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相手にフォーカスして話せば言葉は届くのです。
地元の地域の子育てコミュニティで、次に見る舞台劇の演出家の方との事前交流会が開催された。
その中の1つのプログラムとして、お芝居に関する簡単なワークショップを行った。
その内容は、「セリフを『かける』」というものだ。
自分の前方数メートルの地点に、自分に背中を向けて横並びに座っている5人がいる。そのうち1人を自分で選び、後方から「こんにちは」と声をかける。このとき、前方の5人が「自分が声をかけられた」とわかることができるか?というものだ。
私は声をかける役をやってみた。
1回目、少し緊張で声が上ずったのを演出家に見抜かれた。
「それでは言葉は届かない。その人の方を向いて、その人にフォーカスを合わせて、飾らない地の声で声をかけることが大事だ。」
2回目、少しリラックスした地声を意識して、選んだ1人について後ろから声をかける。
すると、5人のうち1人がスッと手を挙げた。見事に正解だ。
この体験は、自分にとっては結構面白い体験だった。
それは、これまで私が心の底では、「自分の言葉なんてどうせ誰も聞いてはいない」と思っていたからだ。
私が何か声を発したとしても、どうせ誰にも届かない。どうせ届かないのなら、別に声を発する必要もない。
そうやって私は、少しずつ「相手に真剣に話しかける」という行為をしなくなった。
しかし、今回の体験を経て、いやそうではない、と思えた。
私がサボっていただけだ。自分の言葉を、相手に届けようと思って真剣に届けていなかっただけだ。まず自分が真剣に届けようとしなければ、相手の言葉が返ってくることもない。
これは、普段関わっている子どもたちだけではなく、すべての人間に対する態度・姿勢として重要な意識だ。
相手にフォーカスを当てて、話し「かける」。
これを意識できるように練習していく必要がありそうだ。
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