【書評】『子どもたちに民主主義を教えよう』
こんにちは!友為です。
今回は『子どもたちに民主主義を教えよう』をご紹介します。
この本は、教育の哲学者である苫野さんと様々な教育改革を行ってきた工藤さんが、教育のあり方について対談している本です。
私の職場では企業文化として「仕事で人を育てる」というものがあり、人が成長するような環境はどういうものなのか?と考える機会が多くあります。そのヒントとして教育があるのでは?と思い、タイトルに惹かれて買いました。
この本で印象に残ったのは、誰1人として取り残さない意思決定に必要なこととして、粘り強い対話が必要なんだということです。その対話の中で大事になってくるのは、自分たちが向かっている「最上位の目標」です。
全員が納得した「最上位の目標」に、全員の意思が反映された手段を対話によって決めていくこと。
企業で行う場合、この過程を踏むことができるかが大事で、かつ普通の業務として行われる環境を作ることが大切なのかなぁと感じます。
私の所属している会社でもパーパスを決めて、その時は全員の意見を反映させるようなミーティングが行われていました。しかし、こういったミーティングはそういう会社全体の目標や、社外PRくらいでしか使われません。みんなの意見を反映させようと、決裁者が全員に声をかけないと、なかなか実行できないのです。
日常的な業務としては、基本決裁権を持っている人が時間に追われて決めていったり、多数決で決めることが多いような気がします。
民主主義社会で多様性が大事と言われながらも、意思決定は全く民主的でもなく、多様性は反映されないですし、もっと言うと、それに疑問を持つことが無いのです。
私も、何も疑問を持たずに30年生きてきました。
そう思うと、この本に出会えて新たな気付きを得ることができて、良かったなぁと思います。自分に子どもができたら、このことを意識して子育てできたらいいなぁと感じます。