり、思春期の頃から、チック症を発症し、そのまま改善されずトゥレット症になりました。現在は20歳になりしっかり働いています。

前回の続きになります。

5年の夏休みに体験に参加して以来、息子はすっかり公立に行くつもりはなくなり、その学校へ行くんだ!という気持ちが高まっていた。
電車通学になる事とか、誰も知らないところへ行くことに不安はないのかな、と思ったが、本人は、そこまでの想像はできてなさそうだった。

がしかし、ただ「行きたい」では行けないのが私立中学というもの。。。

まずは情報収集から

私たちはとにかく情報を集めた。その学校は6年生の時に、体験入学を受け、面談(親・子別)があり、最終的に、学力試験を行い、合否が決まる。

日程や申し込み期限など、スケジュールについてや金額的なものについては、割とさっさと調べることができた。

問題は、倍率。これが、、、案外高く、驚いた。確か2.5倍とかだったと思う。
半分以上が落ちるのか〜。げんなり。

世の中、発達障害への配慮がなされる学校へのニーズがこんなに高いものか、驚いた。こんなにニーズがあるのに、対応できる学校の少なさよ・・・😭

ま、そうは言っても、どうしたら入れるのか。
学力試験があるということだから、通常であればいわゆる、受験塾に行くのだろうけど、受験する学校は学力試験を重視しないという。どう考えてもいわゆる普通の中学受験を目指すような塾に行っても、仕方ない気がした。

とりあえず、小学校3年生くらいの計算問題と、小学校で習ってきた漢字の復習くらいやった方がいいのかな〜、どうなのかな〜で止まっていた。

春季講習に行ってみる

がしかし、こんなのんびりでいいものなのか、、、それに、学力試験以外の体験入学や面接だって、どんなものなのか、よくわからない。

長男が目指す学校への受験対策を行っている塾の春季講習に連れていくことにした。まだ幼稚園に通っていた妹2人を連れて電車で平日に通うのは無理だったから、せめてお休みの間だけでも、と思った。春休みの間だけ、実家の母に来てもらい、長男の塾の付き添いをした。

塾では親への面談も行ってくれた。対策用の問題集をもらい、春季講習を終えた。
息子の出来は、ミスが多いものの、落ち着いてやればできるということだった。問題自体もあまり複雑なものはなく、夏季講習に参加して頑張ればどうにかなるかな、と思った。

いよいよ6年生

と言っても、さほど受験生ということを感じない日常生活だった。勉強もしないし、放課後にDSを持っていそいそと友達の家に遊びにいく回数も増えていた。周りの誰もが、息子がよもや受験生だとは知らなかったと思う。

勉強しないことなど全く心配ではなく、むしろ、友達の家に遊びにいく回数が増えて喜んでいた。

学校の授業の勉強は6年生の時点では、かなり厳しいものだった。パターン学習で覚えた計算問題も基本的なものは定着していたが、単位変換、速さ、図形、角度、円と球などが出てくると、もうお手上げ状態だった。 

我が家の方針としては、小学校6年生までの学習をちゃんと学ばせよう、というつもりは毛頭なく、生きていく上で必要な計算や漢字の読み書きはできるように、具体的には小学校4年生程度の、読み書きと計算が最終的にできるようになればいい、と思っていたので、家で勉強を教える、ということはほぼしなかった。

宿題に関しては、パターン学習でわかる範囲は正解を書いていたが、それ以外は、適当に書いて、ほぼ間違った状態で提出していた。担任がフォローできるものはフォローする程度、あとは通級の時間に少し勉強したりしていた。

テストは5点とか0点とかあったが、たまに50点とか取れる時もあった。ま、それが何?という感じで、良い点数を取らせることより、0点のテストを素直に親に見せれていることにホッとしていた。0点でも名前が書いてあれば褒めた。

いよいよ夏休み。体験入学に参加、そして面接。

6年の夏休みに入り、一般的な中学受験の子が勝負の夏休みに入る頃、我が家も、勝負の夏休みを迎えた。我が家の場合は、1発勝負。

事前に夏季講習に参加し、面接対策をしてもらった。息子だけの面接、保護者の面接、それぞれの対策をかなり入念に行った。

息子の面接の問題点は、想定問答のやりとりのほかにも、姿勢の保持、声の大きさがあった。ちょっも気を抜くと、椅子からずり落ちそうな体勢になる。声の大きさも気をつけないと蚊の鳴くような声になった。

息子に対しては、家ではドアをノックするところから、椅子に座るところまでと、想定問答と、退出するところまでを、何度も練習した。

練習の途中にも姿勢が乱れると、ピン!だよと言って気付かせた。

いよいよ体験入学と面接の日。息子は白いポロシャツにズボン、私たち夫婦もビシッとスーツを来て臨んだ。受付の後に、子供と保護者は別れた。もう、心配で心配で仕方なかった。

体験入学は、20人程度で教室や体育館で授業を行い、その様子を見る、というもの。保護者も見学できる授業があり、遠くから見学することができた。

息子は大人しいものの、なんとか頑張っていた。しかし、この体験入学をみる限り、特に大変そうな子はいない感じがした。普通ならば見落とされてしまう困り感のある子供たちなんだろうな、と思った。

それが終わるといよいよ面接。私は心臓が飛び出そうなくらい緊張した。自分の就職の面接よりも緊張した。対照的に旦那はリラックスしていた。

塾の先生と一緒に準備した面接対策を確認し、基本的には「旦那が喋る」というルールを直前で決めて、私は「お母様は?」と名指しされたら答える係になった。

いよいよ呼ばれ、夫婦で面接に臨んだ。緊張で足も手もガクガクした。

面接では、本人の面接はもう終わってますよ、かなり緊張していたみたいでしたけど、頑張ってましたよ、みたいな話をされて、少しほぐれた。

ま、とりあえず、そんな1発勝負の1日は終わった。。

帰りに、息子にどんなこと聞かれたの〜?と聞いたけど、ほとんど覚えていなかった。でも、1つだけ覚えている質問があった。

「おうちのお手伝いはしていますか?」

ほー、なんて答えたの?お風呂掃除してるのは言えた?と聞いたら、これが、、、

「お母さんのビールを箱から出して冷やす」

あちゃ〜〜〜〜。最悪。もう、最悪。

「え〜〜〜、お風呂掃除は?」

「あ。忘れた」と言って、ニヤ〜っと笑った。

ちょっと!私も同じこと聞かれて、お風呂掃除!と答えたのに。違うじゃん!と思ったが、もう、諦めるしかなかった。

息子にとって、「やってる感」が強かったんでしょう。。。笑

うちの受験はこれでほぼ終了に近かった。勝負の夏があっさり終わった。

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